this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
爆走する恋心
<< もどる
1
2
3
4
5
…
7
つぎへ >>
街中を歩いていた
相原 まゆ
に突然の風が吹き付ける。瞬間的に目を瞑り、茶色のボブの側面に手を当てた。
「え、今の風はキミ?」
目を開けると、眼前に白い半袖シャツを着た
冴木 竜司
が興奮した様子で立っていた。血走った目が、まゆの全身を何度も往復する。
「な、なによ。あたしの格好がヘンとでもいうつもり」
まゆは胸を守るように腕を交差させた。瞬間、竜司は我に返った。頭がもげる勢いで左右に振ると、荒い息で詰め寄った。
「とんでもない誤解ですよ! いつものスーツのギャップもいいですが、今日のまゆ先生の黒いチュニックに濃紺のパンツ姿は違った魅力が全開で素敵です!」
「そんなに褒めなくても……ちょっと待って、スーツのギャップってなによ」
竜司は深々と頭を下げると、その姿で右手をまゆに差し出した。
「そんな貴女にフォーリンラブです! 結婚してください!!」
「はいはい、またそれね。来世になったら考えるわね」
「現世じゃなくて来世だなんて、どいひー!?」
竜司は頭を両腕で抱えてしゃがみ込む。それとなく人目が集まってきた。まゆはキョロキョロと目を動かして、ちょっと、と小声で言った。反応がないので諦めにも似た溜息を吐いた。
「今日は買い物にきたんだけど、予定よりも荷物が多くなるかもしれないのよね。誰か手伝ってくれないかなー、なんてね」
「荷物持ちとしてこき使ってください! どこまでも付いていきますよ!」
発条仕掛けの人形のように竜司は撥ね跳んだ。
「えーっと、ありがとう。でも、その言葉を聞くと、なんかストーカーっぽいわね」
「微妙にけなされているような、だけど嬉しいです! お供しますよ!」
竜司は腕を曲げて力瘤を作って見せた。
まゆの案内で店に到着した。竜司はショーウインドウに飾られたジャケットの数々に目を見張る。機能性とデザイン性に優れた逸品で溢れていた。
「まゆ先生、ここはスポーツ用品店ですか?」
「そうよ、かなり大規模で前から気にはなってたのよ」
まゆは竜司と並んでショーウインドウに熱い視線を注ぐ。
「それにしても凄い量ですね。陸上のスパイクに、あれは水泳用具ですよね」
「そうよ、最新のゴーグルもあるわね。曇り止めスプレーを補充しようかしら」
自然な会話が続く中、竜司はそっと握り拳を作った。良い雰囲気を保ったまま、二人は店の中に入っていった。
「あー、あのトレーナー、自主練の時に使えるよね。こっちにはシューズもあるし、どこから見たらいいのよー」
まゆは方々に目を向けて、定めた一方に走り出した。はしゃぐ子供のような姿に竜司の頬は緩みっ放しであった。
「なんて愛らしいんだ。あんなに幼いのにプルンプルンって。幸せすぎてお花畑が見える……」
竜司はふらふらとした足取りで付いていった。
まゆは買い物カゴを手に店内を走り回る。興味のある物を手にすると、考える間も惜しんでカゴに入れた。
「まゆ先生、このシャツはどうですか。保温性に優れた特殊素材で出来てるらしいですよ」
「ちょっと見せてよ」
まゆは竜司からシャツを受け取った。軽いわね、と口にして生地の伸縮性を試す。
「悪くないわ」
「そうでしょう! まゆ先生が着たら絶対に似合いますよ!」
力説する竜司の顔をじっと見る。何かに気付いたのか。まゆはシャツを広げた状態で天井に掲げた。
「下着が透けそうなくらいに薄いよね、このシャツ」
「え、いや、それはどうかな」
激しく目が泳ぐ竜司にシャツを手渡すと、まゆはにっこり微笑んだ。
「身の危険を感じるから返してきてね」
「俺のささやかな希望が~、どいひー!?」
目頭を押さえる仕草も交えて竜司はまゆとの買い物を楽しんだ。カゴは一つから二つになり、更に増えて二人で分担して持った。
レジで会計を済ませると四つの袋となった。
「ここからは俺に任せてください!」
竜司は破裂寸前の袋を両手で提げた。湛えていた笑みが急にぎこちなくなる。店を出て少し歩くと、顔色まで変わってきた。高熱に侵されたような赤さにまゆが不安げな顔で話し掛けた。
「重いなら無理しなくてもいいのよ? あたしだって体育科の教師なんだから、そこそこの力はあるわよ」
「全然、重くないですよ! まゆ先生を愛する熱い気持ちが、俺に絶大な力を与えてくれるんだ!!」
想いを叫ぶことで、ろっこんの『性春パワー!』が発動した。重そうに提げていた袋を鳥の羽ばたきのように軽やかに動かす。見る間に顔色も良くなり、ただの強がりではないことを証明した。
感心を通り越した呆れ顔でまゆは口にした。
「すごいわね」
「愛の力ですよ! それより、まゆ先生の方が買い物で疲れたんじゃないですか。少し寄って行きませんか。今日は俺が奢りますよ!」
竜司は袋を持った状態でオープンテラスのカフェを指差した。
「なんで年下のキミに奢られないといけないのよ。立ち寄るなら割り勘よ」
「割り勘でいいです! さあ、行きましょう!」
すんなりと折れた竜司にまゆは納得のいかない顔で付き合った。
道寄りの白いテーブルに二人は向き合って座る。メニュー表を開いて眺めていると、流れるような動きでウエイターが水を運んできた。各々の注文を聞くと、軽く頭を下げて戻っていった。
「まゆ先生、デミタスコーヒーなんて飲めるんですか」
「よく飲むわよ。少し背は低いけど、あたしは立派な大人の女性だからね」
「確かに立派なものを持っていますよね!」
「どこ見て言ってんのよ」
まゆは両腕で胸を挟み込む。一部が押し出されて柔らかい膨らみを強調させた。
「ご褒美をありがとうございます!」
「なにわけわかんないこと言ってんのよー」
賑やかな会話を交わしている間に二人の前には両極端な品が届けられた。
薄い水色の容器に入ったバニラを竜司はスプーンで食べた。
「ミントの良い香りがする。まゆ先生のはどうですか」
「たぶん、いつものデミタスよね」
まゆは小さなカップを持ち上げた。匂うように小鼻をヒクヒクさせる。尖った唇を縁に付けると、ゆっくりと傾けていった。
一瞬で表情が強張る。カップを急いでテーブルに置いて傍らの水を飲んだ。
「バニラは俺がちょっと齧ったんで、これを舐めますか」
竜司は飴玉の包みを差し出した。ミルク味のニャルキーであった。
「……貰うわよ」
拗ねたような口調で受け取ると、ポイッと口の中に放り込んだ。頬の一部をぷっくりと膨らませてカップの中身を口にする。美味しいわ、とまゆは素直に喜んだ。
「大好きなまゆ先生に喜んで貰えて俺も嬉しいです!」
「……ありがと。でも、なんであたしのことが、そんなに好きなのよ」
まゆはカップをテーブルに置いた。竜司の目が一段と優しくなる。
「俺が陸上で挫けそうになった時に、まゆ先生は太陽のような笑顔で言ってくれました。『大切な夢を諦めないで。頑張ればきっとその努力は報われるから。先生も応援するよ、キミの夢』って」
「え、ああー、そんなこともあったよね」
まゆは照れ臭そうな表情で言葉を返した。
「俺、本当に嬉しかったんです。ありがとうございました。今でもまゆ先生は俺の大切な恩師で、愛しい人ですよ」
「そ、そう、恩師よね、恩師! キミが志望した先生にも努力すればなれるわよ。報われない努力なんてないからね」
落ち着きを欠いた手が水を取ろうとした。近くにあったカップに肘が当たり、横倒しとなった。瞬く間に黒い液体がテーブル上に広がる。
「まゆ先生、大丈夫ですか!」
竜司は立ち上がると同時に胸ポケットからハンカチを取り出した。
「熱くないから大丈夫よ」
「でも、染みになります」
まゆの太腿の辺りに黒い飛沫が見て取れる。竜司はハンカチをコップの水に浸して中腰になり、ズボンの黒い部分に押し当てた。繰り返すことで染みは次第に薄れていった。
そこに怒号に近い声が飛んできた。
「お触り厳禁だ、こぉの、ファッキン愚弟があああああ!!」
「げぇ、姉貴!?」
飛んできたのは声だけではなかった。白虎はドロップキックの姿で宙にいた。咄嗟に頭部を庇う竜司の両腕に重い蹴りが打ち込まれた。勢いの相殺は叶わずに背中から倒れ、どいひー!? と声を上げて転がった。
無様な格好を晒す竜司に白虎は容赦のない言葉を浴びせる。
「なぁに、私のまゆっちに気安く近づいてるんだ! まゆっちが穢れるだろうが!」
「あたしがうっかりコーヒーを零したのが悪かったのよ」
「わかってるわ、まゆっち!」
まゆの手を白虎は両手で握り締める。
「愚弟を庇っているのよね。まゆっちは今日も妖精みたいに可愛らしくて、心まで澄み切っていて、たまらないわ」
「ちょ、ちょっと顔が近いよー」
まゆは足をバタバタとさせて顔を背ける。白虎の猛烈なアタックで座っていたイスが横に傾いた。
「今、決めた! まゆっち、それにつくしちゃん、私の嫁になって!」
「あなたまで何を言い出すのよー」
そこにつくしが静々と現れて、軽く手を上げた。
「シロさんのお気持ちはありがたいですが、謹んでお断りします」
「えー、なんでよ」
白虎の意識がつくしに移った瞬間、まゆは握られていた手を振り払って難を逃れた。
「あなた達、姉弟はどうなってるのよ。つくしちゃんよね。こんな風になってはダメよ」
つくしはまゆを見た。主に胸を中心に青白く燃えるような双眸を向ける。両手は自然に上がって鉤爪となった。
「あのー、つくしちゃん?」
「……大きい……こんな胸には勝てない……もぐしかないじゃないですか!」
「どうしてそうなるのよ。胸なんか、大人になればいくらでも大きくなるわよー」
追い詰められたまゆを守る形で竜司が立ち塞がった。愚弟の分際でぇ、と白虎が低い声でにじり寄る。そこにつくしが飛び出した。小さな身体を屈めて精一杯の声で訴える。
「私、その人よりもお兄ちゃんの事……大好き! 愛しています!!」
「俺だってつくしちゃんのことは大好きだぜ! 妹的な意味で!!」
その瞬間、つくしは燃え尽きた。風が吹けば飛んでいきそうな抜け殻の状態に陥った。
「私のつくしちゃんを、この愚弟がぁぁ。まゆっちにも絡みやがってぇぇ」
「まゆ先生もつくしちゃんも、俺が姉貴の毒牙から守る!!」
黙って聞いていたまゆの怒りが遂に頂点に達した。赤い顔で両手をブンブンと縦に振る。
「もう、みんな来世よ! 来世になって考えるんだからー!」
二度目の宣告に竜司は涙目になって、どいひー!? と悲痛な声を上げるのだった。
「竜司はいつも通りで冷やかしも必要ないか」
少し離れたところに立っていた
旅鴉 月詠
は青いキャスケットを被り直すと、白銀に光る長い髪を振り払うようにして踵を返す。片手には相棒のスケッチブックを抱えて、ホットパンツから伸びたしなやかな足で通りを歩いていった。
<< もどる
1
2
3
4
5
…
7
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
爆走する恋心
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
オールジャンル
定員
20人
参加キャラクター数
12人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年09月29日
参加申し込みの期限
2014年10月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!