学校サボってどこいこう｜リアクション

学校サボってどこいこう

【序章】

　平日の昼の寝子島は鬱陶しいくらいに穏やかだった。
「……」
　津田亮悟は冷めた瞳で、そんな街並みを見つめていた。
（……俺はどうしてこうなんだろ？）
　内心で自嘲気味に呟く。
　衝動的に行くあてもなく学校から飛び出してしまっていた。
（このままじゃダメなのは分かってんのに……）
　時刻は昼過ぎ。まだ施設に帰るわけにはいかないし、学校になど余計に戻るわけにはいかない。
（仕方ねぇ、夕方までぶらぶらするか……）
　ふぅとため息を一つ吐き、亮悟はあてもなく街を歩き始めた。

　　　＊　＊　＊

　あるいはそれは何かの導きか。
　その日、寝子島のあちらこちらで、それは望むと望まざるとに関わらず、多くの少年少女達が学校ではないどこかで特別な時間を過ごすことになる。

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