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■故郷の言葉
斑鳩 遙
は目を瞬かせた。
目の前に広がるのは、帰宅途中の道とは似ても似つかぬ風景。
陽気な音楽に、ファンシーな着ぐるみを着て風船を配るマスコットキャラクター。幸せそうな顔をした家族に、二人だけの世界に浸るカップル。
賑やかな空気の中、遙は辺りを見回す。
どこか懐かしい雰囲気の漂う遊園地の中、一人で歩いている少年の姿が目に留まった。
彼が手にしている青い風船がゆらゆらと頭上で揺れている。
眼鏡の奥の瞳はどこか冷めており、彼一人だけが風景から浮いているようだった。
その姿に、遙は子供時代の思い出が蘇る。
互いにも、子供にも無関心だった両親が、世間の親子を真似てみようと思ったのか、気まぐれに遊園地に連れてこられた遊園地。
何をすれば良いのか分からず、集合時刻だけを決めて各々自由に過ごして家に帰った、それだけの記憶。
あの、青い風船を持った少年は幼き日の自分だと確信して、遙は少年に近付いた。
「こんにちは」
「……こんにちは」
背後から声を掛けると、少年は足を止めて振り向いた。
突然知らない人間に声を掛けられたからだろう、賢そうな顔に猜疑心がありありと浮かんでいる。
「遊園地は楽しいか?」
「別に」
退屈そうな表情を浮かべ、必要最低限の言葉で答える少年に、遙は苦笑を浮かべた。
広場に設置された噴水の傍、休憩用のベンチに腰を下ろして隣を軽く叩くと、少年は何も言わずに遙の隣に座る。
警戒心は消えていないものの、話をするくらいなら良いと判断されたのかもしれない。もしくは、ただの暇つぶしか――幼い頃の自分を考えてみれば、後者の方か可能性が高いかもしれないと、遙は考える。
「ここには、両親と来たんだろ? 両親は好きか?」
遙の問いかけに、少年は言葉を詰まらせる。
思案するように首を傾げ、たっぷりの沈黙の後に眉を顰めて出した答えは、
「……ようわからへん」
の一言だった。
懐かしい関西なまりに、遙は僅かに目を見開く。
そうだ、昔は関西弁を喋っていた――少年の答えに頷いて、自分も昔の喋り方へ戻す。
「そうか。まあ、そうなるよな。その風船は、親御さんに買うてもろたん?」
「せや。……お兄さん、一人でここ来はったん? 大人が一人で遊園地、来るん?」
少年の瞳がじっと遙を見上げる。猜疑心の滲む瞳は、質問の答えで遙がどのような人間なのかを判断しようとしているようだ。
「……大人だって、迷子になることはあるさ」
曖昧に濁された回答を聞き、少年は眉を小さく寄せたが、それ以上は追求しなかった。
「それより、何や乗りたい物とかないんか?」
「別に」
「せっかく来たんやから、ジェットコースターとか観覧車とか……」
「別に、ええ」
つれない少年の言葉に遙は肩を竦めて口を噤む。自分はこんなに可愛げのない子供だっただろうかと、幼い頃を思い出しながら。
「……あ」
少年の緩んだ手から、風船の紐がすり抜けた。
風船は青空に吸い込まれるように、ふわりと飛び去っていく。
少年は立ち上がったは良いが、手を伸ばすこともなく風船を見つめていた。
当時の記憶を思い出す。どう足掻いても手が届かないと最初から諦め、その場に立ち尽くし風船を見送った記憶。
遙は立ち上がると、咄嗟に手を伸ばし風船の紐を掴んでいた。
どうして自分がそんなことをしたのかは分からない。純粋に、何事にも動じない冷めた少年の反応が知りたかったのか、諦めることなどないと教えたかったのか――それとも、理由などなかったのか。
「ほら、手、離したらあかんよ」
「おおきに」
風船を渡すと、少年の表情が僅かに緩んだ。気恥ずかしいのか、遙からは視線を逸らして。それでも律儀に礼の言葉を述べる。
(……もう少し嬉しそうにすればいいのに。可愛げないな、ほんま)
次に気がついた時には、遙は帰宅途中の道にいた。
辺りは暗く、遊園地の明るい雰囲気など跡形もない。
遙は肩を竦めると、自宅に帰るため足を進め始めた。少年のあの日が、少しでも良いものになったならと、心の片隅に浮かんだ呟きを抱えたまま。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
青崎灰次
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
オールジャンル
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年02月26日
参加申し込みの期限
2015年03月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年03月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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