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- 種族
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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
デンジャラス・スリッピー・ゾーン
◇帰りも一緒に
最後の坂道をのぼり、夢月は眼前に開けた光景に息をのんだ。
「わあ……！」
星ヶ丘駅より歩くことしばらく。
突き出た埠頭の先に、ステッラ・デッラ・コリーナは立っていた。
きらびやかな外観が、太陽の光を受けてかがやく海にそのまま溶け込んでいる。
桃井の母親はこのホテルのどこかで働いているのだ。
玄関のアーチをくぐりながら、夢月はホテルの華やかな装いに目を奪われていた。
「今日も結婚式があったりするんでしょうか？ もし式をしてたら見てみたいです！」
期待する夢月だったが、桃井はううん、と首を横にふった。
「今日のお仕事は式じゃないんだって。準備と打ち合わせって言ってた」
「おっと、残念だな。……ん、ということはつまり、式の日以外でもお仕事があるんだな？」
同じく興味を示した八神が尋ねると、そうだよと桃井がうなずいた。
「しんろーしんぷさんや家族の人とうちあわせて、どのお花をブーケにするか決めてるっていってたよ」
桃井自身、仕事の段取りを全てはわかっていないのだが、
母から聞かされた仕事の中身を大雑把に説明してくれた。
「だからね、体がじょーぶじゃないとできない仕事なんだって」
「花束って結構重たいんですよねー……けっこーかさばりますし」
「そういうもん、なのか？」
赤羽には理解しづらかいらしく、首をかしげている。
屋敷野はその大変さを想像できたようだが、
お花に縁のない男子からすれば花が重いというのはピンとこない。
自分が植物の水換え当番だった時のことを思い出してみても、
そこまで重たかった記憶がないのだ。
「……ずっと持ってたら腰にきたりもするのかな」
感覚がわかりづらいのは八神も同じなようだ。
桃井がフロントで用件を伝えると、ホテルの女性係員が
少々お待ちくださいといって奥へと消えていく。
綺麗な所作に、夢月の胸は高鳴りっぱなしだ。
「ずいぶん長かったねぇ」
ここにきて言葉少なになった桃井に、曖浜が緊張をやわらげるように声をかける。
重たいバッグを抱えて電車で二駅。
もうすぐ、長い長いおつかいが終わる。
「無事にこれてよかったな、かんな」
赤羽が壁によりかかり、桃井をねぎらう。
「さて……このまま帰りも家まで送るぜ。重たいんならそのバッグも持とうか？」
「別にそこまでしてもらわなくても平気だもん」
疲れと緊張のせいか、桃井はご機嫌ナナメのようだ。
「バッグだって持てるもん。ちゃんとひとりで帰れるもんっ」
ここまで同行してもらったことはありがたくても、素直に感謝を言い表せずにいた。
機嫌の悪そうなのを見てとり、夢月がそばへと歩みよった。
「送るんじゃなくて、一緒に帰りませんか？ ここまで楽しかったし、帰り道もみんなと一緒にいたいです！」
つれない態度の桃井だが、ハッキリ意志を口に出されると弱い。
「帰り道がつるつるしてても、皆一緒なら何とかなるよねぇ」
曖浜のおおらかで間延びした言葉を聞くうちに、
桃井自身ももう、意地をはらなくてもいいように思えてきた。
いや、意地をはるだけ損というべきか。
「……そうだね。皆で一緒に帰ろう」
桃井はふだんのクールな口調に戻り、そしてこうも言った。
「でも、最後だから書類は私が持つね」
これでおつかいは終わりだから、と。
やがて、ラウンジの奥から一人の女性があらわれた。
桃井はしばらく無言で突っ立っていたが、痛む足でよろよろと歩み寄る。
道中を共にした４人が見守る中で、桃井はゆっくりと、
大事な書類の詰まったバッグを差し出した。
最後の坂道をのぼり、夢月は眼前に開けた光景に息をのんだ。
「わあ……！」
星ヶ丘駅より歩くことしばらく。
突き出た埠頭の先に、ステッラ・デッラ・コリーナは立っていた。
きらびやかな外観が、太陽の光を受けてかがやく海にそのまま溶け込んでいる。
桃井の母親はこのホテルのどこかで働いているのだ。
玄関のアーチをくぐりながら、夢月はホテルの華やかな装いに目を奪われていた。
「今日も結婚式があったりするんでしょうか？ もし式をしてたら見てみたいです！」
期待する夢月だったが、桃井はううん、と首を横にふった。
「今日のお仕事は式じゃないんだって。準備と打ち合わせって言ってた」
「おっと、残念だな。……ん、ということはつまり、式の日以外でもお仕事があるんだな？」
同じく興味を示した八神が尋ねると、そうだよと桃井がうなずいた。
「しんろーしんぷさんや家族の人とうちあわせて、どのお花をブーケにするか決めてるっていってたよ」
桃井自身、仕事の段取りを全てはわかっていないのだが、
母から聞かされた仕事の中身を大雑把に説明してくれた。
「だからね、体がじょーぶじゃないとできない仕事なんだって」
「花束って結構重たいんですよねー……けっこーかさばりますし」
「そういうもん、なのか？」
赤羽には理解しづらかいらしく、首をかしげている。
屋敷野はその大変さを想像できたようだが、
お花に縁のない男子からすれば花が重いというのはピンとこない。
自分が植物の水換え当番だった時のことを思い出してみても、
そこまで重たかった記憶がないのだ。
「……ずっと持ってたら腰にきたりもするのかな」
感覚がわかりづらいのは八神も同じなようだ。
桃井がフロントで用件を伝えると、ホテルの女性係員が
少々お待ちくださいといって奥へと消えていく。
綺麗な所作に、夢月の胸は高鳴りっぱなしだ。
「ずいぶん長かったねぇ」
ここにきて言葉少なになった桃井に、曖浜が緊張をやわらげるように声をかける。
重たいバッグを抱えて電車で二駅。
もうすぐ、長い長いおつかいが終わる。
「無事にこれてよかったな、かんな」
赤羽が壁によりかかり、桃井をねぎらう。
「さて……このまま帰りも家まで送るぜ。重たいんならそのバッグも持とうか？」
「別にそこまでしてもらわなくても平気だもん」
疲れと緊張のせいか、桃井はご機嫌ナナメのようだ。
「バッグだって持てるもん。ちゃんとひとりで帰れるもんっ」
ここまで同行してもらったことはありがたくても、素直に感謝を言い表せずにいた。
機嫌の悪そうなのを見てとり、夢月がそばへと歩みよった。
「送るんじゃなくて、一緒に帰りませんか？ ここまで楽しかったし、帰り道もみんなと一緒にいたいです！」
つれない態度の桃井だが、ハッキリ意志を口に出されると弱い。
「帰り道がつるつるしてても、皆一緒なら何とかなるよねぇ」
曖浜のおおらかで間延びした言葉を聞くうちに、
桃井自身ももう、意地をはらなくてもいいように思えてきた。
いや、意地をはるだけ損というべきか。
「……そうだね。皆で一緒に帰ろう」
桃井はふだんのクールな口調に戻り、そしてこうも言った。
「でも、最後だから書類は私が持つね」
これでおつかいは終わりだから、と。
やがて、ラウンジの奥から一人の女性があらわれた。
桃井はしばらく無言で突っ立っていたが、痛む足でよろよろと歩み寄る。
道中を共にした４人が見守る中で、桃井はゆっくりと、
大事な書類の詰まったバッグを差し出した。
あとがき
担当マスター：
詩帆ミチル
ファンレターはマスターページから！
大変長らくお待たせいたしました、
「デンジャラス・スリッピー・ゾーン」のリアクションをお届けします！
公開前の時点でどちらに転がっていくか先の読めない話でしたが、
皆様の素敵なアクションのおかげで表情豊かなお話になったと思います。
諸々の都合で泣く泣くカットしたシーンもあるのですが、
もっとがっつり書きたかったです……力及ばず、ゴメンナサイ！
またNPCの桃井 かんなに関しましても、
皆様のご助力によりおつかい達成のハッピーエンドと相なりました。
思ったよりも人助けと会話中心のアクションが多かったため、
可能な限りシナリオ中で絡みやアドリブを盛り込んであります。
至らなかった点もあるかと思いますが、
ご参加いただいたこの物語、お楽しみいただけましたら光栄です。
このたびはご参加いただき、ありがとうございました！
詩帆ミチル 拝
「デンジャラス・スリッピー・ゾーン」のリアクションをお届けします！
公開前の時点でどちらに転がっていくか先の読めない話でしたが、
皆様の素敵なアクションのおかげで表情豊かなお話になったと思います。
諸々の都合で泣く泣くカットしたシーンもあるのですが、
もっとがっつり書きたかったです……力及ばず、ゴメンナサイ！
またNPCの桃井 かんなに関しましても、
皆様のご助力によりおつかい達成のハッピーエンドと相なりました。
思ったよりも人助けと会話中心のアクションが多かったため、
可能な限りシナリオ中で絡みやアドリブを盛り込んであります。
至らなかった点もあるかと思いますが、
ご参加いただいたこの物語、お楽しみいただけましたら光栄です。
このたびはご参加いただき、ありがとうございました！
詩帆ミチル 拝
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
-
- 2014年08月15日
- 参加申し込みの期限
-
- 2014年08月22日 11時00分
- アクション投稿の期限
-
- 2014年08月22日 11時00分
