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走れ平助!
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●悪戯妖精ズ
そんな経緯もあり、翌週。
いよいよデート当日、決戦の火蓋は平助の自宅を未明から襲うピンポンダッシュで切って落とされた。
犯人はこの男、
ヨハン・プレストン
。
黒のトレンチコートを翻し、その秀でた運動能力と周到さを最大限に発揮し、執拗に玄関のチャイムを途絶えることなく鳴らし続ける。
(何度も、何度も起きるまで押し続ける。起きたら、出てくる直前まで押し続けて見つからないように……)
そんなヨハンの親切心(おせっかい)で、関係ない家族までたたき起こされ、いい迷惑をしたわけだが。
お陰で、またポチのアレを踏むというアクシデントを挟みながらも、大あくびをしつつ平助は自宅を出てきた。
その手には、携帯電話が握られている。
毎回の遅刻の噂を聞きつけ、心配した
志波 武道
と
御剣 刀
から、これまた早朝から交互にモーニングコールがひっきりなしに掛かっているのである。
一度で起きないから、仕方ないよね。
ちなみに武道は、先日行われた
寝子島トライアスロン
で、弟を守るために橋から決死のダイブをかまして、右の肩を脱臼した重傷の身なのであるが。
「いつこれがきっかけで、亀裂や事故になるか分からないし……おにーちゃん弟のフツウ守るため頑張る!」などと供述し、今日も間接的ではあるが、かわいい弟のために奮闘中だ。
もっとも肝心の弟のほうは、そんな兄の愛がうっとおしくて仕方ないようだが。
お兄ちゃんが、控え目で仲間想い、そして寡黙な弟くんにうざがられるような何を過去にしでかしたのか、気になる今日この頃です。
それはさておき。
「平助、早かったじゃないか。俺の方が遅くなるとは思わなかったぞ」
「1時間ほど余裕を持って、と思ったが。気合が入ってるな」
約束どおり迎えに来てくれた修と刀に、両サイドを固められて家を出る平助。
タイプの違うイケメン二人に挟まれた、凡人平助の心情は語るまでもない。
慌てて駆けつけたせいで、修の息が上がっているのが、微妙に残念だが。
「大丈夫か?」と苦笑する一方の刀は、毎日の鍛錬のついでもあるのかもしれない。
すっきりとした面差しだ。
「流石に一回くらいは、間に合った方が良いだろう。今日は勝ちに行くぞ、加藤」
そして修も刀も、それぞれに万が一に備えて、松子に提示しようと平助の不幸映像と松子ラブな音声を記録するための媒体をチェック中。
この甲斐性が、平助にあればなぁ。
三人の姿が、街角へ消えていく。
「まずはミッション、フェーズ1……完了」
ぼそりと呟くヨハンの眼光は、真面目そのものだ。
屋敷野 梢
は平助の体たらくの噂を耳にし、同じ
生物部
の
逆巻 天野
に相談することをまず選んだ。
キラキラと見上げる、若葉色の瞳を前に、天野は顎に手をあてて、しばし考えた後。
目を細め、イタズラっぽく提案した。
「松子が拉致された……そんな噂を流して平助を心配させてやろう。女性を一人でいつまでも待たせていたら危ないとわかれば、もしかしたら遅刻が直るかも?」
「あー、それいいですね! 何より、面白そうですー!」
一も二もなく賛同し、二人は頷き合う。悪戯な妖精よろしく、梢はくふりとはにかむ。
「じゃあ、まずは松子さんを確保しないとですねー?」
「ふふ。それでは屋敷野部長? 兎小屋の兎を、少しの間お借りしてもよろしいでしょうか?」
わざとらしく、うやうやしく尋ねる天野。
「はい? 兎ですかー……逆巻君には、何か考えがあるのですねー? よろしいですともー!」
応じる梢も、ちょっぴり胸を張って。
くすくす笑いの二人の影が、連れ立って兎小屋の影へと消えていった。
昭和のレトロな懐かしさを醸し出す、寝子島駅の木造駅舎。
その脇に、待ち合わせスポットとしてメジャーな、巨大な七福猫のモニュメントが鎮座している。
待たされるのが定石となりながらも、松子は今日も早めにやって来て、平助を待っていた。
(待ちぼうけの松子ちゃん、今日もか……また自覚無いままマッチョってのも困るから、何とかしないとな)
更に先回りして、待ち合わせに場所に来ていた武道。
梢の幼馴染であり、現場で偶然彼と合流してしまった、
八十八旗 信彦
も一緒だ。
二人は、松子に声を掛けた。
「はーい、俺ブドーっていいまっす! いやぁ君の姿、先週も見て……彼氏さん、また遅刻ったー?」
「全く、デートに毎回遅刻だなんてトンデモないことだよ。百歩譲って巻き込まれ体質なのだとしたら、もっと早く家を出るべきだよね。進歩が見られないってのが大問題だよ」
服装の趣味も人間性もかみ合わない、不思議な組み合わせの二人に突然声を掛けられて、松子はぎょっとしたようだ。
「何なの、君達。私に何か用?」
「ごめんごめん、驚かせちゃったかな? 俺は、
志波 武道
。ブドーって呼んでいいよ! この街の米屋に下宿してるんだ。それで平助くんが毎回、松子ちゃんとのデートに遅刻しちゃうって聞いてさ。気になって……」
武道はスポーツ少年らしい、さわやかな笑顔を松子に向ける。
信彦の方も、リラックスできそうなハーブの入ったドリンクを、松子の前にスマートに差し出した。
「俺は憂える女性達の頼もしい味方、
八十八旗 信彦
さ。そろそろ日も高くなってきたし、待ちぼうけで喉が乾いてるんじゃない? 良かったらどうぞ」
「私に? でも、それは何だか悪いし……」
遠慮する松子に、信彦は伝家の宝刀。渋い輝きを放つクレジットカードを懐から取り出すと、くるりと指先で弄んで見せた。
ろっこん『Money In The Bank』の力は、金髪碧眼という信彦のチャライ見た目もなんのその、元より紳士的な態度で臨んでいたこともあり、絶大な効果を及ぼした。
「この程度のもので、素敵なレディの歓心を買えるのならば、お安いものさ」
「まあ、お上手ね」
信彦を信頼した、松子の表情が和らいだ。
お礼を言って信彦からドリンクを受け取り、口に含む。
思いつめたような硬さが取れた彼女は、誰もが向けられた微笑を返したくなるような、笑顔のまぶしい女性だった。
信彦が、軽く口笛を吹く。
変身した彼女が周囲の人間を傷つけるようなら、傷ついたこの身を挺してでも……と考えていた武道だったが、どうやらこの様子なら、その心配はなさそうだ。
「とりあえず、ずっと立ってるのも疲れるよな? どこかここが見える喫茶店とか、時間を潰しやすい場所に移動してみるのはどうかな?」
「そうだな。しかし真摯な紳士である俺としては、レディの笑顔を曇らせる要因そのものが見過ごせないな」
どうしたものか。視線を空に向け、髪をかきあげる信彦に聞き覚えのある声が掛かった。
「すいません……! 寝子校の人ですか? 人手がいるんです、動物を救うのを手伝ってください……!」
ヘッドフォンを首にかけ、助けを請う美少年は、最近演技派になりつつある天野である。
「飼ってる兎が、動物病院につれてく途中でケージが壊れて逃げちゃって」
思い悩んだ様子で目元に手を当て、顔を背ける。
事情を知らない者からすれば、蒼白の顔で泣き出したいのを堪えているように見えないこともない。
ちょこちょこと天野にくっついてやって来た梢も、影でこっそりと点した目薬で悲しみの涙を演出すると、松子に捨てられた子犬がするように、すがるような視線を向ける。
「このままでは、いつ車にはねられるとも知れませんー……」
「そ、それは大変ね……この辺なの?」
あどけない少女の涙に、早速、物陰などを気にしはじめる松子。
本当は、兎達は犬などがいないのを確認後、餌をまいた近場の公園に離したのだが。
うまく松子を騙せたと確信した梢は、にんまり笑うと信彦と武道に向けて、唇に指を立てるとウインクして見せた。
「あー……うん、そうだな。彼氏さんとの待ち合わせ時間まで、まだ時間もあるし。俺達も手伝うかー」
武道は、これでいて察し上手の日本人だ。自然に切り出して、うまく場を繋いだ。
その気配りが、愛すべき弟君に「必要以上に関わらない」なんて約束させられるまで、歪んだ形で発揮されていたことが悔やまれる。
梢の幼馴染である信彦は、梢の相変わらずの小悪魔っぷりに肩をすくめながらも、話に乗った。
天野に先導されて、兎を探し始めた松子について歩きながら、幼馴染の少女に耳打ちする。
「ま、ヘースケ君は意識改革が必要だよ。これまで怒られていても、最後には許してもらえたって甘えがあるんだろうね。彼女もヘースケ君が良いヤツだからこそ、好きなんだろうし、分かっているから毎回許しちゃってるんだろうけど。この甘えを是正しないと、ヘースケ君はまた遅刻する。それじゃあ彼女の不満は解消されないよね」
「そーですよー。だから逆巻君と相談して、松子さんが不良にさらわれた事にしようかと思ってるんですー」
「……不良? って、誰がやるのさ」
「逆巻君の予定でしたがー……」
梢は、じーっと信彦を見つめた。
「ひこにゃんの方が、適役かもですねー?」
「おぉい、冗談だろ? スタイリッシュでエレガントな俺に」
信彦は気取ってブラックカードを取り出して、額に翳した。
「そんな泥臭い不良役なんて……どう転んでも似合わないさ」
「ぇー……?」
「なんだよ、その顔? 俺は真実を正直に――あ。ああいう奴がいいんじゃないか?」
その時、なぜかこんなタイミングで現れたのは、先日か弱い女子生徒に限定焼きそばパン買って来いなんて恐喝して、反感を買い、ボコられた挙句に矯正された
赤西 拳児
くんじゃございませんか。
前時代的なリーゼントが、いい感じにひさしになって顔面に濃い影を入れ、悪目立ちするその姿。
人が道を開けるように、さーっと左右に分かれていく。
「おや。赤西先輩じゃないですか」
親しげに声を掛けられ、赤西君はほとんど条件反射でメンチを切ったが。
声の主が先日大変お世話になった天野君なのに気づくと、全身の毛穴から汗を噴出させた。
「こんな所で会うなんて奇遇ですね。今、お暇ですか?」
天野の声は優しい。けれどその口元は決して笑ってはいない。
「い、いや……今日は、そそそそう、かか母ちゃんに、おおおつかい頼まれて、さささ参道商店街にっ!」
赤西君は一目散に逃げ出し、天野は聞こえぬように舌打ちした。
逃げてしまったものは仕方がない。
信彦と梢は、会議に戻った。
「俺が思うに、ヘースケ君には危機感が足りないのさ。このままでは松子ちゃんに、愛想を尽かされるって思わせないと」
「ひこにゃん、何か考えがあるのですかー?」
「よくぞ聞いてくれた! ヘースケ君に危機感を持たせる。例えば、この俺のような恋のライバルが出現するとか」
信彦は白い歯を光らせた。
「ぇー?」
「む……。梢ちゃんの不幸は、こんなイケメンを幼い頃から見慣れてしまったがゆえに、男を見る目が磨かれていないって事だな。まあいいか、ここはテンプレートな様式美にならって、ナンパする男に靡きそうになる松子ちゃんの姿を、ヘースケ君に見せる。そんなプランでどうだ?」
「うーん……ひこにゃんのナンパで、平助さんが危機を感じてくれるか、少々疑問ですがー。それでいってみますかー?」
むくれる信彦を宥める梢たちの姿も、観光客でにぎわい始めた雑踏に消えていった。
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年02月08日
参加申し込みの期限
2013年02月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年02月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
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