ねこでんのある風景｜リアクション

ねこでんのある風景

＝＝鎌倉駅～帰途＝＝

「帰るぞー」
　終点の鎌倉で少しだけ遊んだ後、修はみんなに声をかけました。
「もう帰るのだ？」
　真央の残念そうな声に、
「今度は朝から来たいな」
　と答えた修の口調にも、残念さがにじんでいます。
　最後に夕日と車体を撮り、行きとは組み合わせを変えて、４人は１ＢＯＸに乗り込みました。
「帰りは駅弁なのだ！」
「そうだな、駅弁を食べ比べてみたいな」
　真央と修の言葉に、皆はそれぞれ買った駅弁を取り出した。
　ふたを取り、箸を手に取ったところで。
「あ、食べるの一瞬ストップだ」
　修がカメラを取り出しました。
「えーっ！」
　３人が「おあずけ」のポーズで固まっている所もすかさず撮る修です。
「ははは、良い顔で撮れてる」
「ひどいのだ修ちゃん」　
　そう言いつつ、皆デジカメに表示された画像を覗き込んで笑います。
「駅弁は鎌倉駅で買いました。お手頃価格のちらし寿司なんですけど、良かったらどうぞー」
　護が勧めれば、
「俺のは鮭づくしー、限定のお菓子もあるぞ」
　反対側からラッセルが自分の弁当を取り分けます。
「みんなでお弁当食べるの楽しいですね」
　駅弁を味わいながらしみじみ言う護に、もぐもぐしながら真央が賛成します。
「えへへ～、こういう部活楽しいのだ♪」
「僕、あんまりいろんな所に行ったことがないので、良かったらまたお休みの日にみんなでもっと遠くに行けたらいいなーなんて……」
「大賛成なのだ！」
「そうだな、電車旅行旅に目覚めそうだぜ」
　ラッセルも交換してもらったおかずに舌鼓を打ちながら同意しました。
　修は頷いて、
「これからもいろんなところに取材旅行に行こう。ところで」
　にっこり笑って続けます。
「部長からの宿題だ。寝子電について各自短いエッセイ文を提出よろしくな」
「えー！　写真だけじゃだめなのだ？」
　真央が悲鳴を上げました。
「写真集じゃなく新聞だから、文章は必要だろう？　あ、それと明日からは体育祭ＤＶＤの編集もしていこう」

　楽しい小旅行もいよいよ終了。
「今日はありがとうございました！　すっごく楽しかったです。写真もいっぱい撮れたし、いい記事に出来るといいなー」
　護の言葉は、皆の思いでもありました。

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