九夜山の東側、中腹程度に位置する寝子温泉街。
ふもとの街に比べればさびれているといって差し支えなく、大通りとされる道に面した店もちらほらと空きがある。その中でも、テナント募集中の張り紙すら色あせてはがれかけたような風体の、ひときわ古い建屋。元は食堂だったであろう雰囲気のそこに訪れる者など、もういないはず。
だが、時々。
その空き店舗に、真新しい暖簾がかかっていることがあるというのだ。
薄い薄い水色に、ほんの少しの夕焼け色で染まった絣の暖簾。
誰が呼んだか、お食事処たそがれ。
神魂の影響で、人の通らない夕暮れ時にだけ、ひっそりと開くふしぎな店だ。
暖簾をくぐれば、長らくの間そこが空き店舗だったなどとは思いにくい、古めかしいながらも小奇麗な内装があなたを歓迎するだろう。カウンターが六席と、四人がけのテーブルが二つ。瓶のジュースやビールが並ぶガラス戸の冷蔵庫はどこか懐かしい雰囲気だ。好きな席に座るといい。男性とも女性ともつかない、印象の薄い割烹着姿の店員が、あまり愛想よくもなくお冷を運んでくれるだろう。
この店に、お品書きは無い。
おすすめも無いし、日替わりメニューもない。
ただ、あなたがどうしてもどうしても食べたくて、だけどもう食べることの出来ないものだけが運ばれてくる。
何故それが出てくるのかは、誰も知らない。
だが、そんなことは気にしなくてもいい。
何故あなたがそれを食べたがっていたのか、何故もう食べられないのか、誰も詮索しない。
ひととき思い出にひたりながら、楽しむといいだろう。
いらっしゃいませ、お食事処たそがれへようこそ。
こんにちは、瀬島です。
神魂の影響で、ふしぎな食堂が開店したようです。
あなたが追い求めてやまないのは、どんなお料理ですか。
美味しい思い出話、聞かせてください。
【補足事項】
1、GAを組まれた方以外との交流はありません。
おふたり以上でご来店の場合、出された料理を分けあって食べることは可能です。
NPCも登場しません。
2、店員はお冷と料理を作る・運ぶ以外何もしません。
会話もしてくれませんから、質問に答えることもないでしょう。
料理を作っているところも見ることは出来ません。
レシピは……アクションの書き方次第では知ることが出来るかもしれません。
3、出された料理を食べても健康およびろっこんに影響はありません、ご安心ください。