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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
ねこじまフラッグファイター
●決勝戦
全ての予選ブロックは終了した。では改めて選ばれた４人の選手を紹介しよう。
尾鎌 蛇那伊、寝子島高等学校１年普通科５組、男性。特技はマッサージである。競技が面白そうだからと参加した彼の実力は確かなものだった。肉体の扱い方もさることながら、各種コースへの思慮も深かった。
常闇 月、寝子島高等学校１年体育科１０組、女性。小柄な体格に見合わぬ力強さは柔軟かつ身軽さと、禁欲的で慎重なその性質からくるものだ。日頃の世話になっている人への恩返しが今回の参加理由である。
御剣 刀、寝子島高等学校１年普通科１組、男性。負けを許さぬ強靭な意志の彼が追い求めしは速さの極み。今回の参加理由も誰より速くフラッグを掴み取るため。
龍目 豪、寝子島高等学校２年普通科３組、男性。常に前向きな彼の日課は探検だ。あらゆる野外活動に挑戦しては乗り越えるを繰り返してきた。参加したのは探検部の活動資金を得るためである。
彼らの根幹には共通点などない。それぞれの考えのもとに参加した。そしてそれぞれの行動をもって結果を勝ち取った。ならばその４人が戦えばいったい誰が栄光の優勝を掴み取ることができるのだろうか。
黙ってコースを見つめる４人。おもむろに口を開いたのは蛇那伊だ。
「勝っても負けてもこれが最後ね。とっても楽しかったわよ」
「まるで今から死地に向かうような言いぐさじゃないか」
刀は素直な感想を述べる。彼は黙々とアキレス腱を伸ばしていた。
「泣いても笑ってもこの勝負がすべてを決めるんですね」
深呼吸をしている月。少しでも心を落ち着かせようとしていた。
「結果なんてものは、箱を開けてみるまではわからないものさ。決勝に残った俺たちだ、誰が勝ってもおかしくない。だろ？」
豪の放った軽い言葉に皆の目つきが一斉に変わった。戦う者の目である。それぞれが同じ認識を抱いていた。
――負けたくない。
ふつふつと湧き上がる熱い気持ちに誰も嘘をつけはしなかった。
「さあさあ、熱くなるのもいいけどねぇ、決勝の時間ですよぃ。選手のみなさんは、コースに並んでくださいよぃ」
アナウンスに従って４人はゴールに背を向ける形でスタートにうつ伏せとなった。その間、互いの顔を見合うことはなかった。
張りつめた空気が流れる。時間というものがこれ程までに長く感じたのはいつぶりだろうか。
ゆっくりとスターターピストルが天高く突き上げられる。
会場に集まった観客たちが息をのんで様子を見守る。その中には予選で戦った同級生たちの姿もあった。
緊張も頂点に達した。その時、空気が破裂した。スタートの合図である。
４人が起き上がり砂を蹴った。
網を潜り始めたのは全員同時だ。予選を通過しただけあって網に苦戦する者はいない。しかしここで予選とは違う動きをする選手がいた。
月だ。彼女は予選を観察する事でより良い動きを考えたのだ。行動で力配分の不利を補うことにより他との距離を引き離されぬよう維持する。
網を抜けたのはほぼ同時だ。若干刀が１歩ほど遅れている。
駆けあがるように平均台に駆け上がる。蛇那伊が予選で見せた走法を見せる横で豪と月が着実に先を行く。刀は深呼吸で立ち止まったため距離は３歩ほど引き離された。
砂地は決勝に向けて一度整地されている。平等な勝負ができるようにとの配慮だ。
先にロングコースを走り出したのは月と豪である。可能な限り引き離そうと走る２人を追いかける２つの人影。
蛇那伊と刀だ。２人は轟々と砂を掴んで走る。どちらかと言えば蹴っているという表現が正しい。
月も豪も当然振り返る余裕なんてない。追い抜かれたと気付いたのは２人の姿が前にあったからだ。
蛇那伊は砂地との相性を考えていた。それに加え彼には肉体に対する理解力もある。それが結果となった。
刀も同様に砂地との相性を考えている。どう走れば速いか。どう足を動かせば速いか。だがそれ以上に彼はこのロングコースにすべてを賭けていた。だからこそ刀は遅れを取り戻して蛇那伊に並べた。
フラッグが目の前に迫る。蛇那伊と刀が飛び跳ねたのは同時だ。お互いぶつかり合うことをためらわない。力強く押し合いながら前へと落ちていく。
フラッグは砂の上に倒れていた。
やや遅れて月と豪が追いついた。
蛇那伊は指の感触を確かめる。だが掴めど掴めど指の隙間から砂が零れ落ちるだけだ。顔を上げて確かめる。その差わずか手１つ分。
フラッグを掴んだのは刀だった。思わぬ逆転に会場はどっと沸いた。
飛び交う拍手。飛び交う歓声。聞こえる同級生の声。その中で刀はただ黙ってフラッグを握りしめた。
砂の上であおむけになる。
「また、世界を、縮めた、か」
全力疾走ゆえに息も絶え絶えだった。
全ての予選ブロックは終了した。では改めて選ばれた４人の選手を紹介しよう。
尾鎌 蛇那伊、寝子島高等学校１年普通科５組、男性。特技はマッサージである。競技が面白そうだからと参加した彼の実力は確かなものだった。肉体の扱い方もさることながら、各種コースへの思慮も深かった。
常闇 月、寝子島高等学校１年体育科１０組、女性。小柄な体格に見合わぬ力強さは柔軟かつ身軽さと、禁欲的で慎重なその性質からくるものだ。日頃の世話になっている人への恩返しが今回の参加理由である。
御剣 刀、寝子島高等学校１年普通科１組、男性。負けを許さぬ強靭な意志の彼が追い求めしは速さの極み。今回の参加理由も誰より速くフラッグを掴み取るため。
龍目 豪、寝子島高等学校２年普通科３組、男性。常に前向きな彼の日課は探検だ。あらゆる野外活動に挑戦しては乗り越えるを繰り返してきた。参加したのは探検部の活動資金を得るためである。
彼らの根幹には共通点などない。それぞれの考えのもとに参加した。そしてそれぞれの行動をもって結果を勝ち取った。ならばその４人が戦えばいったい誰が栄光の優勝を掴み取ることができるのだろうか。
黙ってコースを見つめる４人。おもむろに口を開いたのは蛇那伊だ。
「勝っても負けてもこれが最後ね。とっても楽しかったわよ」
「まるで今から死地に向かうような言いぐさじゃないか」
刀は素直な感想を述べる。彼は黙々とアキレス腱を伸ばしていた。
「泣いても笑ってもこの勝負がすべてを決めるんですね」
深呼吸をしている月。少しでも心を落ち着かせようとしていた。
「結果なんてものは、箱を開けてみるまではわからないものさ。決勝に残った俺たちだ、誰が勝ってもおかしくない。だろ？」
豪の放った軽い言葉に皆の目つきが一斉に変わった。戦う者の目である。それぞれが同じ認識を抱いていた。
――負けたくない。
ふつふつと湧き上がる熱い気持ちに誰も嘘をつけはしなかった。
「さあさあ、熱くなるのもいいけどねぇ、決勝の時間ですよぃ。選手のみなさんは、コースに並んでくださいよぃ」
アナウンスに従って４人はゴールに背を向ける形でスタートにうつ伏せとなった。その間、互いの顔を見合うことはなかった。
張りつめた空気が流れる。時間というものがこれ程までに長く感じたのはいつぶりだろうか。
ゆっくりとスターターピストルが天高く突き上げられる。
会場に集まった観客たちが息をのんで様子を見守る。その中には予選で戦った同級生たちの姿もあった。
緊張も頂点に達した。その時、空気が破裂した。スタートの合図である。
４人が起き上がり砂を蹴った。
網を潜り始めたのは全員同時だ。予選を通過しただけあって網に苦戦する者はいない。しかしここで予選とは違う動きをする選手がいた。
月だ。彼女は予選を観察する事でより良い動きを考えたのだ。行動で力配分の不利を補うことにより他との距離を引き離されぬよう維持する。
網を抜けたのはほぼ同時だ。若干刀が１歩ほど遅れている。
駆けあがるように平均台に駆け上がる。蛇那伊が予選で見せた走法を見せる横で豪と月が着実に先を行く。刀は深呼吸で立ち止まったため距離は３歩ほど引き離された。
砂地は決勝に向けて一度整地されている。平等な勝負ができるようにとの配慮だ。
先にロングコースを走り出したのは月と豪である。可能な限り引き離そうと走る２人を追いかける２つの人影。
蛇那伊と刀だ。２人は轟々と砂を掴んで走る。どちらかと言えば蹴っているという表現が正しい。
月も豪も当然振り返る余裕なんてない。追い抜かれたと気付いたのは２人の姿が前にあったからだ。
蛇那伊は砂地との相性を考えていた。それに加え彼には肉体に対する理解力もある。それが結果となった。
刀も同様に砂地との相性を考えている。どう走れば速いか。どう足を動かせば速いか。だがそれ以上に彼はこのロングコースにすべてを賭けていた。だからこそ刀は遅れを取り戻して蛇那伊に並べた。
フラッグが目の前に迫る。蛇那伊と刀が飛び跳ねたのは同時だ。お互いぶつかり合うことをためらわない。力強く押し合いながら前へと落ちていく。
フラッグは砂の上に倒れていた。
やや遅れて月と豪が追いついた。
蛇那伊は指の感触を確かめる。だが掴めど掴めど指の隙間から砂が零れ落ちるだけだ。顔を上げて確かめる。その差わずか手１つ分。
フラッグを掴んだのは刀だった。思わぬ逆転に会場はどっと沸いた。
飛び交う拍手。飛び交う歓声。聞こえる同級生の声。その中で刀はただ黙ってフラッグを握りしめた。
砂の上であおむけになる。
「また、世界を、縮めた、か」
全力疾走ゆえに息も絶え絶えだった。
シナリオ
シナリオデータ
- 担当ゲームマスター
- シナリオタイプ（らっポ）
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- ブロンズシナリオ（100）
- グループ参加
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- 2人まで
- シナリオジャンル
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- スポーツ
- 定員
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- 20人
- 参加キャラクター数
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2014年08月24日
- 参加申し込みの期限
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- 2014年08月31日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2014年08月31日 11時00分
