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【大好きなパパ!】
「よぉし! パパ頑張っちゃうぞ~!」
少し離れた星ヶ丘に美味しいパイ屋さんがあるらしいと聞いて、早速行こうという話になった、ライニオ一家の
ニコ・ライニオ
と、娘
リアーネ・ライニオ
。
ライニオ家の奥さんは本日は急な予定が入ってしまい、今回は買い物に行けず。
ならば、素敵な妻と可愛い娘の為に一肌脱ぐのが夫の役目。そう思い、ニコは気合を入れる。
「リアーネ。ママのためにも頑張って、美味しいパイを買って帰ろうね!」
「うん、ママが一緒にこれないのは残念だけど、お土産買って行ってあげようよ、ね、パパ」
そんなニコとリアーネが、笑顔を向け合い、手を繋いで幸せ一杯に星ヶ丘まで歩いている途中、偶然、リアーネの友達である
ネミッサ・ネモローサ
と出会った。
「あら、ごきげんよう。ミス・ライニオ」
ネミッサは、ふわりと風をはらんで弛んだスカートの裾を小さく摘んで、二人に向かって、重ねた足を整えて、軽く膝を曲げてお辞儀する。
「あ、ネミッサちゃん、どこに行くの?」
「この近くに美味しいパイ屋さんの噂を聞いて、買いに行こうと思っていたところよ」
「あ、行くところ一緒だね。
……ネミッサちゃんも一緒に行かない?」
「もちろん、喜んで。
ところで、隣のとてもハンサムで紳士的な殿方は?」
一瞬ライニオ親子が首を傾げてから、娘のリアーネの方が先にニコのことだと気付く。
「え? パパ素敵? ありがとう」
気付かれないようにも、僅かに自分の大好きな父が褒められるのは嬉しくて。
こっそり内心でこの上なく幸せそうな気持ちに浸りながら、自分以外初対面の二人にお互いを紹介しあった。
「パパ、リィのお友達のネミッサちゃんよ。
ネミッサちゃん、今日はパパとデートなの」
流れるように、リアーネがネミッサとニコを紹介する。
「やあ、君がネミッサちゃんか。リアーネから沢山話を聞いているよ」
「初めまして、ミスタ・ライニオ。
こちらこそ、お噂はかねがね。
……本当に素敵。ネミッサ恋してしまいそう」
「だ、だめっ。だめよっ。パパはリアーネの──!」
「なんてね、冗談よ。そんなに慌てないで頂戴な、ミス・ライニオ」
うろたえ慌てる様子を隠さないリアーネを、ネミッサは宥めるように、くすりと微笑んだ。
目的の赤い屋根のお店に向かう途中、ネミッサはふと思い至ったかのように口にした。
「そういえばミスタ・ライニオは『プロのヒモ』なのよね。
ヒモって結んで解くアレの事? 一体どんなお仕事なの?
……。それとネミッサ……ミスタ・ライニオととても良く似ているって伺っていたの。
実際に拝見したら、本当に似ていて──もしかしたら、隠し子なんじゃないかって噂に聞いた事があったけれど……
──実は、ネミッサの……パパ?」
前半は完全な疑問符付きで。
後半は見ているだけで幸せそうなライニオ親子を困らせる目的で、わざと深刻気味に訴えるように告げてみる。
──少なくとも、リアーネの父であるニコへの効果は抜群だった。
「パパ!?
しかも、ヒモで隠し子疑惑っ!?
ちょっと待って! ヒモは心に痛いけれども、隠し子疑惑には心当たりないよ!
僕は清廉潔白だし!」
実際にニコは潔白なのだが、動揺のあまり反射的に泳いでしまう目が余計に怪しさを感じさせる。
「………………」
リアーネはその隠し子騒動に慌てることも無く、じっと父であるニコとネミッサを見比べて、一つ頷いた。
「そうだったの。ママに教えてあげないと」
「わああ! 待った、リィ!
パパ潔白だから! 潔白だからっ!!」
実の娘リアーネに泣きつくように、ニコは悲鳴を上げてその両肩に手を降ろす。
父の困るを通り越して動揺の余り右往左往する様子にリアーネは言った。
「それじゃあ、ママにはナイショにしてあげる」
「ありがとう、ありがと……──いや、僕はやっていないからねっ!? リアーネ!」
立て続けに感謝してから、思わず叫ぶニコ。
その様子を小さく笑いながら見ていたネミッサは、ふと思い出したかのように話題を振り返した。
「ミスタ・ライニオ。それで、ところで『ヒモ』とはどんなお仕事?」
「……。もう僕の心は針のむしろだよ……
ん~、ヒモっていうのは職業じゃない気がするけど……
──ねえ、そういうのどこで覚えてくるの?」
ニコは困ったような何ともいえない顔をして、2人に向かって問い掛けてみた。
「秘密よ。ね、ミス・ライニオ?」
「秘密。ね、ネミッサちゃん」
笑顔で返って来た、全く同じ2つの言葉。
期待は出来なかったが……と、ある意味予想通りの答えにニコはどんよりと落ち込んだ。
落ち込みつつも、大人のお仕事として先程の子供の疑問には答えなければならない。
「そうだなあ……『ヒモ』は悪い大人のお仕事、かなあ。
あ、僕は違うけどね?」
──その言葉に、子供二人組が疑問を浮かべて首を傾げたのを見て、ニコは心が針のむしろどころか、心臓を包丁で一突きにされたような気分になった……
その後もニコは説得を続けたが、誤解は解けないまま、むしろ馴染むかのようにネミッサとリアーネに定着してしまった。
ニコのショックは隠しきれないまま、赤い屋根のパイ屋さんに3人が辿り着いた頃。
夕方に差し掛かってきたからだろうか。店内には席が選べる程には空き始めていた。
「これは……凄い数だな」
ニコが店内に入って香ばしいバターの匂いに誘われるように、店内のパイの数やメニューに目を通す。
後から入ってきた2人もそのパイの香りに誘われるようにメニューを見ようとするが、何しろ幼い少女である。メニューのあるカウンターの上に目が届かない。
ニコはまずはリアーネを軽くお姫様抱っこして、カウンターの中に収められているメニューを見せて選んでもらう。
「まあ。ミス・ライニオずるいわ。ネミッサもメニューが見づらいのだから」
「なら次はネミッサちゃんだな」
「ありがとう。ミスタ・ライニオ」
こうして多数のメニューの中から二人がメニューを決め終えた後。
ニコもメニューをしばらく眺めていたが、
「あ、店員さん? 紅茶のパイなんてあるんだね」
可愛い少女二人の注文を終えて、自分の注文の時にそっと気になった事を思ったまま口にして気軽に尋ねてみる。
……気になるといえば、サンマさんパイというパイの文字も非常に気になったが、気にしたら何かに負けそうな気がして、ニコは今回ばかりはスルーしておく事にした。
「はい、紅茶の茶葉の風味をふんだんに生かして焼き上げておりますので、焼き上がりが柔らかに紅茶の香りがして、食べると口の中にふんわりとその香りが広がるんです。女性からの人気が高いパイですよ」
落ち着いた感じの女性が丁寧に説明してくれる。
「えっと。じゃ、ママにテイクアウトでそれを。
後はさっきの注文にイートインでホットコーヒーとアップルパイを」
「パパ。後はママにはマンゴーパイとザクロのパイとマロンパイとさつまいものパイを買って行ってあげましょ」
「……流石に多すぎないかい?」
「ママが食べ切れなかったら、私たちが食べればいいと思うの」
「じゃあ、それを前提に……」
イートインスペースにて、
リアーネは「きのこのシチューのパイ包みと、ピーチパイと、クリームソーダ」を。
ネミッサは「八葉特製ミルフィーユとタルトタタン、ホットココア」をトレイに乗せて運んできた。
結構な量がある。子供の食欲侮り難しと思いつつも、ニコは器用にテーブルの上の配置を器用に整えて、自分の分のアップルパイと、ホットコーヒーを置くことに成功した。
三人が席について、各々がパイやお菓子に手を伸ばす。
一口食べれば、美味しさが口に広がり嗅覚まで満たされるような気がして、まるでいくらでも食べられそうだ。
「んっ? 旨い!」
あまりの美味しさに、ニコはアップルパイをほお張りながら、思わず感動を口に声に出して告げる。
「お行儀よく、お行儀よく……
ん、おいしい──
あ、パパ! お口にパイがついてるよ」
リアーネが立ち上がり、置かれていた紙ナプキンを手に、ニコの口元を拭う。
「じ、自分で出来るって、リアーネ……!」
「だめよ。ママがいない時は私がパパのお世話をするのよ」
その幸せな様子を、ネミッサはしばらく微笑ましく眺めていたが。
「……ミス・ライニオとミスタ・ライニオはとっても仲良しさんなのね。
……うらやましい。ネミッサのパパは死んじゃったから……」
幼い子にはさぞ衝撃的だったであろう事実を告げて、しばし沈黙する。
「あ、でもでも寝子島で新しいパパができたのよ?
シスターも優しくしてくれるし、お友達も沢山できたし。
だからちっとも寂しくないの! ホントよ!」
うっかり暗い話をしてしまったと、幼いながらも自覚をして、慌てて顔を上げて、一生懸命明るい話に戻そうと懸命に語りながら。
思い出してしまった寂しさだけはどうしようもなくて。
「でも……今日は特別にミスタ・ライニオに甘えていいかしら」
控えめにこっそり呟くように告げたネミッサに、リアーネとニコはその境遇があまりに切なく心に響き、即座に頷いた。
「はいパパ──あ~んして」
ネミッサは座っていた距離を詰め、一口サイズにパイを切り分け、その一欠をフォークに刺して丁寧な仕草でニコの口元に運んでいく。
ニコはその状態にしばしうろたえていたが、覚悟を決めた様子で一口で小分けにされたパイを完食した。
「……!?」
瞬間、リアーネが吃驚したような顔をする。
どうやらリアーネの中に「あ~ん」は甘えるの範疇を超えたものであったらしく。
それを見た瞬間、ほんの僅か一瞬だけだが、雰囲気で分かる程に驚きにも似た様子で、困ったようにも怒ったようにも見える表情を浮かべた。
「あら、ミス・ライニオ。やきもち焼いちゃいやよ」
冗談めいた様子で、可愛らしい悪ふざけをやめるように、ネミッサは元に座っていた席に戻る。
スカートを直しながら座りなおすネミッサが、ふと興味を持ったように二人に尋ねた。
「二人はおうちで何して過ごしているの?
ネミッサはシスターが切り盛りする蔦薔薇の館に下宿してるの」
「蔦薔薇の館──ああ、あの煉瓦造りの。入った事はないけど」
ニコは思い出したように、その場所を思い浮かべる。
「噴水や温室があって、庭園には色とりどりの薔薇が咲き乱れて……とっても素敵な場所なの!
妖精もいるって噂よ。温室のマンドラゴラは煎じて媚薬にするの」
「わあ、すてき……!」
真偽の程は分からない。ただ、今度はリアーネがその光景をうっとりするように空想する。
「よければミセス・ライニオも連れて、是非いらして頂戴ね」
その言葉に、ライニオ親子は楽しそうに頷いてみせた。
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シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年11月28日
参加申し込みの期限
2014年12月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年12月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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