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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
和装パーティへようこそ！
PM15:00
パーティも終盤に差し掛かり、お菓子も尽きてきたころ。
三味線と尺八を練習していた４人が、満を持して演奏披露の流れとなった。
「おばあちゃん、おばあちゃん！」
「おや、どうしたんだい」
「あのね、ボクたち今から三味線と尺八で演奏するから、聞いててね！」
桜庭 円の笑顔に店主も笑顔で返す。
円は武道場の壁際につくった簡易ステージへ上ると、撥を持った右手を高々と掲げた。
「ボクは、ちゃんとした着物を着るのは初めてでした。
でも、おばあちゃんが綺麗に着せてくれて嬉しかったし、なにより今日が楽しかった！
だからボクたちは、おばあちゃんのためにこの曲を演奏します！」
円のスピーチに拍手が起こる。
そして流れる調べ。
寝子島高校の生徒たちには覚えのないメロディだったが、店主にはすぐ思い当たったのだろう。
小さな声で、メロディに歌詞を乗せて。
円と睦月、凛の三味線に、合間に入る日向の尺八。
４人ともとてもいい笑顔で演奏している。
一方の店主はその顔に涙と笑顔を浮かべながら。
ねぇ、忘れないで
忘れないでね
そう、歌っていた。
演奏が終わると、１日でマスターしたとは思えない出来に会場内から拍手が起こった。
円と凛が簡易ステージに店主を連れてくると、店主は顔いっぱいの笑顔に涙を流しながら何度も何度もありがとうと呟いた。
「おばあちゃん、お礼を言うのはボクらの方だよ」
「そうそう、こんなに楽しい時間を提供してもらったんだ、本当に感謝してるよ」
円と凛を筆頭に生徒たちは口々にありがとうとお礼を言った。
それを聞いて、店主はより一層顔にしわを刻んだ。
「お店はムリでも、時折、着付け教室や交流の場を設けるのも……面白いかも、しれませんね」
ぼそりと呟いた天野の一言に、瑠歌やひびき、聖が同意する。
「そうだよおばあちゃん、毎日お店にいなくても、たまーに遊びに来てくれたら嬉しいな！」
「ええ、そうしたらぜひ習いにいきたいです」
「私も、自分で着付けができるようになってみたいですね」
そんな３人の発言を聞いて、天野はどう？ と店主に視線を移した。
「ありがとう。本当にありがとうねぇ。これを最後にするつもりだったんだけどねぇ……。
みんながそうやって優しくしてくれるから、もう少し頑張ろうかなって思ってしまうねぇ」
店主は目尻をそっと拭うと、
「不定期になるかもしれないけど、着付け教室ぐらいは考えてみようかねぇ」
その発言に生徒たちから歓声が上がる。
「最後におばあさんからお願いしてもいいかい？」
「今日着てもらった着物、もらって帰ってやってくれないかい？
みんなみたいに喜んできてくれる人のもとに、旅立たせてあげたいんだ」
「よかったんですか？ あの量だと相当かかっていると思いますけど」
夕日の傾く坂道を、小さな車で下りながら、弥生先生は助手席の店主に尋ねる。
「いいんだよ。お金に困ってるわけじゃあないんだ。
それに、あの子たちはあんなに着物を綺麗だ素敵だって言ってくれた」
店主は手にしたハンカチで目元を拭う。
店主が着物をプレゼントする、と言った後の反応は様々だった。
驚きを隠せない人、喜ぶ人、貰えないと拒否する人。
それでも納得してもらって、最後は全員に着物をプレゼントすることができた。
自前の着物を着てきていた人には店主が選んだ着物をそれぞれ渡してきた。
「あの子たちなら、きっと着物を大切にしてくれるはずさぁ」
「……そうね」
呉服店の名前が入った車が、夕日に向かって走って行く。
ねぇ、忘れないで
忘れないでね
パーティも終盤に差し掛かり、お菓子も尽きてきたころ。
三味線と尺八を練習していた４人が、満を持して演奏披露の流れとなった。
「おばあちゃん、おばあちゃん！」
「おや、どうしたんだい」
「あのね、ボクたち今から三味線と尺八で演奏するから、聞いててね！」
桜庭 円の笑顔に店主も笑顔で返す。
円は武道場の壁際につくった簡易ステージへ上ると、撥を持った右手を高々と掲げた。
「ボクは、ちゃんとした着物を着るのは初めてでした。
でも、おばあちゃんが綺麗に着せてくれて嬉しかったし、なにより今日が楽しかった！
だからボクたちは、おばあちゃんのためにこの曲を演奏します！」
円のスピーチに拍手が起こる。
そして流れる調べ。
寝子島高校の生徒たちには覚えのないメロディだったが、店主にはすぐ思い当たったのだろう。
小さな声で、メロディに歌詞を乗せて。
円と睦月、凛の三味線に、合間に入る日向の尺八。
４人ともとてもいい笑顔で演奏している。
一方の店主はその顔に涙と笑顔を浮かべながら。
ねぇ、忘れないで
忘れないでね
そう、歌っていた。
演奏が終わると、１日でマスターしたとは思えない出来に会場内から拍手が起こった。
円と凛が簡易ステージに店主を連れてくると、店主は顔いっぱいの笑顔に涙を流しながら何度も何度もありがとうと呟いた。
「おばあちゃん、お礼を言うのはボクらの方だよ」
「そうそう、こんなに楽しい時間を提供してもらったんだ、本当に感謝してるよ」
円と凛を筆頭に生徒たちは口々にありがとうとお礼を言った。
それを聞いて、店主はより一層顔にしわを刻んだ。
「お店はムリでも、時折、着付け教室や交流の場を設けるのも……面白いかも、しれませんね」
ぼそりと呟いた天野の一言に、瑠歌やひびき、聖が同意する。
「そうだよおばあちゃん、毎日お店にいなくても、たまーに遊びに来てくれたら嬉しいな！」
「ええ、そうしたらぜひ習いにいきたいです」
「私も、自分で着付けができるようになってみたいですね」
そんな３人の発言を聞いて、天野はどう？ と店主に視線を移した。
「ありがとう。本当にありがとうねぇ。これを最後にするつもりだったんだけどねぇ……。
みんながそうやって優しくしてくれるから、もう少し頑張ろうかなって思ってしまうねぇ」
店主は目尻をそっと拭うと、
「不定期になるかもしれないけど、着付け教室ぐらいは考えてみようかねぇ」
その発言に生徒たちから歓声が上がる。
「最後におばあさんからお願いしてもいいかい？」
「今日着てもらった着物、もらって帰ってやってくれないかい？
みんなみたいに喜んできてくれる人のもとに、旅立たせてあげたいんだ」
「よかったんですか？ あの量だと相当かかっていると思いますけど」
夕日の傾く坂道を、小さな車で下りながら、弥生先生は助手席の店主に尋ねる。
「いいんだよ。お金に困ってるわけじゃあないんだ。
それに、あの子たちはあんなに着物を綺麗だ素敵だって言ってくれた」
店主は手にしたハンカチで目元を拭う。
店主が着物をプレゼントする、と言った後の反応は様々だった。
驚きを隠せない人、喜ぶ人、貰えないと拒否する人。
それでも納得してもらって、最後は全員に着物をプレゼントすることができた。
自前の着物を着てきていた人には店主が選んだ着物をそれぞれ渡してきた。
「あの子たちなら、きっと着物を大切にしてくれるはずさぁ」
「……そうね」
呉服店の名前が入った車が、夕日に向かって走って行く。
ねぇ、忘れないで
忘れないでね
あとがき
担当マスター：
時織椎
ファンレターはマスターページから！
改めまして、時織椎でございます。
このたびは初マスターシナリオにご参加いただきまして平に平にお礼申し上げます。
参加者満員御礼ということで額を地につけて離せない時織でございます。
みなさまの和装姿を妄想、もとい想像しながら悶えつつ書かせていただきました。
少しイメージと違う部分がございましたら申し訳ございません。
全体を通して意外なまでに点茶が人気であったことに驚きでした。
こっちメインにしとけばよかっただろうか……。
しかし歌留多同好会の方vs弥生先生というバトルはなかなか面白かったです。
勝敗はみなさまのご想像にお任せいたします。
最後、店主にあてた思い出の1曲は実在する曲をイメージさせていただきました。
1940年前後の歌謡曲でございます。
ご興味がございましたら調べてみてください。
ともあれ、みなさまお疲れ様でございました。
わたくしのこの文章でみなさまを少しでも笑顔に出来たのなら幸いです。
それでは、また次回シナリオでお会いいたしましょう。
このたびは初マスターシナリオにご参加いただきまして平に平にお礼申し上げます。
参加者満員御礼ということで額を地につけて離せない時織でございます。
みなさまの和装姿を妄想、もとい想像しながら悶えつつ書かせていただきました。
少しイメージと違う部分がございましたら申し訳ございません。
全体を通して意外なまでに点茶が人気であったことに驚きでした。
こっちメインにしとけばよかっただろうか……。
しかし歌留多同好会の方vs弥生先生というバトルはなかなか面白かったです。
勝敗はみなさまのご想像にお任せいたします。
最後、店主にあてた思い出の1曲は実在する曲をイメージさせていただきました。
1940年前後の歌謡曲でございます。
ご興味がございましたら調べてみてください。
ともあれ、みなさまお疲れ様でございました。
わたくしのこの文章でみなさまを少しでも笑顔に出来たのなら幸いです。
それでは、また次回シナリオでお会いいたしましょう。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2013年02月20日
- 参加申し込みの期限
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- 2013年02月27日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2013年02月27日 11時00分
