とある昼下がり。暖かな日差しの入る職員室。
ゆったりとした空気が流れる中、携帯電話を片手に淋しそうに笑う女性の姿が。
和装の麗しいの御姿は
樋口 弥生先生だ。
「うん、うん……。そうなの。残念だわ」
弥生先生は小さくうなずくと、その整った顔に微笑を浮かべた。
「そうね、最後だし思いっきり楽しい事してみましょうか」
『和装パーティへご招待!』
そんなポスターが寝子島高校のあちこちに貼られたのは、
弥生先生が職員室で何事か企んでいたその翌日のこと。
和柄に琴、茶器や花札といったイラストをバックに、カラフルな文字が躍っていた。
『寝子島高校武道場2階で和装パーティを行います!
男女問わず、素敵な着物レンタル&着付け無料!
女の子には可愛い髪飾りもつけちゃうよ!
もしかしたら、あの美味しいものフェスタのおやつも出ちゃうかも!?
百人一首大会開催!
優勝者には記念品をプレゼント!
当日は弥生先生による琴の演奏会も予定中!
その他にも琴・三味線・尺八を用意して待ってます!
土曜日 12:30~ 武道場2階(着物の柄は早い者勝ち)
普段馴染のない“着物”を着てめいっぱいはしゃいじゃおう!』
職員室前に張られたポスターの前で、弥生先生は満足げに笑っていた。
「和の魅力、存分に味わっていただくわ」
皆さまお初にお目にかかります、時織椎でございます。
初のマスター業務にて、右往左往しながら描かせていただきますのでどうぞよろしく。
<和装パーティ!>
寝子島旧市街にお店を構えていた呉服店が店じまいのため、
「在庫を仕立てていっそどんちゃんさわぎがしたいわねぇ」という店主(87歳女性まだまだ元気)の意思を汲んで、
常連であった弥生先生がひと肌脱いだようです。
・百人一首大会(かるた)
読み手は弥生先生を予定しておりますがどなたかやりたい方がいらっしゃれば挙手をお願いします。
<遊び方>
下の句が書かれた札を表向きにして散らします。読み手が上の句を読み上げるのでそれに続く下の句をとってください。
読み手は「上の句、下の句、下の句」の順番で読み上げますので、すべて覚えていなくても問題なくとることができます。
近くの札を狙うのか、覚えている札を着実に狙うのか、それでもあてずっぽうで行くのか……。どんなふうに取るかを書いてください。
おてつきは1回休み。
・琴・三味線・尺八
比較的簡単な「さくらさくら」の楽譜を用意していますが、壊さない程度になら自由に使っていただいて構いません。
他楽曲を演奏していただいても構いませんが、著作権上問題がある場合は描写いたしかねますのでご了承ください。
・お茶とお菓子
あったかい番茶とおせんべいを自由に食べ・飲めるように置いてあります。
茶器もありますので茶道の心得のある方は是非点ててやってください。
お菓子の差し入れも大歓迎!
<着物>
男女とも袷(小紋)を多数ご用意しています。お好きな色柄がございましたらお書きください。
<アクション>
上記の大会に参戦し上位を狙うもよし、好き勝手に三味線を弾きならすもよし、
お茶を飲んでほっこりするもよし……。
普段慣れない和装姿で思いっきりはしゃいでいただきたいです。
浴衣とはまた一味違う、袷の味をご堪能ください。
それでは皆様のご参加をお待ちしております。