サンマさん、サンマ星に帰る｜リアクション

サンマさん、サンマ星に帰る

●地球観光大使とサンマ星の秘密

「一体ここはどこなんだ……？」

　八神修は、珍しく柄にもない様子で途方に暮れていた。
　それもそのはず、このサンマ星が宇宙のどこに存在するのか位置を特定しようと、空を見て既知の星座を探してみたが、結論から言うと、このサンマ星の位置を特定できる情報は夜空からは得られずにいたのだ。

「サンマさん……サンマさんが沢山いるねぇ。和むなぁ、癒されるなぁ……」
　
　一方、対照的に修の傍で曖浜瑠樹はろっこん『ゆるゆる和みと恩恵の輪』を無意識に発動して、和みオーラを放出していた。
　そのため、瑠樹の周囲は終始和やかなムードに包まれ、ほのぼのしていた。

「こうなったら仕方がない、直接サンマ星人に聞いてみよう」

　瑠樹の和みオーラでショックから立ち直った修は、それならばと周囲にいるサンマさんたちとコンタクトを取る事で情報を収集する事に切り替えてみた。　
　そうすることでサンマさんが地球人か異星人なのか、何故地球に来たのか等、正体や背景事情等サンマさんの謎を明らかにする事が目的だ。

「お金は……へぇ、ヤドカリがお金なんだねぇ」

　瑠樹の指差す方を見ると、サンマさんたちはどうやら浜で拾えるヤドカリを通貨代わりに使用しているらしい。早速、修と瑠樹は浜辺に出て行き、いくつかのヤドカリを手に入れて手近なタコ焼きの屋台の店主に声をかけてみる。