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お食事処たそがれ
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よく晴れたある日の夕方。いつもはランニングで通るこの道を、今日の
伊予 祐
はふらりとあてもなく歩いている。寝子温泉は祐にとって日々の疲れを癒やすのにお気に入りの場所、だからいつも通っている空き店舗の様子ががらりと変わっていることに気づくのはすぐで。
真新しい薄青色の暖簾は、まるで鏡に今日の高い青空を映したようだった。思わず祐が空を見上げれば、ほんの少し夕焼けに染まる空の色とあの暖簾はまるで同じ。目を細め、こんな風に惹かれるのも悪くないなと祐はその暖簾をくぐる。
「こんにちはー。……静かだな」
いつものように明るく、屈託なくかけた挨拶の声。祐の言うとおり店はしんと静まり返っていたが、祐の声がむなしく響くさみしい雰囲気ではない。ふしぎな居心地の良さを覚え、祐は四人がけのテーブルにひとり座る。
「えーと何にしよう、ってメニューないのか? すいませーん!」
見た目の通りここが食堂なら、厨房にはきっと誰かがいるはず。そんな思いで厨房に向かってすこし大きめの声をかけた次の瞬間、見越したように店員らしき人物が何かのお盆を持って現れる。笹の葉を敷いた上に小さめに作られた漉し餡のぼたもちが二つ、三つに仕切られた薬味皿にはそれぞれ甘く炊いたえんどう豆、口直しの塩昆布、目先を変えるためのきな粉が盛られて、それらが曙塗りを施した半月盆に乗っていた。煎茶とお冷も一緒に出され、祐は呆気にとられて店員らしき誰かを見る。声をかけようとしたが、その誰かはやわく笑ってするりと背を向けてしまった。
「(黙って食えってことか……)」
思えば、この店があるはずの場所はこの間ランニングで通った時には明らかに古ぼけた空き店舗だったはずなのだ。すわ夢かと祐は試しに頬をぎゅっとつねってみる。うむ、痛い。現実であることを確かめ、あらためてテーブルの上の半月盆と、湯気とともに煎茶のあおく爽やかな香りが立った熱そうな湯呑みに目をやる。さあ食べなさいと言われている気がして、祐はちいさくいただきますをつぶやいた。
「……これ……」
箸のかわりに添えられた黒文字でぼたもちを小さく切り、おそるおそる口に運ぶ。漉し餡のぎゅっと濃い甘さと、その下で普通のぼたもちより粗めについたもち米が混ざり合ってやさしい味わいが祐の口に広がる。懐かしい甘さに、知らずと祐の視界がにじんだ。
「ばあちゃん……母さん……」
小さい頃の祐は、父方の祖父母の家に行くのが楽しみな子供だった。その理由は、目の前にあるこのぼたもち。祖母がいつも作って待っていてくれたのだ。それを祐の母が教わり、同じものを家でも食べられるようになって、祐は家に帰るのが楽しみな子供になった。
「(そうだ、母さんってめちゃくちゃ不器用で、料理もへったくそだったけど)」
これだけは絶対に作れるようになりたいんだと、姑である祐の祖母のところに何度も通って、たくさん練習していた母の後ろ姿を、祐は今でもはっきりと思い出せる。作り方だけではない、少しでも美味しく食べる為にと盛り付けや添え物のいろはも事細かに聞き、何でもメモして。おかげであの不器用な母がきれいな食器を揃え、こんな風に店で出せるようなものを作れるようになったのだ。
__お父さんも好きな、お父さんのお母さんの味なのよ。だから、頑張れるの
いつだったか、祐の母はもち米を蒸かしながら笑ってそう言っていた。好きな人を育ててくれた、おふくろの味。それを喜んで食べる祐の姿を見て、この味は絶対に受け継いで、再現したかったのだと。
祐が和菓子を作るようになったのは、このぼたもちと母の笑顔がきっかけだったことを、改めて祐は思い出す。もう会うことは出来ないであろう母の今を思い、半月盆に塩辛い雫がひとつ。
「(ずっと、ここにいるんだな……)」
思いがけず塩気をつけてしまったぼたもちの、最後の一口を飲み込んで。胸の中で今も灯るのは、家族との確かなつながりという明かり。いつになるか分からないけれど、いつか自分も家族を持って、この明かりをに灯そう、繋いでいこう。そう思える、思い出との再会だった。
「ごちそうさまでした」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬島
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月26日
参加申し込みの期限
2015年01月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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