this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
走れ平助!
<< もどる
1
2
3
4
つぎへ >>
●走れ平助!
邪衣 士
は、今日もトレードマークの熊の毛皮を被って、ほわほわ道を漂っていた。
彼はよく、迷子になる。
参道商店街までたどり着いたなら、ちょっと頭を働かせればすぐに寝子島駅まで出れる。それならバスやタクシーを利用すればあとは勝手に目的地までつれて行ってくれるが、毎回それでは財布がもたないし、何より迷う時間がバカにならない。
根本的な解決が必要だ。
しかし方向音痴に理屈は通じにくい。
基本一点集中型であり、大きなものよりも小さなものが目に入ってしまう彼らは、まずその厄介な思考のループを抜け出すことが至難なのである。
士もそうだ。秀でた情報検索能力を生かして、頑張って目的地までのルートを調べつくし、行きは無事にたどり着いたとしても、道中 地図と情報に首っ丈になり、周囲の全体像の把握をし損ね、安心して気が抜けた帰り道に迷子になっているなんて、日常茶飯事だった。
「おや? あそこにいるのは、この前俺が迷子になった時に、親切に助けてくれた人じゃないか」
士が言うのは、勿論 平助のことである。
なにやら急いでいたようだったが、丁寧に道案内をしてくれた。
義理堅い士は、一度世話になった相手を忘れない。
是非、お礼を言わねば!
頷くと、士は修と刀に挟まれて歩く平助に声を掛けた。
「こんにちは、先日 道を教えていただいた邪衣士です。いや~あの時は、ラッキーでした。本当に助かりましたよ」
謙虚に、しかし心から述べる士に、三人は顔を見合わせた。
「いやいや。大したことじゃないよ、それじゃあ」
「おや、お急ぎですか?」
士が人の良さそうな顔を曇らせ、平助はデートの待ち合わせをしていることを告白した。
「彼女さんを怒らせた? そうですか、それは悪い事をしてしまいましたね……そうだ、俺協力しますよ! 待ち合わせ場所は駅前ですか? 良かったらご一緒させてください」
「あはは、ありがとう。今日は何事もなく、たどり着けるといいなぁ」
「おい、変なフラグ立てるな」
刀につつかれて、平助は慌てて口元を手で覆い、こくこく頷いた。
――しかし何も起こらないはずがないですよねー?
重い荷物を持って、横断歩道で立ち往生するお婆ちゃんが現れた――!
「俺がお婆さんを背負う! お前は荷物持て」
刀は指示を飛ばすと、颯爽とお婆ちゃんに背を向け、修はお婆ちゃんに挨拶すると、関節を痛めないように、そっと刀の背中に乗せてやる。
平助は言われたとおりに荷物を抱え、士は足止めをくらった車の運転手たちに丁重に頭を下げた。
道の真ん中にバナナの皮が――!
誰もそれに気づかない。
と、思ったら路地から、何かが飛び出してバナナを弾き飛ばした。
これまで尾行していたヨハンが、エアガンで狙撃してバナナの位置をずらしたのだ。
お陰で平助たちは、バナナの存在に気づくこともなく問題のポイントを通過していく。
「ん、硝煙? 気のせいだろう。これはエアガンだ」
エアガンを構えたヨハンがひとりごちる。うんうん、気のせい気のせい。
「……バナナの皮に銃痕らしきもの? 知らんな」
知らないのー? あの黒いのはね、スイートスポットって言うんだよぉ。
「……危険なもの? まさか、エ・ア・ガ・ン・だ」
エアガンでぇす(はぁと)。
ああっ、あんなところに、お母さんとはぐれて泣いてる子供が――!
「俺が肩車して探す、皆も一緒に声だして探すぞ!」
子供の頭を優しく撫でると、刀はてきぱきと捜索の態勢に入る。
旧市街の事情に明るい彼は、よそ者とそうでない者は大体分かる。
観光客の子供だろうと判断した彼は、すぐに商店街の人たちにも声を掛け、子供を捜している人がいなかったか、何かわかったら報せて欲しいと約束を取り付ける。
士は毛皮で「森のくまさんだよー」と子供をなだめている。
修は警察に連絡し、迷子の操作願いが出ていないか確認。
連携プレーのかいあって、時間は掛かったものの、ややして母親が見つかった。
突然の突風で、爺のヅラが飛んできた――!
ヨハンの指から、反射を抑えるために黒く塗ったナイフが滑る。
ナイフが直線を描いて宙を飛び、黒いふさふさを壁に縫いとめた。
「そろそろ約束の時間か……?」
携帯で時刻を確かめた士。そろそろ事態が緊迫してきた。
「走るぞ!!」
「お、おう!」
せっかく早起きして、髪もセットしてきたのに。平助は今日も汗だくコース確定のようだ。
金を貸してくれという、いかにもな不良が現れた――!
「おうおう、俺ァ今、ムシの居所が悪いんだ、ちょっと金貸せ……ヒッ、みみみ御剣君!?」
呼び止められた刀の鋭い眼光が、赤西君を貫く。赤西君は思わず頭を抱えて、うずくまった。
「平助、跳べ!!」
刀、平助、士が、次々と赤西君の上を飛び越えていく。
「スマンな、相手をしてやりたいが、急いでいるんだ」
「めめめ、めっそうもない! 俺に構わず行ってくれ!」
ここまでのロングランで、息も絶え絶えになっていた修が、赤西君に躓いて転んだ。
「はぁはぁっ……こ、ここまできて脱落か……」
無念そうに、ここまでの記録媒体をチェックする修だったが、ブレが酷すぎて使えそうになかった。
刀の方も遅れた場合の保険として、音声の記録をこっそりと開始した。
「ちなみにお前、彼女の何処が、どれくらい好きなんだ?」
いざというときは大音量で平助の惚気を聞かせて、松子の怒りを鎮める作戦だ。
しかしそんな刀の気持ちなど、平助は露知らず。
「えー? そうだなぁ、色々あるけど……やっぱおっぱいが大きいとこかなっ!」
無邪気に答えやがって。使えるか、こんなもん。
刀は何も言わずに視線を平助から正面に戻すと、電源をオフった。
(……何で俺、こんなに頑張っているんだろう?)
ごもっともです。
さて、兎を計画通り集め終わった天野たち。
作戦を松子誘拐から、ナンパに変えると言ったら天野は、やや難色を示したが
「もし、松子さんがここへ誘拐された……と言う情報を流したら、彼氏さんぶっ飛んでくるんじゃないですかね?」
と探りを入れてみたら
「そう言えば、前にそんなことがあったわよ? あの時は、平助がエクストリーム土下座に挑戦して、あまりのかっこ悪さに呆れた不良が、ひいてくれたのよね」
すでに体験済みだったことが判明。
一度やって遅刻に効果がなかったことが、実証されているのか……。
腕を組み、思案顔の天野に、信彦は気楽そうに言い聞かせる。
「心配しないでくれ! 他人の恋路を邪魔するヤツは、馬に蹴られてなんとやら。横恋慕する気はないさっ。あくまでお芝居ね、お芝居!」
「ナンパ作戦でいいですかー?」
ちょっと気遣わしげな梢の問いに、天野は仕方なさそうに頷くのだった。
いよいよ約束の時間。
松子と話すために少し早く来ていたいいなは、松子の姿を認めると、まずはパッキーを差し出した。
「……パッキー、喰わぬか? あ、イヤ、奇人や変人の類ではないぞ」
普通は小柄な少女が近づいてきたとしても、誰もいかがわしい目的があって近づいて来たなどと連想しないのであるが。
緊張している いいなは、考え及ばない。
「あら、面白い子ね?」
松子が拒絶しないので、いいなはおずおずと、平助宛の請求書を松子に示す。
「お主の彼氏に用があって来たのじゃ……ここで待たせて貰っても良いかの?」
「請求書……『うさぎ屋』さん? 何かしら、値段は大したことないわね。あいつまた何かやらかしたの?」
こくりと頷き、いいなは事の経緯を説明した。
「……ちと、聞いても良いか? 何故、お主等は付きおうておるのじゃ? 先日も怒っておった割には、今もこうして待ち続けておるし……」
食い入るように尋ねるいいなに、松子は首を傾げる。
「あ、いや、興味本位ではないのじゃ。儂は……ちぃとばかり男性が苦手なのじゃよ……じゃからの、付きおうてる者に聞いてみたくなったのじゃ」
「ああ、なるほどね。参考になるかわからないけど、私と平助はネットで知り合ったのよ」
「ネット?」
「そう。ネットって、相手の性別わからないでしょう? だから他愛もない話をしているうちに仲良くなって、お互いに会おうってことになった時も、私は平助のこと、女の子だと思ってたのよね。しかも――」
平助は松子を男性だと思っていたらしい。
「先入観がなかったせいなのかしらね? 意気投合しちゃって、そのまま付き合うことになっちゃった」
からからと笑う松子の前で、いいなは口をぽかんと開けてしまうのだった。
黒子も松子を待っていた一人だった。
もれいびを憎悪する彼女は、松子が平助と恋人であることをあくまで認めようとしない。
腰を揺らして近づいてくると、立ち塞がり“幸運”と刺青された舌を見せ付けた。
「俺は幸運だな……早くに平助に付く悪い虫を、見つけられたのだから」
黒子のろっこん『ラクシュミーの寵愛』は、「俺は幸運だ」と宣言し刺青の入った舌を出すことで、彼女自身に奇跡と呼べる幸運を引き起こす。もっともその代償に、後日同等の不幸に見舞われるのであるが……。
「あ、あなた誰?」
「俺か? 俺は……そうだな……平助のガールフレンドだった奴さ」
自信たっぷりに言い放つ黒子に、松子の表情が凍りつく。
「嘘! 元カノなんて、聞いたことないわ……」
「アハハ、嘘だと思うなら後で平助に聞いてみろよ! で。単刀直入にさ……あんた平助と別れてくれない? あんたみたいな気持ち悪い奴は、平助には相応しくねぇンだよ!」
思いがけない黒子の出現に、松子のそばにいた者達は皆、彼女に目を奪われていた。
だから――。
「黒子ちゃん! 黒子ちゃんだろう? 病気は治ったんだね、良かった!!」
やって来た平助が、黒子を後ろから抱きしめるのを。
松子を含めて、全員が。ただ呆然と見守ってしまったのだった。
「なっ!? 平助?」
「ごめんね、黒子ちゃん。あの日、俺、待ち合わせに遅刻して……黒子ちゃん、怒って帰っちゃったんだよね? ずっとずっと謝らなきゃって、気になってたんだけど。病気で入院したって言うし、あれ以来、全然連絡出来なくなったから」
2年間の空白を埋めるように、せつせつと想いを語る平助。
黒子は強張った頬を緩める。自分の手を、平助のそれに重ねた。
「いや……平助。あの日、約束の場所に行けなかったのは、俺の方なんだ」
「黒子ちゃん?」
「俺の方こそ、ずっと心配かけてごめんな」
二年の闘病生活と荒らんだ心は黒子の容姿を一変させていたが、美しさは変わらず、魅力的だ。
しかし、それでも。『ラクシュミーの寵愛』は、人の心を変えさせるようなものではない。
涙の再会から落ち着いた平助はようやく、自分を見つめる恋人の視線を思い出した。
「あ、松子……!」
「平助、あんた……どういうつもりなの?」
松子は、変身しなかった。代わりに、気丈な彼女がただはらはらと涙を落とした。
「ごめん松子、これには、深いわけが……!!」
「聞きたくないわ、触らないで!」
あわわ、どうしよう?
平助はわたわたしながら、周囲に助けを求める。梢はそれを無視して、ただ松子の背中を撫でた。
いいなも距離は取っているものの、平助をにらみ上げている。
天野は、ため息を一つ吐いた。
「そっちの彼女と、松子さん、どちらが好きか宣言したらいいんじゃないかな? 勿論、両方ともなんてあり得ないよ? どちらか一人だけ、自分で選んだらいいよ」
「平助さん、ここは男を見せるべきじゃないでしょうか……?」
士も勧めた。他の者も頷いた。
「俺は……」
士が深く息を吸い込み、指を3回鳴らす。
ろっこん『天の救い』で吹いた風が、平助の背中をそっと押した。
<< もどる
1
2
3
4
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
走れ平助!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
メシータ
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2013年02月08日
参加申し込みの期限
2013年02月15日 11時00分
アクション投稿の期限
2013年02月15日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!