テスト勉強なんかよりチャーハンが食べたいです。｜リアクション

テスト勉強なんかよりチャーハンが食べたいです。

一方、解決に向かう彼らとは全く違う動きを見せるものがいた。
　日暮ねむるである。
　寝子島に降って沸いたチャーハンブームに、彼はマネーの匂いを嗅ぎ付けたのだ。
「最後のテオの言葉を聞いた感じだと、炒飯を食べたくさせるろっこんて線が濃厚だね」
　ならば、と日暮は早速準備に取り掛かる。
「さて、被害が拡散する前に出かけよう。僕は僕で最大限活用させて貰うよ、炒飯旋風ってやつをね」
　まずは自転車で銀行へ赴き、軍資金を入手。
　そしてローラー作戦で手近なスーパーやコンビニなどの小売店に立ち寄り、チャーハンおにぎりを買い占めに近いほどまで大量購入。
　ショルダーバッグにそれらを詰め込むと、日暮はにやりと口角を釣り上げる。
「よし、そこそこ仕入れられたね。とりあえず人気のないとこに移ろう。この段階で見つかったら骨折り損だからね」
　そのまま人気のない道を選びながら、九夜山頂上展望台に向かう。
　そして目的地に到着するやいなや、草っぱらに寝転がりながらスマホを取り出した。
「さぁて、ねこったーではどうなってるかな？　あぁ～、やっぱりだいぶご馳走にありつけない人が増えてきたみいだねぇ……。んじゃ、投下しますか」
　日暮は文面をチャーハンカオスなタイムラインに投入した！

『【拡散希望】九夜山展望台にて炒飯おにぎり販売中！
　数量限定なため早い者勝ちですよ～』

　そう、これは日暮の考えたビジネスである。
　名付けて『炒飯為替』！
　ちなみに、『チャーハンを買わせる』と『為替』をかけているわけではない。
　チャーハン需要が急激に高まる今だからこそ、チャーハンの値を釣り上げる絶好のチャンス！
　寝子島中のチャーハンおにぎりを買い占めた日暮のマネーの未来は、どっちだ？