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お食事処たそがれ
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初秋を過ぎ、よく晴れて雲が高い空を見上げ、
深倉 理紗子
はほう、とため息をついた。理紗子にとって今日は久しぶりの、何もない休日。温泉宿に一泊して、日頃の疲れを取って、明後日からまた頑張ろう。そんな気持ちで訪れた寝子温泉街だったが、宿のプランは一泊朝食付き。夕食をどうするか、すっかり忘れていた。
ぱっと見た限りでは、開いている飲食店は見つからない。一旦ふもとの街まで戻ろうか、でもそれでは折角リフレッシュに来た気分が薄れてしまう……などと思いつつ、寝子温泉街の大通りを理紗子は歩く。そんな中目に入った、ふしぎな色の真新しい暖簾。丁度今くらいの夕暮れ空を吸い上げたような色合いが、やけに理紗子の目には綺麗に映った。
「暖簾が出てるってことは、開いてるのよね」
気がつけば、暖簾をくぐっていた。
こじんまりとした店内には、誰もいない。理紗子は古いながらも清潔感のある内装をひと通り見回し、空いているならと奥にある4人がけのテーブルに座る。厨房からは店員らしき人影が見えたが、いらっしゃいませの一言もない。不思議に思いつつ卓上や壁のお品書きを探すが、それすらも見当たらなかった。不思議な気持ちが不安に変わる頃、店員が静かにお冷を運んでくる。
「あ、すみません、メニューを……」
お冷を理紗子の前に置いた店員は、理紗子の目を見てわずかに笑ってみせた。そしてそのまま軽く頷くような会釈をしたのち、何も言わずに厨房に引っ込んでゆく。
「(何か作り始めてる……出にくいなぁ、どうしよう)」
厨房から炊きたての白米のいい匂いが漂い、あぁここはやはり食堂だったんだと理紗子は理解した。注文していないのに料理が出てくるのを察し、気まずさから席を立てずにいる。
「どうぞ」
再び、店員が竹のお盆を手に理紗子の前に現れる。お盆の上には、白釉の長皿に乗った小さめのおにぎりが三つと、木の椀によそわれた味噌汁。すこし早い時間とはいえ、夕食にこれは……。
「(シンプルすぎないかしら? あれ、でも……)」
これに焼き魚でもあれば……などと思いつつ、理紗子は味噌汁椀に鼻を近づけてすん、と匂いを嗅ぐ。記憶の奥底で何かが起き上がるのを感じ、誰が見ているわけでもないのに手を合わせ、いただきますとつぶやいた。
「え……やだ、このおにぎり……!」
これは。
三つ並んだうちの一番端にあるおにぎりを手に取り、一口食べた瞬間。理紗子にはこのおにぎりと味噌汁が出てきた意味を理解……いや、納得した。これは、かつて理紗子の姉、紗智子がよく作ってくれたおにぎりそのものなのだ。刻んだ梅干しと削り節が混ざり、ほんの少しのみりんでまろやかにまとまった優しい梅おかかの味は、何度作ってみても再現出来なかったものだ。
食べなくたって覚えてる、隣のおにぎりはほぐした焼き鮭、もうひとつ隣は甘辛く炊いた山椒入りのちりめんじゃこ。勉強しながらでも食べやすいようにと小さく握ってあるのも、思い出とまるで同じ。卓上を見つめ、理紗子は唇を噛み締める。
「おねえちゃん……!」
今から四年前、紗智子はくも膜下出血により二十七歳という若さでこの世を去った。あんなにいい子が、どうして。そう言わない者のない、あまりにも急で哀しい別れ。知らず、大粒の涙が理紗子の瞳にあふれ、まぶたの壁を越えて頬を伝う。
__おねえちゃん……わたし、二十七歳になったよ……あと三ヶ月で、おねえちゃんより歳上になるんだよ……
気が弱く傷つきやすかった自分を急かさずに見守ってくれた事。
優秀な兄姉と比べず、理紗子は理紗子よと頭を撫でてくれた事。
理紗子は弱い人の気持ちが分かるから、きっといいお医者様になるとほめてくれた事。
何でも出来るようになりなさいと、根気よく料理を教えてくれた事。
四年間、理紗子が心の奥底にぎゅっと押し込めてきた姉の思い出が、おにぎりを一口噛むごとに胸の中で膨らんでゆく。
大好きな姉と同じ歳になり、今の自分はあの姉のような優しい大人になれているだろうか、そんな疑問が理紗子の胸をよぎる。
「……泣き虫なのは、変わってないね……」
それどころかひどくなってるよ、そう呟いて。
もう味わうことの出来ない、思い出の中にしかなかったおにぎりを、理紗子はゆっくり、ゆっくり噛み締める。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬島
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年12月26日
参加申し込みの期限
2015年01月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年01月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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