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進路相談、君等の道2【芸術科編】
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●芸術科2年8組その1
【
結城 日和
の場合】
日和はちょっと畏まった面持ちで座っていた。
若林 沙穂
先生は遅れてやってきた。手には保温ポット。
「ごめんね。職員室に茶葉の差し入れがあったから淹れて来ちゃった。カモミールだって。飲む?」
「あ、ごめんなさい。私、ハーブティはちょっと苦手で」
「そうなんだ。じゃ、こっちどうそ。これも差し入れ」
そう言って沙穂先生が差し出したのは、ラッピングペーパーに包まれたちいさなクッキー。
じゃあひとつだけ、といただくと、それは日和の口の中で甘くほどけた。
気持ちがほんわか和む。聞いて欲しい悩みがあった。それを素直に口に出せそうな気がする。
「卒業後は音楽学校に通いたいと思っているんですけど、」と日和は言葉を切った。
「……父がそれにあまり望んでないと言いますか。この学校に居る間に何か結果をださなければヴァイオリンは続けさせられないと言われました……」
「あら」
「昔はコンクールで賞をとったりしていたのですが最近はめっきり……それが父には不満を感じるようで。父は私には結果の残る音楽しか望んでいません。でも……」
日和はスカートの上に揃えた両手に目を落とす。自分の気持ちは、父とは違う。
「私は、音楽が大好きで出来るだけ音楽に関わって生きていきたいと思っています。音楽の大学に通えないとしても細々とでも続けていきたいと」
音楽好きな日和はヴァイオリンを嗜んでいる。
寝子島クラシック同好会
にも所属し、仲間たちと
ネコフェス
に参加もした。音楽とともにある。それが日和の喜びなのだ。
「けれど父はそれを許しません。私が勝手に続けていたらヴァイオリンを取り上げられるでしょう。下手をすれば壊されるかもしれません」
口唇を噛む。
父。なのに、わかりあえない。
「……それでも私は音楽をやりたい。家にいられなくなったなら自力でなんとか生きていく覚悟もあります」
「うん」
「今まで不自由なく暮らしてきた私にとっては難しい事だとは思いますが」
「かもしれない」
「それでも……ネコフェスで自覚したんです。やっぱり音楽が好きだって。だから音楽を続けたいです」
沙穂先生は頷きながら聞き、
「クッキー、もうひとつ食べる?」
と言った。
そして日和が甘いクッキーを噛み締めるのをしばらくにこにこ見ていたが、やがてゆっくりこう言った。
「そうだね。日和ももう大人になりかけてるんだもの。巣立ちもあるよ」
「巣立ち……」
そうだ、きっとこれは巣立ちなのだ。
「父は、分かってくれるでしょうか?」
「分かってくれるかどうかは分からないけど……いま日和、すごい覚悟できてるじゃない? 腹括って物事に取り組んでるとさ、なんか分からないけど上手く回ることってあるんだよね。日和の決意が固まってるから……『そしたらどうする?』。お父さんが結果を出さなきゃだめ、と言っている。そしたら、結果、出してみる?」
「え、でも……」
「べつにコンクールにこだわらなくていいんじゃないかな。日和がこれだ、と思うもので結果を出す。なにか目標を見つけて頑張ることはきっと日和の力になるし、それがあってはじめてお父さんから気持ちよく卒業できる気がするな。そして今の覚悟があれば、なんか上手く行く気がする。根拠、ないけどね!」
【
霧生 深雪
の場合】
いつもは控え室でダベるのが常だから、教室で改まって面と向かうのはなにやら気恥ずかしい。
沙穂先生は何気ない仕草でカモミールティを勧めながら、深雪の話をする。
「ピアノ。続けるつもりなのね」
深雪は頷く。進路はずっと前から決めていた。ただ、こうやって話すのは初めてかもしれない。
「海外留学したいと思ってる」
パリか、ウィーンか……、深雪は国立の音楽学校の名をふたつ挙げた。何れ劣らぬ名門である。
「世界に出るのね」
「ああ。海外には絶対行きてぇ。両親が留学してたから不思議と俺もそうするもんだとずっと思ってた。二人とも同じようにそう思ってるみたいだし背中を押してくれてる。だから、自分の力を試したいんだ」
「国内は考えてないの?」
「もちろん、日本でも音楽の勉強は出来るかもしれない。でも多分……」
深雪は無意識に己の指を撫でていた。よく訓練された美しい指だ。
「このまま日本にいたんじゃ限界は超えられない。世界にはもっと凄ぇやついっぱいいるし――俺は音楽を極めたい」
深雪は貪欲だった。その貪欲さを隠そうとしなかった。
「もっともっと勉強して色んなもの吸収していい演奏が出来るようになりたい。そのためにはやっぱり海外に行くことが前提条件なんだ」
自分で言うのもなんだけど勉強も実技もこのまま頑張ればイケると思ってる、と深雪は言った。
「先生も俺のピアノ聴いたことあるだろ! どう思った?」
言いきって、深雪はしばし黙した。自信はある。
それでも過る一抹の不安。
その不安を打ち消すように、沙穂先生は穏やかな笑みを浮かべる。
「……好きだよ」
シンプルな一言だった。いい、でも、悪い、でもなく、好き。心が動く、と先生は言ったのだ。
「やってみなよ。止めて止まるキミじゃないでしょ?」
むずむずした。
温かい血がふわっと内側から湧き上がり、頬が淡く紅潮する。
ああ。わかっていた。沙穂先生なら背中を押してくれるだろう、って。
わかっていたのに、胸が熱い。
「でさ」
深雪はぐっと身を乗り出す。
「問題は語学かなって。えっと、ドイツ語は幼なじみに無理やり覚えさせられたから話せる。英語もまあ割りと。ロシア語は実はあんまり……弟はぺらぺらだけど。フランス語は全くわかんねぇ」
「眩暈がするほど国際的ね。それだけでもスゴイ、って言いたいところだけど、授業やレッスンを受けるのに通訳つきってわけにはいかないよね。ニュアンスを感じ取るためにも自分で話せないと、ってのは深雪の方が良く分かってると思う。となると、一から勉強しなきゃいけないフランス語より、すでにある程度話せるドイツ語の方が有利、ということになるわね」
「となると、ウィーン」
「理屈から言うとそうなるかな」
深雪はぐ、と拳を握る。ウィーン。そこで心を決めてしまうかはまだわからないけれど。
世界に出る。貪欲に。
「俺、やるよ」
「うん。頑張りなよ」
沙穂先生と深雪は拳をこつんと合せあう。この拳に、夢を賭けて。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
学校生活
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年02月28日
参加申し込みの期限
2015年03月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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