モテモテ呪いを解け！　キャッキャウフフな悪夢の一日｜リアクション

モテモテ呪いを解け！　キャッキャウフフな悪夢の一日

【どっきり、うふふな身代わり作戦】

（サイクリングしてたら桃原を見かけた……突然！　愛しくなった）
「あ　り　え　ん！」
「叫びつつ、こっち来ないで！」
　さて、その頃空音はというと、たまたま合流した八神修から逃れようと必死に逃亡を続けていたが、いかんせん相手はサイクリングしていたので、相手の方が早い。
　しかし、空音は時には路地のゴミ箱や、塀を利用して逃げる。
　なお、ステルスモードで士も追跡しており、さらにどんどん追跡者が増えてきているこの状況であった。
「こっち、こっちに走って！」
「！？　みゆきちゃん！」
（どうやら、女の子は大丈夫みたい！）
　みゆきに誘導されつつ、進路を変える空音。
「こっち、行き止まりだよ！」
　路地の行き止まりで立ち往生する空音。
「大丈夫……」
　塀の上にいる蛇那伊がまずはみゆきを引っ張り上げる。
「オカマくん！」
「ふふふ、マイハートを取り戻したあたしは、あたし！　我に秘策ありよ！　一度言ってみたかったのよね、この台詞」
　空音が、驚いたように声を上げる。
「「「まてまて～～！」」」
　そうこうしているうちに、下心、広樹、竜司の三人が最初に追いついた。
「さ、こっちへ」
「うん！」
　空音も、同じく塀に引っ張り上げて反対側にそのまま下ろす。
　三人は十分に引きつけられる格好になった。
「……さぁ、あたしの時間よ！」
　ごうっと塀から蛇那伊は飛び降りると、逆に三人を路地に閉じ込める形で封鎖してしまう。
　狩るものと、狩られるものが逆転した瞬間であった。
「……あぁ、行ってしまう！」
「その乳尻太もも見せて揉ませて触らせて、もっとエロい事させて下さい！もっと！」
「何を言う、こっちが触るんだ！」
　広樹、下心、竜司が自分らが逆に路地に追い詰められたことに気づかずに、向こう側に降り立つ空音を無理矢理追いかけようとするが、三人まとめでふとましい腕が抱きしめる。
「「「えっ……？」」」
「そんなに触りたいなら、あたしのを触らせてあ・げ・る」
　ギュイーンと蛇那伊の目が光ったように見える。
　そして、抱きしめられた三人は脱出しようともがくが、それぞれが組んずほぐれつで、それぞれが邪魔し合っていてうまくいかない。
「さぁ、めくるめくしっぽりタイムといくわよぉぉぉぉぉ！」
　寝子島の空は、今日も青い。
　彼らは、逃れることが……できたのだろうか、いや、できたに違いない。そう祈ろうではないか。