遠足！　小学生、横浜へ｜リアクション

遠足！　小学生、横浜へ

◎家に帰るまでが遠足です

　帰りのバスの中、良太は感想を書いていた。
『やまと丸はでかかったです！　オレもああいう船に乗っていっぱい魚を獲りたいです！』
「いや、そういう船じゃないから」
　隣席から覗き込んだ濫丸が突っ込む。
「……え、違うの！？」
「まあいいや、それよりなぞなぞしようぜ。問題です。待ち合わせは9時、30分遅れたら何分？」
「え、９時３０分だろ？」
「ブッブー！　答えは『プンプン』でした」
「えー、なんだよそれー！」
　良太が一瞬目を見開き、そして笑いだす。
（うん、楽しい遠足だった！　また来たいなぁ）
　と思う濫丸だった。

「先生、バスの中でお弁当食べてもいいですか……？」
　おそるおそるあさひが尋ねる。
「もちろんよ、お腹すいたでしょう」
　先生の返事にほっとして、あさひはお弁当を取り出した。
「うわあ、あさひおねーちゃんのねこさんのおにぎり、可愛い！」
　通路を隔てた隣の席の玲音が声を上げた。
「あさひ、お土産に買った宇宙食食べない？　これ羊羹味なんだ」　
　庵も声をかけてくれた。
「うん、ありがとう……」
　写真を撮れなかったのは残念だけど、みんなの笑顔や素敵な景色は、心の中にしっかり焼きつけておきたいな、と思うあさひだった。

　帰りも一人で席に座ったスフィアに、声がかけられた。
「隣、座ってもいい？」
　驚いて振り返ると、技術館で一緒だった翼が、にっこり笑っている。
「え……うん」
（私でいいのかな……）
　なんて答えればいいのだろう、と戸惑いながらも頷くスフィア。
「よかった。技術館、楽しかったね」
　翼はスフィアの隣に座ると、屈託なく話しかけるのだった。

「楽しかったな……むにゃ」
　その後ろには、はしゃぎ疲れて眠くなったあいらの姿。
　姫は、持ってきたチョコや飴を食べながらメモを纏めていたが。
　バスに揺られているうち、『楽しかったです』と書き終えたメモを開いたままうとうとしていた。

　無事学校に到着し、みんなと別れた未月は、兄の姿を見つけ後を追った。
「葉月にぃ……ゆうべはごめんなさい」
　振り向いた葉月のほっぺにキスする。
「仲直りのキスなの」
「ごめんな、未月。ゆうべは言い過ぎたよ。でもな、俺は未月の為を想っているのは判ってほしい」
　そっと仲直りのハグをする葉月に、未月はつぶやく。
「……でもつちのこの里がさいきょーなのは譲らないの」
　苦笑しつつ、妹の成長を感じて、葉月は目を細めた。

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あとがき

担当マスター：天村花海
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ご参加ありがとうございました。
楽しいアクションの数々に、私も小学生に戻ったつもりで遠足を楽しませていただきました。
施設は実在のものとは違うところもありますがご了承ください。
何か所かに分かれて登場している人も多いので、よかったら全体に目を通してみてください。

それでは、またのご参加をお待ちしております。

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