コズミック焼きそばパンをこの手に！｜リアクション

コズミック焼きそばパンをこの手に！

「やらいでかー！！！」
「おおーっ！！！」
「殺るしか、ないのだー！！！」

　瞳を燃え盛らせ、シャーペンを手に取る一同。
　半ばやけくそ気分であった。

「問題１：次の漢字を１万回書き取りなさい」
「問題２：次の出来事の年号を１００個すべて埋めなさい」
「問題３：次の計算問題を１０００問解きなさい」
「問題４：次のような状況で、あなたは英語で何と答えますか？　１００問答えなさい」

　先生も心得たもので、ここで難しい問題など出さない。
　体育科と普通科、差が出ないように、ひたすら作業をさせる問題ばかりを集めた。

「饑し……なんじゃこりゃ」絶句する生徒。ひだるし。お腹が減っているという意味の古語である。

「うおーっ！　饑し饑し饑し饑し饑し饑し饑し饑し饑し！！」
　やけくそで描きまくる朝陽。
「ブイブイ！　たのしい！　たのしいな！」ピンクのマーカーペンで、英単語を埋めていくシダ。紙の上でも疾走は止まらない。「あさひ！　つきの！　がんばれ！」
　朝陽と月乃は、神妙に頷く。

　英語以外は万能の信彦、そろりと利平に英語のプリントを回す。
「問一：疲れている友人に対して話しかける時の英語……簡単だな！」利平は鉛筆を振り上げ「Ｌｅｔ‘ｓ　ｄａｎｃｅ！」と書きつける。
「ナイスだ、リヘーくん！」
「楽勝だぜ！」
　お腹が空いているときに使う英語。「Ｌｅｔ‘ｓ　ｄａｎｃｅ！」
　趣味を聞かれた時に使う英語。「Ｌｅｔ‘ｓ　ｄａｎｃｅ！」
　友達になりたいときに使う英語。「Ｌｅｔ‘ｓ　ｄａｎｃｅ！」

　安定感を持ってプリントを終わらせる真央の横で、理科だけえり好みしている執。
　本当はこんな茶番に参加するタイプではないのだが、沼田さんの相撲に、彼なりに思う所があったのかもしれない。

　宴会軍団も、必死でテストに食らいつく。
「まさか、こんなことにまきこまれるなんて……」呟く朱蘭。唸りながら、世界史の年号テストを埋めていく。社会の得意な彼女、ぶつぶつ年号ゴロを呟きながらテストを埋めていく。
「イチゴパンツで本能寺、よーしパパ加賀の一向一揆、ひろみごーの慶安のお触書……」
　それを聞きつつ、周囲も埋めていく。超貴重な戦力だ。

「地学」。
　タイトルを見ただけで、無言で追いやる刀。それを黙って埋めていくのは勘三郎。謎の連携があった。

　ふらつく頭を押さえつつ、璃亜も書き取りに挑む。こまごました仕事は得意だ。
　その傍らで、水道水を飲ませたり、フォローに回るのは博美。
　常に状況を把握しつづける彼女。自分がテスト解答に回るより、周囲のサポートをした方が、はやくテストが終わると結論したのだ。
「ありがとうございました……」呟く璃亜に、がんばってねと声をかける博美。