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拙者、モテモテでござるの巻
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chapter.10 笑う門には
美和と萩ノ助、そしてくノ一たち。
彼らが起こした一連の騒動の詳細と萩ノ助の考えを聞いた円は、たまらず彼に話しかけた。
「お兄さんにとっては、みんなと付き合うっていうのは冗談なのかもしれないけど……あの4人の中には、本気で悩んで、行動してる子もいたと思う」
冗談じゃ、と言いかけた萩ノ助の口を制し、円が続ける。
「その思いを見て見ぬ振りして現状を維持するような真似は、なんていうか」
言葉を選ぼうとする。あの、くノ一の子たちの顔を思い浮かべる。そして円は、真っ直ぐ萩ノ助を見つめて言った。
「お兄さんが、自分自身すら大切にしてない、そんな気がするかなぁ」
好きな人にいいところを見せたい。
振り向いてほしい。
だから頑張る、その気持ちは円にだって理解できる。理解できてしまう。そのことが、ちょっとだけ悲しかった。
それらの一切を見ないふりしているかのような萩ノ助の振る舞いも。
「……」
萩ノ助は、自分よりも一回り以上年が離れているであろう少女からこれほど混じり気のない思いを伝えられたことに面食らったのか、ただ黙っていた。
一方で涙を浮かべている美和には、デネボラ……もとい、いいなが語りかけていた。
「こんな時になんだけど……占いでもやってみる?」
「えぐっ……占い……?」
赤くなった目でいいなを見つめる美和。なんでも、いいなは自分が働いている店で手相占いもしているらしい。もっとも、本人に言わせれば「趣味の範囲」とのことらしいが。
「ちょっと手を貸して」
言って、美和の手首を持ち上げる。
もしかしたら彼女は、占いの結果傷ついてしまった美和の心を、優しく上塗りしようとしてあげたのかもしれない。
「んー……」
美和の手のひらをじっと見つめ、何回か頷いた後、いいなは美和に告げた。
「今日の出会いは、自分を成長させる出会いみたいよ」
「自分を、成長?」
「ひとを見る目を養う……ってところかしら?」
確かに、失敗が糧となるのであれば今回の一件はこれ以上ない成長と言えるだろう。いいなは手相の結果を、そしてこの現状を受けて改めて美和に言って聞かせた。
「あのね、告ってすぐに出来た彼氏なんて、腹ふさぎに食べるお菓子みたいなモノよ。贅肉にしかならないの」
その言葉のひとつひとつが、美和の中に入っていく。
「出会いが欲しいなら、自分を変えてみるのも手かもね。手相を見た様子だと、自分の家のこととかお仕事とかで手一杯なんじゃない?」
その情報は厳密には手相ではなく学校で聞いた噂が元だったが、この際なので手相を理由にした。
「自分で変えることが出来るのは、自分の気持ちだけなの」
そう言ったいいなは、美和の手首を握っていた手を離し、握手へと手の位置を変えた。
「一緒に、強い女になりましょ」
「……うんっ」
美和は涙を拭くと、いいなの手を握った。そこに、萩ノ助が近づく。
「なんだか、ごめんね。いろいろと」
「いいえ、大丈夫です。なんか、こっちこそすいませんでした」
今度は萩ノ助が握手を求めてきて、美和もそれに応じた。そのやりとりは、互いに成長を見せたのだと思わせるものがあった。
「君の手、温かいね。お尻も触っていい?」
「ダメに決まってるじゃないですかっ!!」
バシン、と美和の手のひらが萩ノ助の頬に直撃する。どうやら成長したのは、美和だけだったようだ。
円は少し離れたところから溜息を吐き、その様子を見ているのだった。
「まったく……」
でも、今の一発ですっきりしたかもしれない。それに、自分にはこんなに世話を焼いてくれたり、心配してくれる生徒もいる。
美和は、心がすうっと晴れていくのを感じた。
そこに、新しくかかる声。
「やあ、久保田さん」
「え?」
振り向くと、そこには立樹がいた。ふたりは以前海の家でちょっとしたときめきや誤解があり、その果てに彼は妻帯者と勘違いをされるという些細なトラブルを起こしていたのだ。
「あ、えっと」
「また会えて良かった。この前の誤解を解いておきたかったんです」
普通に独身ですよ、そう伝えるついでに立樹は周りの状況を見回して、美和に言った。
「しかし、こんなに生徒に思われているなんて、久保田さんは素敵な先生なんですね」
にこっと笑う。ここで、また彼のろっこんが意識しないところで発動してしまう。この前も、トラブルになった原因はそれなのに。
笑顔を見た対象が幸せな気持ちになるこのろっこんで、美和はなんだかほんわかした気持ちになった。
「そう言ってもらえると、嬉しいです。あれ、このほわっとした気持ちは何……? まさかこれが、ときめき……!?」
「ちょっ、贅肉の話したばっかりよね!? なにすぐときめいてんの!?」
慌てていいなが横からつっこむと、美和はハッと正気を取り戻すのだった。その間立樹は自分がろっこんを発動させていたことにも気づかず、頭の上にハテナマークをただ浮かべているのだった。
「しかし、久保田先生がここまで夢中になる恋愛って、なんなんだろうな……」
彼らの会話を聞いていた刀が、ふとそんなことを口走った。
刀とて健全な男子である。
女の子が自分のことを思ってくれていると分かればそれは嬉しいに決まってるし、普段の生活の中でちょっとドキッとする女の子がいたりすることも事実だ。
恋人が欲しいかと聞かれれば首を縦にだって振るだろう。
ただ、それらはすべてぼんやりとした、モヤがかかったものであり、目の前にいる美和ほど夢中になれるとは今の自分には思えない。
「久保田先生」
刀は自分の中で湧き出た疑問にひとりでは答えを出せないと悟り、美和に話しかけた。
「ん? なにかな」
もうすっかり明るい表情を取り戻した彼女に、刀は尋ねる。
「恋愛って、なんですか?」
「ええっ? 難しいこと聞くなぁ……ていうか今の私にそれ聞いちゃう?」
美和は僅かに眉尻を下げ、苦笑しつつも刀に返事をした。
「たぶんそれは、いくら考えてもずっと分からないものじゃないかな。そして、分かりたいと思うからこそ、恋をたくさんしていくんだと思ってる」
「俺も先生も、これからまだまだ勉強が必要だってことですね」
やっぱり、すぐに答えは出ないか。
刀はそれが分かって、落胆よりも期待の方が大きい自分に気づいた。まだ知り得ないことがあるということは、成長できる種がそこにあるということだからだ。
「もしよかったら、これから色々と教えてください」
頭を下げ、刀が言うと美和は笑った。
「あはは、私に教えられることなんてないけどね。逆に、男の人の気持ちが知りたいくらいだし」
「じゃあ、俺も先生の印象とか男目線での意見を言ったりします。お互い協力して、恋愛的な成長をしましょう!」
美和を励ましたのかもしれないし、新たな成長を遂げたい彼の本心でもあったかもしれない。あるいは両方かもしれない。
ただその実直な言葉と態度に、美和はまた笑顔がこぼれるのだった。
ちなみに。
ボロボロになったくノ一たちはどうしたかというと、主にボロボロにさせた原因、ねむると未沙を捕まえて説教していた。
「ほんと、セクハラとか最低だからね」
「確かにうちらもやりすぎたとこはあった。けどな、君らも限度があるやろ。特にそっちの女の子。書けないようなことやったらあかんで」
「はい、すいません……」
関西弁で注意されると、なんだか精神的にちょっとくるものがある。未沙は大人しく反省していた。
「あと、そっちの君。なんで後ろからタックルとかしたの」
「いや、あの時は実はGPS発信器を仕込もうと思って……」
「セクハラよりたち悪いな! そういうの犯罪だからね普通に!」
「反省したら、帰って良いです」
「……はい」
ねむると未沙はこってりと絞られ、ミュージアムを後にした。
帰り際、出入り口のところでねむるを待っていたのは梢だった。
「大変だったみたいですねー」
「なんか今日の僕、損な役回りばっかりじゃなかった? まるでストーカーっぽい感じの」
「まるで、じゃなくてストーカーでしたよ、立派な」
「えっ、ちょっと屋敷野さんまで」
「冗談です、冗談」
小さく笑う梢。後ろからは、今日の騒動に関わった者たちの賑やかな声が聞こえてくる。彼らもここを後にするのだろう。
「この後、みんなでラーメン食べに行きたいアル! もちろん先生のおごりで!」
「えー、なんで私のおごりなの!? でもまあいっか。君たちには今回助けてもらったしね」
華菜子の声だろうか。忍者ミュージアムを訪れた後に中華を食すということも少し可笑しかったが、さらに梢を吹き出させたのは、その後に続いた声だった。
「僕も、一緒に行っていいかな」
「萩ノ助様が行くなら、あたしたちも行く!」
思わず振り返る梢。そこには、真っ直ぐに手を挙げている萩ノ助とくノ一たちの姿があった。
「……ていうか」
今日一日、ずっと思っていながらも我慢していたことだったが、とうとう堪えきれなくなり梢は彼らへ大声で言った。
「忍者なら、ちゃんと忍んでください!」
彼らは夕暮れの空に向かってこれでもかと伸ばした手を恥ずかしそうに引っ込めると、顔を見合わせ照れ笑いをしてみせた。
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あとがき
担当マスター:
萩栄一
ファンレターはマスターページから!
萩栄一です。
今回のシナリオに参加していただき、ありがとうございました。
シナリオガイドを出した時点では割とコメディ全開で書こうかなあ、と思っていました。
ところがいざアクションをまとめてリアクションにしてみると、
思っていたよりほのぼの成分が増えていました。
ほのぼの成分ありますよねおそらく。そのあたりの判断は各々に任せたいと思います。
アクションの集まり方次第でテイストが変わる、というリアクション執筆の醍醐味が味わえて楽しかったです。
参加してくださった方々のアクションのお陰です。ありがとうございます。
もちろん、コメディタッチなアクションを送っていただいた方のパートは、
遠慮なくそのような色で書かせていただきました。
言うまでもなく、こちらの方も楽しく書くことが出来ました。
なお、アクションに対する意見などを、
個別コメントで何人かの方に送らせていただきました。
それでは、また次回のシナリオでお会いできることを楽しみにしています。
長文に付き合っていただき、ありがとうございました。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
萩栄一
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ★(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
バトル
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年10月23日
参加申し込みの期限
2014年10月30日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年10月30日 11時00分
参加キャラクター一覧
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