遠足！　小学生、横浜へ｜リアクション

遠足！　小学生、横浜へ

◎午後、はとば博物館

　やまと丸が見える広場で良太はお弁当を食べ、おやつを取り出した。
「チョコにあめ、ちょとと……ちょととはこのヒトデの形が大好きなんだ！
　あ、このスナック菓子はキャラカードがついてるんだよね、どれどれ……」
　班の仲間と楽しく話していた良太は、リュックから覗く黄色いものに気づいた。
「あれ、バナナ……？　さてはじっちゃんの仕業だな！　なんかニヤニヤしてたからおかしいと思った」
「良太のじっちゃんいたずら好きだよなー。おやつにバナナとかないだろ」　
　仲間に笑われているところに、思わぬ声がかかった。
「わかってないわね。バナナは栄養価の高い優れた食品なのよ」
「あ、さっきのお姉ちゃん！」
　道がニャンドマーク側から戻ってきていた。　
　実は道はバナナ好きで、常にカバンに入れて持ち歩いているため、前の学校でのあだ名は「モンキー」だったのだ。

　午後からは、横浜はとば博物館の見学となった。
「港のれきし？　港であった出来事とか作られたころの様子とか？　１５０年くらい前にできたんですね」
　姫は写真を見ながら説明を読んでいったが、読めない漢字があった。
「横浜港の……うーんと？」
　先生に教えてもらおうと周りを見ると。
「ゆしゅつひん、よ」
　そばを歩いていた道が教えてくれた。

「帆船シミュレーターで船を動かしてみたいです！」
　姫が声を上げる。道も一番楽しみにしていたのが帆船シミュレーターだ。
　まずは学芸員のお兄さんの丁寧な説明をきちんと聞く。
「なるほど、そうなんですか」
　相槌を打ちながら、年下の子供相手の時より凄く嬉しそうな道である。
「帆ってかっこいいから付けてるのかと思ってたけどとても大事だったんですね」
　と、姫も熱心にメモを取る。
　４面のスクリーンに映し出される風景を見ながらかじをとる。
「うわあ、結構難しい」
　なかなか思うようにいかなかったが、良い経験になったと考える道。
「船長さん気分♪」
　姫のほうは、動かすだけで楽しめているようだ。

　その後姫はやまと丸に乗り込み、書いたメモを見ながら船内探索した。
「こんな大きな船テレビでしか見たことないよ！」
　午後やまと丸にやってきた濫丸も、見たことのない船の中に興味津々だった。

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