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白昼斬月 ～寝子島辻斬り物語 弐～
【激闘！ 畳の上】
朱蘭と姫乃が駆けつけたとき、影人たちによりオリーブと敏夫は追い詰められていた。
「「お邪魔するぜ（よ）！」」
なだれ込んできた二人……というより、姫乃が前衛、朱蘭を後衛と位置づけた二人によって、雑魚の影人は押されていく。
「そっちは頼んだぜ！」
思わぬ連携によって生じた隙、朱蘭の言葉に頷くとオリーブと敏夫は大物の影人へと肉薄する。
「正義の我らが実行せし事はまるっと全て正しいのだよ！！ 恋々ちゃんのオリーブ頭脳が導きだすオリーブ哲学は今日も今日とて冴え渡る！！」
「やんや、やんや」
オリーブの宣言と、敏夫の追従。
「もっと褒めて！」
「いよっ、日本一！」
そんなことを言いつつ、大物の影人と対峙する。
（御貴族様？ もうちょっと歴史に詳しければなぁ）
そういう敵の情報があれば、大事な相棒をもっと立てることが出来るのに、となぜか今そう思う敏夫であった。
オリーブは、ちょこまか動き回って攻撃するが、相手は軽く影刀を併せていなしてしまう。
また、囮になるよう派手に得物を振り回して攻撃するという敏夫の目論見も失敗する、必要な攻撃はすべて避けられ、誘う攻撃は避けられてしまう。
そして、失望したように首を振る。
「なめとんのかこらぁーー！」
そう言って、オリーブは股間を蹴り上げようとするが、するりと通り抜けてしまう。
「――あれ？」
「――恋々出君！」
とっさに、オリーブを引き寄せて背を向けてかばう。
ざくり、と背中に斬られる感触が走る。
（――まだ、まだやれる）
死亡判定が下るほどの致命傷ではないため、痛みを抱えてしまう敏夫。
「……無事だね？」
優しげに微笑む敏夫。
その瞳には不安そうなオリーブが映っている……少なくともオリーブ自身にはそう思える顔だった。
「――あ、その」
「大丈夫、大丈夫だから。すぐに終わるよ」
何かを言おうとしたオリーブを遮って、持っていた物干し竿を二つに折る。
材質的に折るのもたやすかった物干し竿の片方を影人の大物へと投げる敏夫。
斬りかかろうとしていた影人の大物はとっさにそれをはじく。
そこに、怒りに燃えた敏夫が追撃を加える。
「生憎、大事な相棒に手を上げられて黙っていられるタチじゃないんだ……俺、これでも結構怒ってるんだよ？」
だが、その一撃は躱される。
そう、その力を利用するように受け流され、そのまま床へと投げ出される敏夫。
「……それ程までに死にたいと……ならば望み通りにして差し上げましょう」
雰囲気の変わったオリーブは、傘を武器に相手に斬りかかる。
大物の影人はそれを受けると、やはり位置取りをするかのように動く。
ゆっくりと大物の影人は動き、構える。
その瞬間、ぐるぐるとオーラが取り巻くような雰囲気へと達する。
はじかれたようにオリーブが後ろに下がる。
「……受け止める」
入れ替わるように敏夫が前に出る。
いつの間にか、たばこを用意している。
（受け止められたら奴に向けて思い切り煙草の煙を吹きかけ頭上に吹雪を起こし、視界を奪ってから捨て身の一太刀、これで決める）
ろっこん【御気楽スノーマン】からの反撃である。
斬っ！ と、大ぶりの一撃が打ち下ろされる、そしてそれを敏夫は正面から受け止め――れなかった。
まるで漫画のようにすぱんと一刀両断される敏夫……そして畳まで達した影刀はひしゃげ、割れるような音と共に消え去る。同時に、敏夫も消失した。
「――許しません！」
オリーブがその隙を見て攻撃するが、あっさりと傘は下へと落ちる。
そう、相手の素手によって。
自然体のまま、一度避けた傘を勢いに沿って力を入れ、そのまますっぽ抜けてしまった。
「――？！」
そして、近くの畳へと移動し、新たなる影刀を引き抜き……慌てて傘を拾おうとするオリーブをそのまま切り伏せる、そしてオリーブ。
「そんな……」
そして、世界からはじき出される。
「いやぁぁぁぁぁあ！」
すさまじい気勢を発し、その横からすべての雑魚を倒した姫乃が斬りかかる。
（あれは、一ツ太刀と……一種の無刀取り？）
しかし、今はそれを考えている余裕はない。
（胸元を庇いながら戦える相手じゃない！ 上着まで破けたらお嫁にいけなくなるけど……決死の覚悟があれば何とかなる！）
そのまま、苛烈に攻める、攻める、攻める。
（相手に地の利、こちらに人の和……勝つのは天の時を得た方ね。正面で打ち合いながら、その時に賭ける――）
しかし、それは人の和によってもたらされる。
「相手は油断しているかな？ ――帰ったら『オシオキしてニャン♪』を一緒に返しに行こうぜ！」
朱蘭がそう叫ぶ。
『オシオキしてニャン♪』それは、エッチなビデオのタイトルである。
以前、ちょっとした事件があり、そのときに借りてきてしまったのだ。
「やぁぁめぇぇてぇぇーーーー！」
脳内桃色スパーク状態で発動したろっこん【羞恥心バースト】により、兆格段にあがった身体能力で何かを失いつつも姫乃は台無しな勝利を得たのであった。
朱蘭と姫乃が駆けつけたとき、影人たちによりオリーブと敏夫は追い詰められていた。
「「お邪魔するぜ（よ）！」」
なだれ込んできた二人……というより、姫乃が前衛、朱蘭を後衛と位置づけた二人によって、雑魚の影人は押されていく。
「そっちは頼んだぜ！」
思わぬ連携によって生じた隙、朱蘭の言葉に頷くとオリーブと敏夫は大物の影人へと肉薄する。
「正義の我らが実行せし事はまるっと全て正しいのだよ！！ 恋々ちゃんのオリーブ頭脳が導きだすオリーブ哲学は今日も今日とて冴え渡る！！」
「やんや、やんや」
オリーブの宣言と、敏夫の追従。
「もっと褒めて！」
「いよっ、日本一！」
そんなことを言いつつ、大物の影人と対峙する。
（御貴族様？ もうちょっと歴史に詳しければなぁ）
そういう敵の情報があれば、大事な相棒をもっと立てることが出来るのに、となぜか今そう思う敏夫であった。
オリーブは、ちょこまか動き回って攻撃するが、相手は軽く影刀を併せていなしてしまう。
また、囮になるよう派手に得物を振り回して攻撃するという敏夫の目論見も失敗する、必要な攻撃はすべて避けられ、誘う攻撃は避けられてしまう。
そして、失望したように首を振る。
「なめとんのかこらぁーー！」
そう言って、オリーブは股間を蹴り上げようとするが、するりと通り抜けてしまう。
「――あれ？」
「――恋々出君！」
とっさに、オリーブを引き寄せて背を向けてかばう。
ざくり、と背中に斬られる感触が走る。
（――まだ、まだやれる）
死亡判定が下るほどの致命傷ではないため、痛みを抱えてしまう敏夫。
「……無事だね？」
優しげに微笑む敏夫。
その瞳には不安そうなオリーブが映っている……少なくともオリーブ自身にはそう思える顔だった。
「――あ、その」
「大丈夫、大丈夫だから。すぐに終わるよ」
何かを言おうとしたオリーブを遮って、持っていた物干し竿を二つに折る。
材質的に折るのもたやすかった物干し竿の片方を影人の大物へと投げる敏夫。
斬りかかろうとしていた影人の大物はとっさにそれをはじく。
そこに、怒りに燃えた敏夫が追撃を加える。
「生憎、大事な相棒に手を上げられて黙っていられるタチじゃないんだ……俺、これでも結構怒ってるんだよ？」
だが、その一撃は躱される。
そう、その力を利用するように受け流され、そのまま床へと投げ出される敏夫。
「……それ程までに死にたいと……ならば望み通りにして差し上げましょう」
雰囲気の変わったオリーブは、傘を武器に相手に斬りかかる。
大物の影人はそれを受けると、やはり位置取りをするかのように動く。
ゆっくりと大物の影人は動き、構える。
その瞬間、ぐるぐるとオーラが取り巻くような雰囲気へと達する。
はじかれたようにオリーブが後ろに下がる。
「……受け止める」
入れ替わるように敏夫が前に出る。
いつの間にか、たばこを用意している。
（受け止められたら奴に向けて思い切り煙草の煙を吹きかけ頭上に吹雪を起こし、視界を奪ってから捨て身の一太刀、これで決める）
ろっこん【御気楽スノーマン】からの反撃である。
斬っ！ と、大ぶりの一撃が打ち下ろされる、そしてそれを敏夫は正面から受け止め――れなかった。
まるで漫画のようにすぱんと一刀両断される敏夫……そして畳まで達した影刀はひしゃげ、割れるような音と共に消え去る。同時に、敏夫も消失した。
「――許しません！」
オリーブがその隙を見て攻撃するが、あっさりと傘は下へと落ちる。
そう、相手の素手によって。
自然体のまま、一度避けた傘を勢いに沿って力を入れ、そのまますっぽ抜けてしまった。
「――？！」
そして、近くの畳へと移動し、新たなる影刀を引き抜き……慌てて傘を拾おうとするオリーブをそのまま切り伏せる、そしてオリーブ。
「そんな……」
そして、世界からはじき出される。
「いやぁぁぁぁぁあ！」
すさまじい気勢を発し、その横からすべての雑魚を倒した姫乃が斬りかかる。
（あれは、一ツ太刀と……一種の無刀取り？）
しかし、今はそれを考えている余裕はない。
（胸元を庇いながら戦える相手じゃない！ 上着まで破けたらお嫁にいけなくなるけど……決死の覚悟があれば何とかなる！）
そのまま、苛烈に攻める、攻める、攻める。
（相手に地の利、こちらに人の和……勝つのは天の時を得た方ね。正面で打ち合いながら、その時に賭ける――）
しかし、それは人の和によってもたらされる。
「相手は油断しているかな？ ――帰ったら『オシオキしてニャン♪』を一緒に返しに行こうぜ！」
朱蘭がそう叫ぶ。
『オシオキしてニャン♪』それは、エッチなビデオのタイトルである。
以前、ちょっとした事件があり、そのときに借りてきてしまったのだ。
「やぁぁめぇぇてぇぇーーーー！」
脳内桃色スパーク状態で発動したろっこん【羞恥心バースト】により、兆格段にあがった身体能力で何かを失いつつも姫乃は台無しな勝利を得たのであった。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2015年01月20日
- 参加申し込みの期限
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- 2015年01月27日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2015年01月27日 11時00分
