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chapter.7 覚悟しなさい!
旧市街のモンスターが倒された頃、シーサイドタウンでは。
「いたた……」
ひとりのサラリーマンが、能美子とぶつかっていた。
「ご、ごめんなさい。大丈夫ですか?」
ゆずかたちに苛立ち、ろくに前を見ず歩いてしまったことでぶつかったのだと思った能美子は、自分の非を詫びた。が、すぐに異変に気付く。
ん? なにこのリーマンおっさん、全然こっち見ないでスマホばっかり見てるし……。
目の前の男は、人とぶつかったにも関わらず、怒るでも謝るでもなく、ただひたすらスマホの画面を見つめてにやにやしていた。
もしかして、危ない人……?
一瞬そう思った能美子だったが、自分に非が全くないわけではない。ここは自分が謝って、穏便に済まそう。
「え、と。怪我とか、大丈夫ですか? すいませんでした」
軽く頭を下げる。しかしやはりリーマンは、能美子のことをちらりとも見やしなかった。
もうこれは、これ以上の対話を必要としてないってこと?
なら別に、それはそれでいいのだけれど。そう思った能美子が立ち去ろうとした時、彼女は視線を感じた。こちらをじっと見ている。
反射的に、彼女はその視線の方角を向く。
そこには、ビラ配りをしていたアリサがいた。
「……?」
なんだろう、と不思議に思う能美子。だがアリサは、正確には能美子を見ているわけではなかった。その目が捉えていたのは、リーマンの方だった。
「そういえばよく歩きスマホをしているサラリーマンの人がいるから注意してね、ってボランティアの人に言われた気が……」
呟きながら見つめるリーマンは、相変わらずスマホを持ってにやついている。そのお世辞にも上品とは言えない表情を見た時、アリサは閃いてしまった。
「あ、もしかしてアレは盗撮……!? うん、そうに違いない!」
性犯罪のにおいをかぎ取ったアリサは、断固として許すまいとより距離を縮めて観察を続けた。
「え、な、なんなの……」
一方の能美子からしたら、見つめていた人物がじわじわ近寄ってきているので恐怖の方が大きい。しかもすぐ目の前には、まったく何の反応も示さないリーマン。まるで異世界に迷い込んだようだ。
一体何がここまでにやにやさせてるの……?
そんな疑問も浮かんだが、それよりもこの場から早く去ることの方が大事に思われた。
しかし間の悪いことに、アリサ以外のキャンペーンのビラ配りをしている子たちも、リーマンに気付いてしまった。
「あっ、歩きスマホしてるマナーの悪い人が」
リーマンの存在に気付いた冬華が、ビラを手に近づいてくる。それとタイミングを同じくして、渚もまた、リーマンに接近していた。
「歩行者マナーの向上のため、ああいった方は見過ごせません……!」
右側から冬華、左側から渚がリーマンに迫る。未だそこに座り込んだままの能美子、それを見つめるアリサ。
彼女たちの視線が一箇所に集まり、そして弾けた。
「っ!?」
最初に、声にならない声を発したのは能美子だった。なにせ、彼女はリーマンに思いっきり乗っかかられていたのだから。
スマホしか見ていなかったリーマン、そしてそのリーマンにしか目線が行っていなかった渚と冬華。結果として彼女たちとリーマンは、思いっきり衝突していた。
まだ立ち上がる前の能美子は、それに巻き込まれて倒れてきたリーマンの下敷きになっていたのだ。
さらに、リーマンの上には覆い被さるように冬華が、リーマンの横には渚が倒れかかっている。絵面だけ見たら、どこぞのハーレムである。
しかし現実は、地獄以外の何物でもなかった。
「あたた、大丈夫ですか? ごめんなさい……って、どこを触って……」
「へ?」
ここで、リーマンがようやく声を出した。起き上がろうとした彼は、無意識に冬華の体にタッチしてしまっていたらしい。しかも、あまり触っちゃいけないところに。
「やめてください、セクハラですよ……」
「いや、これは違……」
「わ、私もいつの間にか手を触られているんですけど……」
渚が、慌てた調子で言う。見ればその手は、しっかりリーマンと握手していた。どうやら倒れる間際、咄嗟に掴んだのが彼女の手だったらしい。
つまり今彼は、右手で冬華の体をタッチし、左手は渚と繋いだ状態で能美子に覆い被さっているという、とんでもないことになっていた。
「セクハラおじさん……」
その場にいた女子全員から、冷たい視線を浴びるリーマン。そこにとどめをさしたのは、
夕鈴 翼
だった。
「と、とにかくこれはたまたま起こってしまった事故だっ……!」
慌てて全員から手を離し、急いで立ち上がるとそのまま一目散に逃げだそうとするリーマン。が、前方不注意は危険だと彼は学ぶべきであった。
「きゃーっ!」
「へっ!?」
自分のすぐそばから、悲鳴。気がついた時には、リーマンは再び倒れ込んでいた。しかも、また女の子を下敷きにして。
その女の子こそが、翼である。
先ほどは確かに渚や冬華側も周りを見ていなかったから起こった的な部分はある。しかし、今回に限っていえば、翼の場合は完全に狙った上でのこの状況だった。要するに当たり屋である。
「あ、歩きスマホで前方不注意になっているおじさんを発見」
リーマンが偶発的ハーレムに陥るその少し前、翼は彼を目撃していた。
その時瞬時に閃いたことは、ちょっと懲らしめちゃおう、というなんとも小悪魔的な発想だった。
その直後女性たちとドミノ倒し状態になったリーマンを見て「懲りたかな?」とも一瞬思ったが、逃げるように去っていく姿に反省の色無しと判断し、自分も打って出ることにしたのである。
齢10歳にして、なんと恐るべき行動力だろうか。
そうして今翼は、リーマンと地面に挟まれている。外から見れば、明らかに幼い少女を押し倒している危険人物である。完全に計画通りだ。
翼は、目に涙を浮かべてリーマンを見上げた。瞬間、彼はなにかとてもいけないことをしてしまっている気持ちになった。というか、事実いけないことをしている。ほぼ。
すっかり狼狽え、言葉も出なくなったリーマンを見た翼はここからさらにスパートをかけた。
「だれか! このおじさんが、ニタニタした表情を浮かべながら、ボクに覆い被さってきたんです!」
怯えきった表情で、周囲に聞こえるように告げる翼。
「いや、これはその、ええと、事故! 事故ってやつで……わざとじゃ……!」
しどろもどろで言い訳を始めるリーマン。手をあたふたさせた拍子に、持っていたスマホがぽおんと手からすっぽ抜けた。
直後、かしゃんと小気味よい音を立てるスマホ。画面には、見事なヒビが入っていた。
「あーっ! 俺のスマホ……!!」
自らが置かれた危機的状況も顧みず、真っ先にスマホの心配をするリーマン。怪しい。いかにも怪しい。
そして何の因果か、スマホが飛んでいった先には能美子がいた。
「一体、このスマホに何が入っていたっていうの……?」
この男性が何に執着しているのか、そんな軽い気持ちで能美子はスマホを見つめた。が、これが彼女のろっこんの発動のカギとなった。
対象物を手に取り見つめることで発動するその力は、破損したものの前の姿が脳裏に浮かぶ。
彼女が垣間見たもの、それは傷ひとつないスマホのディスプレイに写る、幼い女の子の笑顔だった。娘だろうか。そこまでは能美子には分からない。でも、娘であってほしいとは思った。そうじゃなかったら、危なすぎる。
「そこまでね」
そこに、アリサが颯爽と現れた。
「そのスマホ、盗撮に使ってたんでしょ?」
今までの振る舞いを見ていればわかる、とでも言わんばかりにアリサが自信満々に言う。
「ええと、確かに女の子は写ってたみたいだけど……」
「ほうら! やっぱり! 警察に突き出さないと!」
「あ、いや」
能美子が続きを言うよりも早く、アリサは他のビラ配りの子たちと協力し、リーマンを引っ捕らえた。
そこで初めて、彼が涙ながらに本音を語る。
「歩きながらスマホをしていたのは悪かった、よそみしてぶつかったのも悪かった。だから許してくれ……こんなことで掴まったら、娘と嫁になんて言えば……!」
「あ、やっぱりさっきのは娘さんだったのね」
「え?」
「ううん、なんでも」
一瞬能美子の言葉を疑問に思ったリーマンだったが、今はそれより家族のため誠意を見せなければ。その思いでいっぱいだった。
そしてその様が偽りではないと、雰囲気から誰もが察していた。
いつの間にか涙なんてすっかり晴らした翼が、ぴょこんとリーマンの前に出てくる。
そして、上目遣いで彼へと告げた。
「これに懲りたら、歩きスマホはやめてくださいね!」
「……はい」
もう一度、頭を下げるリーマン。
あわやセクハラ事件に発展するところだったシーサイドタウン駅前だったが、壊れたディスプレイの奥に眠っている娘の笑顔が、彼を更正させたのだろう。
この一件以来、リーマンは歩きスマホを一切しなくなったという。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年03月09日
参加申し込みの期限
2015年03月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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