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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
あやかし学校運動会
「はっはっは、僕は 知ったかブリ……鰤の妖怪だ！！」
那珂島 朱深は妖怪スマホを片手に高らかに宣言した。
「僕はいろんな妖怪のことを知っているんだ、教えてあげるね！
おっ、あれは、かわいすぎおばけっていう妖怪じゃん！
あっちは、妖狐の兄弟で、すっごいこっちのは・・えーっとサンマおばけっていう妖怪だね！」
すらすらと答えているように見えて実のところ妖怪スマホで検索したり、手に持つ妖怪図鑑を見たりして調べて、知ったかぶりをしているのだが御愛嬌である。
「良く知ってるなボウズ。じゃあ、あの妖怪はなんていうんだぜ？」
そう言ってサンマおばけが射す方向にいたのは――
数多くの妖怪・あやかしの中に居てもひときわ異彩を放つ存在、尾鎌 蛇那伊の姿だった。
「アタシが人間？馬鹿な事言わないの
もしも、アタシが妖怪の中に紛れ込んだ人間だったとしたら、こうも堂々と皆と一緒に運動会を楽しむ訳ないじゃない。
まっ、妖怪として特殊な能力が無いのは認めるけど」
蛇那伊は開き直っていたが、内心は不安だった。
それもそのはず、先ほど運動会に人間が紛れ込んでいたと騒ぎになって、一人の男が追い回されて叩き出されるのを見ていたからである。
自分もそうならない保証はどこにもない。
蛇那伊は表面上は堂々とした様子を保っていたが、実際は気が気ではなかった……
「あれは……」
朱深は迷っていた。それもそのはず、蛇那伊にはぱっと見て分かる角や翼といった目立つ特徴はない。
知ったかぶりをしていたツケが来てしまったか。このままではみんなにバカにされてしまう――
朱深は焦った。
「……あれは、オカマ。オカマなんだ……」
それは苦し紛れのつもりだった。だが、それは予想以上の反応を得る事になった。
「ああ、なる程。そうだな。あれはオカマだ。人間じゃないんだぜぇ」
周囲のあやかしたちも納得しているではないか。これにはいざとなればバトルもやむなしと覚悟を決めていた蛇那伊も拍子抜けだ。
いや、それ以前にオカマ＝妖怪と言われて納得しているのはどういう事かと思うが、周囲におびただしく居るあやかし相手に戦わずに済みそうな事には感謝した府が良いのだろうか、内心複雑な心境である……
その時、不気味な放送が辺りに響いた。
「二人三脚の参加者は早くするんだなぁー スタート地点に集まるんだなぁー」
「こうなったらヤケよ。そこのあなた、アタシと組みなさい。運動会、楽しんじゃうわよ～！」
蛇那伊は目の前の朱深を捕まえてそう言った。突然の指名に朱深は目を丸くして驚くが、ちょうど自分もパートナーを探さないといけない所だった事に気付くと、快くその申し出を引き受けた。
スタート地点には既にウォーミングアップを済ませ、準備万端な弦月・千聖ペアが待っていた。
「位置について……よーい、どん！」
走り始めてすぐに千聖は不安になるくらい息が合わない事に気が付いた。
足がもつれ、ペアは右へ左へふらふらと酔っぱらったようにコースをぶれてしまう。
「くっ！意外と重いですわねこの方！ もう、ここは私が無理やりにでも走って引きずるべきかしら……？」
徐々に開いていく蛇那伊・朱深ペアとの差に、短気を起こした千聖は強引な加速をかけて対処を図った。
ズルッ！
無理な力加減から、たちまち千聖はバランスを崩してしまう。
このままでは派手に転んでしまうだろう。だが――
危ないところで弦月が千聖の身体を支え、転倒するのをギリギリのところで踏ん張って耐えたのだった。
「あ、あら？ 転びそうになっていたのを助けてくれたの……
あ、ありがとう…… お礼を言いますわ」
「転んで、服が汚れたとまた騒がれては困るからな。
それに、こうやって俺が君への礼儀を忘れなかったことで、君が転倒することを避けられたわけだ。
わかったかな」
思わぬ事で弦月に抱きかかえられるような体勢になった千聖は、顔を赤くしてお礼を言い、姿勢を直して再び走り始める。
今度は弦月の忠告に従い、和の心を意識して、互いの息を合わせて走る事を心がける。
「……ふぅ、仕方のない……」
千聖のそんな様子を見て、弦月もやれやれと苦笑しながらも彼女に合わせ、最後までコースを走りきった。
勝負は朱深・蛇那伊ペアの勝利だったが、負けたはずの弦月・千里ペアもどこか満足げな表情だった。
力走を見せた両ペアに観客の惜しみない拍手が贈られる。
蛇那伊は賞品の腐敗カエル搾りジュースを美味しそうに飲みほし、朱深はその場ではジュースを飲まず、こっそり水筒にしまった。
この事が後に朱深の家で事件を起こす事になるとは、このとき誰も思いもよらなかった――
那珂島 朱深は妖怪スマホを片手に高らかに宣言した。
「僕はいろんな妖怪のことを知っているんだ、教えてあげるね！
おっ、あれは、かわいすぎおばけっていう妖怪じゃん！
あっちは、妖狐の兄弟で、すっごいこっちのは・・えーっとサンマおばけっていう妖怪だね！」
すらすらと答えているように見えて実のところ妖怪スマホで検索したり、手に持つ妖怪図鑑を見たりして調べて、知ったかぶりをしているのだが御愛嬌である。
「良く知ってるなボウズ。じゃあ、あの妖怪はなんていうんだぜ？」
そう言ってサンマおばけが射す方向にいたのは――
数多くの妖怪・あやかしの中に居てもひときわ異彩を放つ存在、尾鎌 蛇那伊の姿だった。
「アタシが人間？馬鹿な事言わないの
もしも、アタシが妖怪の中に紛れ込んだ人間だったとしたら、こうも堂々と皆と一緒に運動会を楽しむ訳ないじゃない。
まっ、妖怪として特殊な能力が無いのは認めるけど」
蛇那伊は開き直っていたが、内心は不安だった。
それもそのはず、先ほど運動会に人間が紛れ込んでいたと騒ぎになって、一人の男が追い回されて叩き出されるのを見ていたからである。
自分もそうならない保証はどこにもない。
蛇那伊は表面上は堂々とした様子を保っていたが、実際は気が気ではなかった……
「あれは……」
朱深は迷っていた。それもそのはず、蛇那伊にはぱっと見て分かる角や翼といった目立つ特徴はない。
知ったかぶりをしていたツケが来てしまったか。このままではみんなにバカにされてしまう――
朱深は焦った。
「……あれは、オカマ。オカマなんだ……」
それは苦し紛れのつもりだった。だが、それは予想以上の反応を得る事になった。
「ああ、なる程。そうだな。あれはオカマだ。人間じゃないんだぜぇ」
周囲のあやかしたちも納得しているではないか。これにはいざとなればバトルもやむなしと覚悟を決めていた蛇那伊も拍子抜けだ。
いや、それ以前にオカマ＝妖怪と言われて納得しているのはどういう事かと思うが、周囲におびただしく居るあやかし相手に戦わずに済みそうな事には感謝した府が良いのだろうか、内心複雑な心境である……
その時、不気味な放送が辺りに響いた。
「二人三脚の参加者は早くするんだなぁー スタート地点に集まるんだなぁー」
「こうなったらヤケよ。そこのあなた、アタシと組みなさい。運動会、楽しんじゃうわよ～！」
蛇那伊は目の前の朱深を捕まえてそう言った。突然の指名に朱深は目を丸くして驚くが、ちょうど自分もパートナーを探さないといけない所だった事に気付くと、快くその申し出を引き受けた。
スタート地点には既にウォーミングアップを済ませ、準備万端な弦月・千聖ペアが待っていた。
「位置について……よーい、どん！」
走り始めてすぐに千聖は不安になるくらい息が合わない事に気が付いた。
足がもつれ、ペアは右へ左へふらふらと酔っぱらったようにコースをぶれてしまう。
「くっ！意外と重いですわねこの方！ もう、ここは私が無理やりにでも走って引きずるべきかしら……？」
徐々に開いていく蛇那伊・朱深ペアとの差に、短気を起こした千聖は強引な加速をかけて対処を図った。
ズルッ！
無理な力加減から、たちまち千聖はバランスを崩してしまう。
このままでは派手に転んでしまうだろう。だが――
危ないところで弦月が千聖の身体を支え、転倒するのをギリギリのところで踏ん張って耐えたのだった。
「あ、あら？ 転びそうになっていたのを助けてくれたの……
あ、ありがとう…… お礼を言いますわ」
「転んで、服が汚れたとまた騒がれては困るからな。
それに、こうやって俺が君への礼儀を忘れなかったことで、君が転倒することを避けられたわけだ。
わかったかな」
思わぬ事で弦月に抱きかかえられるような体勢になった千聖は、顔を赤くしてお礼を言い、姿勢を直して再び走り始める。
今度は弦月の忠告に従い、和の心を意識して、互いの息を合わせて走る事を心がける。
「……ふぅ、仕方のない……」
千聖のそんな様子を見て、弦月もやれやれと苦笑しながらも彼女に合わせ、最後までコースを走りきった。
勝負は朱深・蛇那伊ペアの勝利だったが、負けたはずの弦月・千里ペアもどこか満足げな表情だった。
力走を見せた両ペアに観客の惜しみない拍手が贈られる。
蛇那伊は賞品の腐敗カエル搾りジュースを美味しそうに飲みほし、朱深はその場ではジュースを飲まず、こっそり水筒にしまった。
この事が後に朱深の家で事件を起こす事になるとは、このとき誰も思いもよらなかった――
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2015年04月24日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年05月01日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年05月01日 11時00分
