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お食事処たそがれ
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卵焼き。と一口に言っても、それは口にする者の数だけ味付けと思い出が無限にある、ふしぎな食べ物。かつお出汁の出汁巻き卵だったり、そぼろやネギが入っていたり、砂糖と酒のきいた厚焼き玉子だったり、バターたっぷりのオムレツだったり。どれも忘れられない美味しさと思い出がきっとあるはず。
いつからこのお食事処たそがれがあるのかは誰も知らないが、きっとここで自分の思い出にある卵焼きを食べた人は多いのだろう。そんなことを思いつつ、自分もその一人である
塔ヶ崎 璃亜
は黄昏色の暖簾をそっとくぐった。
一番奥の席に腰掛け、璃亜はそろりと周囲を見回す。どこにでもありそうなちょっと古い普通の食堂のように思える内装。他にお客が入っていないことや、お冷を持ってきた人はいたのに厨房には人の気配があまりしないことを思うと、ああ、ここは普通に「在る」場所ではないのだなと、璃亜には分かった。
しゅう、とフライパンで何かが焼ける音がする。油と何かの香ばしく甘い匂い。その音と香りに、璃亜の記憶の扉が少しずつ開いていく。
やがて出てきたのは、見覚えのある乳白色の焼物皿に盛りつけられた厚焼き玉子。端には水気を切った大根おろしが添えられていて、璃亜が席についたときにはなかったはずの醤油差しもちゃんとある。焼きたてでまだ湯気が控えめに立つその佇まいに何かの確信を持った璃亜は、一人手をあわせていただきますと呟いた。
「あ……っ」
卵を箸で一口分に切り、おそるおそる頬張る。ふんわりとした口当たり、砂糖が少し多めのやさしい甘さ、やっぱり、これは。
「おばあちゃん……!」
今は亡き璃亜の祖母、彼女が璃亜によく作ってくれた厚焼き玉子の味そのままだった。記憶の扉が開くとともに、璃亜の目からは大粒の涙があふれてしまう。
両親を早くに亡くした璃亜は、祖母が育ての親だった。それは周囲の子供たちにとっては普通でないこと。みんなと違う。決して璃亜のせいではないが、残酷で幼いからかいに、璃亜はいつも耐えられなかった。哀しくて悔しくて、泣いてばかりの帰り道。こんな時、お父さんお母さんならきっと優しく抱きしめてくれるのに、そんな矛盾した憧れを抱かない日はなかった。
だが、璃亜はそれを決して口にはしなかった。帰れば、祖母が待っていてくれたから。泣き腫らして真っ赤な目元をハンカチで冷やしてくれて、頭を撫でて、そしてこの厚焼き玉子を作ってくれた。その思い出が今、目の前にある。
「(まさか本当に食べられるなんて……)」
一口、また一口。溢れ出る涙を拭いながら、璃亜はゆっくりと厚焼き玉子を噛みしめる。甘い卵にほんの少し、醤油をたらした大根おろしをのせて食べれば、あの日の食卓が目に浮かぶようだ。作り方を教わる前に祖母とは死に別れてしまい、何度も自分で作ってみたけれど、とうとうこの味にたどり着くことは出来なかった。だからこそ、ここで再会出来たことが嬉しくて。
「泣いてばかりもいられません……覚えなくちゃ、この味を」
ぎゅ、と目元をおさえ、璃亜はまた箸を持つ。折角また出会えた味なのだ、覚えて帰りたい。今度こそ、自分の手で再現したいから。
泣きながら食べたせいか、最後の一切れはもうすっかり冷めていた。だが、焼きたての時と同じようにふわふわの口当たりはそのまま。卵焼きとは冷めれば固くなってしまうものだが、思い返してみれば祖母の厚焼き玉子はお弁当に入っていてもこんな風に柔らかいままだった。時間を経てもなお、思い出の中でやさしく微笑む祖母のようだと、璃亜は涙混じりに笑い、最後の一口を大事に頬張った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬島
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月26日
参加申し込みの期限
2015年01月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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