ねこじまフラッグファイター｜リアクション

ねこじまフラッグファイター

●表彰
　すべてのプログラムが終了した。小中学生の部、そして一般の部の勝者が特設ステージに上がっていった。
　瑠樹と未亜、刀の３人を拍手で迎えるリッカルド町長。その顔は試合中に見せていた情熱的な顔と相反し愛に満ち溢れていた。
「おめでとう、りゅうき君、みあ君。２人の行動に私は非常に胸がうたれました。あの時の気持ちを、今後も忘れないでくださいね」
　片膝をついて同じ目線まで姿勢をおとすと町長は２つの記念旗を２人に手渡した。そして懐から取り出した２つの小さな白い封筒も手渡す。
　町長は立ち上がる。
「おめでとう、刀君。並み居る強豪の中で見た力強い動きと最後の接戦、私は忘れられません。君の活躍に私も勇気を貰いました。あらためておめでとう」
　スタッフから記念旗を受け取ると彼は刀に手渡した。懐から取り出した小さな封筒も同時に手渡す。
「では会場のみなさん、改めて、彼ら三人に祝福の拍手を送ってあげてください！」
　――。

　つまらなそうな顔で拍手をしている瓢。隙を見て奪ってやろうと考えていた商品券。それがまさか町長が直々に管理していたとは。どうりで見つからなかったはずである。
「よぉ」
　不意のＤＪからの呼びかけに瓢は拍手を止めて振り返る。　
「なんすかぃ」
「おつかれさん」
　そういって突き出される茶封筒。
「働いたものには対価が必要だ。その背景がどうあれ、俺はそう考えている」
「なんですかぃ、これ」
　その場で封筒を開けてみた。中には商店街の商品券２千円分が入っている。
「町長からだ。俺たち大半のボランティアも商品券をもらってる、だから別にやましいものじゃない」
　瓢は深く息をつく。肩から力が抜けた。脱力かもしれない。まさかあちらから商品券を渡してくるなど考えもしなかった。
　こうして寝子ヶ浜ビーチで行われたビーチフラッグス大会は大盛況で終わりを迎えた。会場のアスレチック、ならびに特設ステージがゆっくりと解体されていく。
　さてはて、優勝賞品である図書券３千円分を２人で分ける形となった瑠樹と未亜。そして商店街商品券３万円分を手にした刀。３人はこれから何を手に入れるのだろうか。

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あとがき

担当マスター： RAGING ARMS
ファンレターはマスターページから！

　ようみんな、参加してくれて俺は感謝してるぜ！
　楽しんでくれたかな？
　今回は初回ということでたっぷり校正に時間をとらせてもらったぜ。
　では審判としての立場からあとがきを記すぜ。

●審判より
　今まで数値判定をもとにいろいろと行っていたこともあって右往左往する羽目になりました。
　なので構成段階からいろいろと仕掛けを考えさせてもらったのが力・技・速です。
　砂地に対する考えがあるかどうかで評価は上下しています。
　各コースをどう攻略するか、動きやすい姿かどうかにも着目しています。
　そのほか基本データ部分もそれなりに参照しています。
　なお、ルールの穴をついたような行為は推奨していません。
　なぜならば正々堂々と行動しているユーザーが一方的に不利益を被ってしまうからです。
　もし仮に制限が明示されていないからと、みながみな好き勝手な行動をしてしまったら、どうなるでしょう。
　おそらく真面目に行動するユーザーは匙を投げてしまいます。もちろん私はそんな結末はいやです。
　ただ、ルールの穴をつく行為が全体の利益ないし自陣の利益となるのであれば、その行為は大きく扱います。
　ルールでがんじがらめとするのは、私の望む未来ではありません。
　ビーチフラッグスとある以上、水着で参加してもらいたかったというのが、本音です。

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