サンマさん、サンマ星に帰る｜リアクション

サンマさん、サンマ星に帰る

「喋る猫、つまりテオの言葉を要約すると、ココはサンマの惑星原初の地、
　ここならサンマさんの必殺技爆裂サンマエクスプロージョンが見られるに違いないのだ～！」

　ハイテンションでノリノリなのは、後木真央だ。
　言っている言葉の意味が多少分からずに周囲を引かせるが、それは愛嬌だ。

「サンマさんばかりのサンマ星？　あのキャラクターってオンリーワンじゃないのかよ！？
　テオ……お前の能力なのか神魂の影響なのか分からないけれどもマジで何でもありだな……」

　御剣刀も例によって、あまりに人智を超越した状況に途方に暮れていた。
　『神魂のせい』だとすれば、何でもありだというのは本当に便利な言葉である。

「そうは言っても、先ずは本物を見付けないとな。全員が本物とか言うのは無しだ。
　俺に取っての本物は、寝子島の観光大使である、あのサンマさんだ」

　刀は即座に気を取り直し、前向きにサンマさん捜索に乗り出した。

「サンマさーん、寝子サンマさーん。
　今は寝子島高校で体育祭の真っ最中なんだ、寝子島の観光大使であるサンマさんが居ないと始まらないよ！
　一緒に体育祭を盛り上げていこうぜー！！」

　大声で呼びかけながら海岸を歩きまわる刀。

「サンマさんを探すにしても、どうやろうかな……？
　いつもは、サンマさんは格好が目立っているから探しやすかったけど、
　今は木を隠すなら森の中状態で完全に埋没しちゃっているんだよな……」

　奈良橋博美は困った様子で辺りのサンマさんたちを見くらべてみるが、一見しただけではあまり違いが無いように思える。

「回り一面サンマさんだらけですね。見た目同じサンマさんをどうやって探せばいいんでしょう？？」

　アーサーはやれやれと肩をすくめた。

このページにイラストを設定する