遠足！　小学生、横浜へ｜リアクション

遠足！　小学生、横浜へ

◎技術館でお弁当

「さあ、お弁当だ～。ねえ、一緒に食べない？」
　一緒に採掘船を作った翼とスフィアも加わってお弁当を食べることになった。
　わくわくと庵がリュックを開いた。
「お弁当はお蕎麦なの」
　未月のお弁当は、トマトやキュウリ、豚しゃぶ肉がトッピングされた蕎麦だった。
「私はお蕎麦大好きなの……皆は何が好きなの？」
「おそばのお弁当ってすごいね！　ボクのはおにぎりバスケット！」
　玲音が嬉しそうにバスケットを開く。
「未月の家は餃子屋だけど、蕎麦もやってるんだったな」
　そう言いながらあいらもお弁当を広げる。
「あいらさんのお家はパイのお店だったよね」
「ん、結構普通のお弁当だって？　いくらパイ屋でもパイばっかり食べてるわけじゃないぞ。おかーさんの卵焼きは甘くて美味しいぞ、一口食べてみろ」
「いいの？　それじゃ私のも食べて」
　おかずの交換が始まった。
「お弁当は自分で適当に作ってきました」
　そう言って開いた翼のお弁当は、凝ってはいないが皆のものと遜色がない。
「え、自分で作ったの？　上手じゃん。うん、うまい」
　食べながら庵が感心する。
「いおりもお菓子作りは好きだけど、さ」
「いおりおねーちゃんおかし作れるの？　食べてみたいな」
　無邪気に言う玲音に、あまり腕に自信のない庵は苦笑する。
「じゃあ、そのうちね」
　お弁当を食べ終えて、あいらが別の包みを開く。
　中からかわいらしいパイが出てきた。
「まあおやつはパイだけどな。食べやすいように一口サイズだ。いろんな味があるから……あ、激辛はないから大丈夫だぞ。よかったらみんなも食べてくれな」
「うわあ、ありがとう！　いただきま～す」
「うん、旨い。これはアップルパイだね」
「いただきます。こちらはレモンパイですね」
　皆がお腹いっぱいになって片づけを終えると、庵は立ち上がった。
「それじゃお土産買おうか。入り口のところに宇宙食が売ってた、買いに行こう！　試食ないかな」
「えー、まだ食べるの……？」
「もちろん！」
「ボクはつよそうなはたらくくるまがいいなー」
　元気にお土産売り場に向かう庵、玲音に、笑いながら皆が続いた。