星の降りしきる夜に｜リアクション

星の降りしきる夜に

〔銀河鉄道３３３系〕

【星が繋ぐ距離（三）】

　そうして、電車内に二人が戻るとそれからほどなくして、銀河鉄道は月面停車場を発ち、再び星の海を地球に向けて走り出しました。
　二人は行きに比べてやや言葉少なに、ただ静かに並んで窓の外の星を眺めています。
　アレンくんは悩んでいました。
（……ほんとおかしーっすね。俺はどうしてあんなにマジでかぐや姫にキレちまったんすかね……）
　さきほどかぐや姫（♂）がイーリスさんに近づこうとしたとき、何故かカッと頭に血が昇ってしまいました。あそこまで怒るようなことではなかったはずなのに。
　それにさっきとっさに握ってしまった先輩の手。とても、とても温かかった。心地よい熱がそこにあった。
（これはどういうことなんすかね、イーリス先輩？）
　ちらと窓の外の星を見るイーリスさんの横顔に心の中で問いかけてみるも答えなどやはり返ってくるはずもなく。
（はぁ……）
　と、悩ましい溜め息を吐いて、アレンくんは再び深い思考の渦にはまっていきます。

　イーリスさんは星の海をぼんやりと眺めていました。
（不思議な事がたくさんで楽しいな）
　ふと隣に座るアレンくんの横顔を見ると、彼はさきほどから何かに思い悩んでいる様子。
　イーリスさんはふっと息を漏らして笑うと窓の外の星を見て言いました。
「不思議だよね。見えている星は生きていることもあればもう死んでいて光だけが宇宙を漂っていることもある。この『星』はどちらなんだろう？」
　それは聞こえるか聞こえないかギリギリの小さな問いかけの言葉。
　答えなんてなくてもいい。
　と、イーリスさんは思っていました。
（こうして一緒に居て、私のことを少しでも考えてくれるなら、ね）

　そして銀河鉄道は二人を乗せて、ゆっくりと現実の世界へ戻っていきます。

　もちろん二人の様々な思い出はしっかりとその記憶の中にとどめたままで。

Fin.

このページにイラストを設定する

あとがき

担当マスター：水月鏡花
ファンレターはマスターページから！

というわけで、みなさんご乗車ありがとうございました。
『星の降りしきる夜に』、これにて閉幕です。

さて、今回はほのぼのストーリィになるはずとガイドで書いた記憶がありますが。。。

すいません、ほのぼの詐欺でしたッ（平身低頭

いや、ＰＬの皆様のアクションで予想もしない方向に転がるのがＰＢＷのＭＳの醍醐味とはいえ、ここまで予想や制御がしきれないのは『正直、マスタとしてどうなの？』と思いました。
たぶんところどころほのぼのなので赦してください。
次はもっとちゃんと考えて書きます。でもたぶんまたやらかします。

今回、いつになく色々とありえないことが起こりまくっていますが、ここは一つ『大丈夫、神魂の仕業だよ！』の精神で生温かくスルーしただければ幸いです。

なお、月の石や、月で撮影した写真などは消えてはいませんが、おそらく誰にも（少なくとも神魂の存在を知らない人には）信じてはもらえないものだと思われます。
また実際の月の石とは成分等異なるかもしれませんが、それも『神魂の仕業』ですのであしからずご了承ください。
いやー、神魂って便利ですね（爆

それでは今回はこのあたりで。

最後になりましたが、改めまして本シナリオにご参加頂いた皆さん、本当にありがとうございました。

またのご乗車を心よりお待ちしております。

水月鏡花

↑ページトップに戻る