this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
保健室、やっぱり満席です!
<< もどる
1
2
3
4
5
…
10
つぎへ >>
chapter.2 セクシーフォロー
その頃、顔を真っ赤にして職員室から出てきたクレーマー……もとい、40半ばほどの女性は、礼美のセクシーさに文句をつけるべく、保健室に向かおうとしていた。
そんな彼女の後ろ姿を確認し、
佐藤 英二
と
高那 宗治郎
は互いの顔を見合わせた。たまたま職員室に立ち寄った際に件の会話を聞いてしまった彼らは、廊下へ出ると「どうしようか」とどちらからともなく声をかけ合ったのだ。
「時間は限られているから、その中でどうにかしないと……」
「まったく、こんなきな臭いことになってるとはな!」
語調やテンションは異なるふたりだったが、礼美のために一肌脱ぎたい、という思いは同じだった。
何も起きなければ、ものの数分で彼女は保健室に辿り着いてしまうだろう。
そこで彼らは、賭けに出た。
きっと、保健室の方では別の誰かがセクシー対策をしてくれているに違いない、と。
ならば自分たちが今すべきことは、彼女が保健室に着くまでの時間稼ぎをすることだと。
「とりあえず、モンペより先回りしておかねぇとな」
「あの、ちょっと僕に考えがあるんだ」
今にも走り出しそうな宗治郎を止めたのは、英二のそんな言葉だった。彼は、すっと便せんとペンを取り出す。
「それは……?」
「嘆願書を、書こうと思って」
もちろんそれだけで心を動かせるとは英二も思っていない。ただ、この残り少ない時間で出来ることが限られている以上、何もしないよりはマシなはずと考えたのだ。
最低でも、それを読んでいる間は時間を稼げるだろうという目論見もある。
「ただ、書き上げるのに少し時間が必要なんだ……」
そう。彼が手にした便せんは当然ながら白紙。となれば、時間稼ぎのためのさらなる時間稼ぎが必要だった。
そこでにっと笑ってみせたのが、宗治郎である。
「そういうことなら、俺様に任せとけ」
言うが早いか、彼はそのまま廊下を走り、あっという間にその姿を消した。宗治郎がどんな作戦を描いていたか英二には分からなかったが、英二はこれ幸いとその場で必死にペンを走らせた。
◇
「どうやら間に合ったみたいだな」
保健室の前までやってきた宗治郎。彼は部屋にまだ礼美と生徒たちしかいないことを確認すると、その位置から職員室へと続く道をゆっくりと歩き出す。
目的の相手は、すぐに向こうからやってきた。例のクレーマーだ。
宗治郎は芝居がかった様子で、スマートフォンを取り出す。画面を押す仕草。そして彼はそのまま耳へと携帯を持っていった。
「おう、久しぶり、元気ー?」
誰かと通話してるのだろうか。否、そうではなかった。
彼のその行動は、すべて演技。電話をかけているフリをして、ひとりで喋っていたのだ。一体、なんのためにそんなことを?
答えは、すぐに明かされた。
「こっちは転校しても元気でやってるぜ。そっちも変わりない?」
前にいた学校の友人と会話している、という設定なのだろう。あえて大声で話す彼を視界に入れた件の女性は、ぎろりと宗治郎を睨みつけた。
廊下でこんな大きい声を出すなんて。いや、そもそも学校に不必要なものを持ち込むなんて。
そんなことを思っていたのかもしれない。宗治郎はその視線を意に介さず、うんうんと面白そうに相づちを打っている。と、次の瞬間女性は足を止め、目を丸くした。
「え!? 親が学校に乗り込んだぁ!?」
宗治郎が、一際大きな声でそう口にしたからだ。宗治郎はそのままのボリュームで言葉を続ける。
「いるいる! 息子のためだとか言って学校に乗り込んじゃう母親!」
笑いながら言う宗治郎のその発言に、女性はより強い視線をぶつけた。しかし彼は止まらない。
「げー、担任の教師が美人だからって成績下がったとか学校に言いふらされるのかよ! 恥じゃねーか! ウケる!」
ここまでくれば、さすがに女性も思わずにはいられないだろう。その言葉が、自分あるいはそれに近い存在を指しているのだということを。
女性の表情が僅かに変化したことを横目で確認した宗治郎は、だめ押しとばかりに次々と言葉を女性に聞こえるようぶつける。
「成績落ちたっても一時的にだろ!? 俺様なら学校やめちゃうね! ていうか成績は落ちたけどおっぱいなら局面方程式で表現できるようになったってなんだそれ! お前天才じゃねぇか!」
まるで自分に矛を向けているかのような会話、そして下ネタがとどめとなり、女性はとうとう怒りを留めておけなくなった。
「なんて下品な生徒なの……! こんなところで息子が学校生活を送っているなんて、考えたくもない……!」
憎しみが声となり、外へと漏れ出る。
もちろんそれを聞き逃す宗治郎ではない。彼は大きく足音を立てその場から去ろうとする女性の背中に届くよう、最後の言葉を投げかけた。
「まぁなんだ、親のせいで学校で大変な目に遭ってるみたいだけど、俺様はずっと友達だぜ」
仮に届いたところで、女性の怒りはかえって増す結果になってしまったかもしれない。それでも、少しでも女性が客観的に自分を省みてくれたら。宗治郎はそんなことを思わずにはいられなかった。
そして女性へと最後の言葉が届かなかったとしても、宗治郎の行動は無駄ではなかった。
「……はぁ……はぁ……」
宗治郎とすれ違い、廊下を進む女性の前には息を切らし、両手を膝につけた英二がいた。
どうやら、嘆願書とやらが間に合ったようだ。宗治郎の言葉で、女性が足を止めていたからだろう。
「……?」
突然自分の前に走ってやってきたひとりの生徒に、戸惑う女性。
英二は胸に手を当て呼吸を調えると、緊張した面持ちで女性と向き合った。
「あの、さっきの職員室での会話を偶然聞いてしまって」
職員室での会話、といえばつまり養護教諭の件だろう。女性はすぐに連想し「それがどうしたの」というような視線で英二を射貫く。
一瞬たじろいだ彼だったが、せっかく書き上げた嘆願書を無駄にするわけにはいかない。何より、礼美への恩を返すために引き下がることは出来ないのだ。
「それで、どうしても聞いてほしいことがあって、それを書いてきたのでどうか聞いてください!」
そう言って彼は、書いたばかりの嘆願書を掲げた。面と向かってこう言われては、さすがに完全に無視して通り過ぎるわけにはいかない。
女性は不機嫌そうな顔で、英二にさっさと読むよう促した。
それを確認してから、英二はすうっと息を吸う。
「職員室で鷲尾先生に関する話を聞き、この度筆を執らせていただきました」
緊張からか、僅かに声が震える。しかし英二はしっかりと背筋を伸ばし、続きを堂々と読み上げる。
「春先に、僕はものすごい歯痛に襲われました。どれくらい痛かったかというと、それはもう夜も眠れないくらいの痛さで痛み止めなど効くはずもなく……」
「ちょっと待ちなさい、なんの話をしてるのあなたは」
「え?」
英二がぱっと顔を上げる。思いっきり眉をひそめた女性の顔が目に入った。まあそりゃそうだ。
てっきり養護教諭の件で何か言ってくるのかと思ったら、まさか自分の虫歯体験を語られるとは夢にも思っていなかったのだから。
が、彼の話には続きがあった。
「その歯痛の相談に、親身になって乗ってくれたのが、鷲尾先生でした」
「……」
「先生は本気で僕を心配してくれ、学校の早退も止むなしと判断し病院へ行くようすすめてくれました。その優しさに、僕は強い感謝の気持ちを抱いたのです」
なるほど、そういうことか。冒頭の意味がないと思われたくだりも、しっかり繋がっていたのだ。自分が目の敵とする、養護教諭へのフォローへと。女性は思った。
そこから英二はさらに礼美に対する恩義を切々と語り、最後の方にはもう声の震えも止まっていた。
若干気まずそうにしている女性へと再度視線を上げた彼は、真剣な表情で結論を述べた。
「こういった恩義が、僕は先生にあります。なので、無体な処遇を進めるのはどうか止めてください」
その様は、まるで今にも頭を廊下につけ土下座しかねない勢いだ。深く、深く頭を下げた英二は女性へと嘆願書を差し出した。
「……っ」
自分より一回りも二回りも下の少年にここまで低い態度を取られては、女性も居心地が悪いのだろう。
その居心地の悪さは先ほど宗治郎から浴びせられた言葉と相まって、彼女の機嫌を大層損ねた。
「な、なんなのこの学校は! 私を悪者にしたいの!? 悪いのはあの養護教諭の方なのよ、そうに決まってるじゃない!」
声を荒げた女性は、英二が差し出した嘆願書を受け取ることなく、そのまま横を素通りしていった。
「……ダメもとだったけれど……やっぱりこうなっちゃったな」
背中を見送り、英二がぽつりと呟く。そこに、宗治郎がやってきた。
「よぉ、どうだったよ?」
「残念ながら」
「そっか」
短く返した宗治郎は、お腹をさすっていた。英二が「どうしたの」と聞けば、彼は情けなく答える。
「いやあ、ひとり電話プレイしたはいいんだけどよ、我に返ったらなんか俺様なにやってんだろって涙が出てきて、胃まで痛くなる始末よ」
「……保健室に行く?」
英二の問いに、宗治郎は小さく首を縦に振った。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
10
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
保健室、やっぱり満席です!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
学校生活
コメディ
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年01月15日
参加申し込みの期限
2015年01月22日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月22日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!