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子猫にリボンを!
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噴水脇のベンチに腰を下ろし、
万条 幸次
は感心したような顔で茂みのほうを眺めていた。
「はー、なんか楽しそうな奴らがいるなー。ホント、この学校って個性豊かな奴らが多い……って、そうじゃなくって!」
大げさに腕を振りながら行進していく女子二人を見ながら、寝子高の懐の広さを思って遠くを見る。しかし日向ぼっこをしながら人間観察をするために中庭にいるわけではないと思い出し、万条は恨めしそうに傍らで箱座りしている目を閉じている飼い猫、花遊を見下ろした。
起こすつもりで強めに撫でても、柔らかなその感触が動く気配はない。
「なぁ花遊? 人助けっていいことだと思わないか? 感謝もされるし、今回なら子猫とも会える。お前だって子分を作れる機会だ。だろ?」
問いかけたところで、目蓋すら震えない。それに焦れた様子で、万条はベンチから降りて花遊に縋り付いた。
「花遊ー! 起きろ、猫じゃないと入れないところを探してくれよー!!」
しかし、やはり飼い猫は無視したまま動こうとはしない。その代わりかのように、長い尻尾がパシンと音を立ててベンチを叩いた。
猫が不機嫌な時の仕草。つまり昼寝の邪魔をするなと言いたいのだろうか。
そのあまりの非協力さ加減に業を煮やし、万条は立腹した様子で再度ベンチに座り直した。
「あぁ分かった、そういうつもりならもう頼まない! けど、体は動かしてもらうからな!!」
鼻息も荒く腕を組み、目を閉じる。
それからおよそ三秒ほどしか経たぬ間に、万条の首が脱力して傾いた。
代わって、今まで頑として動こうとしなかった花遊がのっそりと動き出す。
―― こいつ、やっぱり眠いわけじゃなかったな……。はぁ。父性に乏しいのかなぁ……。
パチパチと大きく目を瞬き、悲しげに耳を垂れる。
花遊の体には、ろっこんを使用して憑依した万条の精神が入っていた。
猫の視界で世界を見ると、普段感じているよりもずっとすべてが広く大きい。憑依するたびに実感する広大さを目にすると、やがて些細なことなど気にもならなくなってきたのか、猫は大きく息を吐いた。
―― なんて言ってもなぁ、仕方ないか。んー、まずは校舎まわりの狭いところを……んん?
ひくりと鼻を動かし、芳しい匂いを感じて辺りを見回す。よくよく観察してみれば、校内に入り込んでいるノラ猫達はこぞって同じ方向へと歩いていた。
―― 煮干しと……あ、これってマタタビの匂いか。
なんでこんなに猫が好きな匂いが充満しているんだと訝しむも、これだけ猫が惹かれているのならば子猫も同じかと考えて足を向けてみた。
猫達は南校舎の東側にある、少し区切られた芝生へと進んでいく。その先を植え込みの中から覗いて見れば、散乱する煮干しとマタタビの中心には白衣が敷かれていた。
その上に、眼鏡をしたままごろごろと転がっている女生徒がいた。
「……ん、新しい子か。そこいらのものは好きに食べてもいいが、子猫が来たら気前よく分けてやってくれ。そもそもそれは、迷子の子猫のものなんだ」
煮干しをかじりながらウトウトと睡魔に誘われている
伊賀 解理
は、近寄ってきてはマタタビや煮干しを貪っている猫達を見ながらあくびをした。
「それにしても今日はいい陽気だな……。確かに、こんないい日に校長室に閉じ込められて過ごすというのはある種の拷問だ」
空を見上げ、心地よい風に思わず目を閉じる。
集まってきた猫達はごろごろと転がりだし、酔いが回ったのか幸せそうな顔で思い思いのポーズをとっていた。
中には、独り言のように鳴いている者もいる。
「猫も千差万別……いろいろと個性があるものだな」
また一つあくびを漏らし、むずむずと唇を動かす。
夢へと誘う睡魔がもうそこまで来ているのか、伊賀は寝落ちてしまいそうになる目蓋を必死に押し上げていた。
「ダメだ、これは……危ない……。気をつけないと……僕まで……眠……」
それきり、芝生は平穏に包まれる。
猫と伊賀の静かな寝息だけが微かに響き、あとは葉掠れの音や、噴水の水音だけがほのかに聞こえていた。
その様子に、最初は呆れ顔だった万条もつられて睡魔に襲われる。
元より昼寝が趣味と言っても過言ではないのだから、この状況で眠くならないわけがなかった。
くるりと丸まり、そのまま目を閉じる。
これでは普段の行動と変わらないと自嘲しながらも、もはや睡魔に抗う術は持っていなかった。
かさりと音を立て、茂みが揺れる。
「はぁ……。この季節でも、長く動いていると汗が出ますわね。ダイエットと思えばどうということもありませんけれど、でも冰はアレだけ食べても太らないわよねぇ……本当に体の中身どうなっているのかしら?」
額に浮いた汗を拭い、名義が猫達の眠る芝生へと顔を出す。するとその一種異様な雰囲気に気付いたのか、名義は慌てて口を閉じ、別の場所を見ていた浅山の肩を叩いた。
呼ばれたことに気付いて向き直る知人に、声に出さず、芝生を指さす。
何事かと覗いた先に見えた光景に、浅山は驚いたような、それでいてとても楽しげな表情を作った。
急いでスケッチブックを取り出し、さらさらとペンを走らせる。
『そろそろ疲れてきましたし、また休憩にしませんか? 今度はここで』
ニコニコとした提案に、名義も笑顔で応じる。
「まぁ素敵。妙案ですわね」
ふふと笑い合い、眠っている猫達を起こさないように芝生の中へと進む。猫がザコ寝しているとは言っても充分なスペースがある中、二人はそろりと寝転がり、場の空気に誘われるままいつしか眠り込んでいた。
次々昼寝に耽る猫が増え、それに比例するように人数も増える。
いつしか夢宮と御鏡も野良猫を抱き込むように輪の中に加わり、そして小山内と恵御納もまた猫をじゃらして休憩を取っている内に睡魔に誘われて安らかな寝顔を見せていた。
やがて植え込みを掻き分け、髪に小枝や葉をあしらわれた上泉と瑠璃条がキョロキョロと辺りを見回す。
どこでつけたのか頬には泥がつき、探検隊のような様相を見せていた。
むしろ気持ちの上では宝を探す探検隊になっているのかもしれない。その証拠に二人口調は、普段のものとは随分と変わってしまっているようだった。
「んー? むむむ、大変であります睡蓮隊長!」
瑠璃条が軍人のような言葉遣いで声を上げれば、上泉も同じくそれに応える。
「む、どうしたベガちん隊員! 報告を要求します!」
「はっ! 前方に大規模なお昼寝集団を発見したであります! 猫ちゃんも生徒も入り乱れてのお昼寝であります! これは事件の臭いがするであります!」
「ナ、ナンダッテー!」
かなり嘘っぽい軍人言葉を駆使する瑠璃条に対し、上泉はどこかわざとらしく驚愕のポーズをとる。
近くに落ちている枯れ枝を両手に持ち、二人はカモフラージュになっていないカモフラージュで芝生に近付いた。
「おぉ……なんということでしょう……! ホントに、みんな、揃いも揃ってお昼寝を……ふわぁ」
最後まで言い切ることは出来ず、語尾はあくびにかき消される。しかし瑠璃条もその直後に出たあくびで潤んだ目をこすり、二人は眠そうな顔を見合わせた。
「……私達まで眠くなってきちゃいましたね」
「だねー。なんかさ、お昼寝してる人の傍にいると……ふあぁ。なーんか眠くなっちゃうんだよねー。なんでだろー」
へらりと笑う瑠璃条に、上泉も神妙な顔で頷く。
「ベガちん隊員。ここは仕方ありません」
「うん。こうなったら、あたし達も一緒にお昼寝して事件の本質を探ることにしようね」
揃って大きなあくびをし、のそのそと芝生に出て野良猫達に交じって昼寝の体勢へと入った。
暖かな日差しは未だ翳ることはなく、吹き抜ける風と噴水の水音がさらに睡眠欲を掻きたてる。
クラブ活動に勤しむ生徒達もまさかこんな場所で大きな昼寝会が行われているとは露ほども知らず、平穏な時間がゆっくりと流れていっていた。
ほのかな夢にまどろむ、恐らく人生で一番幸せな時間。その夢を邪魔するかのように、やがて一つの声が頭に響く音量で脳を直撃した。
【コレおーいしーい! たぁーのしぃーい!!】
まるで子供のような無邪気なはしゃぎ声に、すっかり昼寝に勤しんでいた全員が慌てて目を覚ます。
強制的に起こされた反動でほとんどが前後不覚に陥る中、伊賀だけは慌てながらもしっかりと眼鏡をかけ直し、事態把握のため周囲の状況を確認した。
見る限り、特にこれといった異変は感じられない。
あえて言うことがあるとするなら、野良猫達に交じって結構な人数が一緒に寝ていたらしいことくらいだろうか。
しかしそれでも、声の主は見当もつかない。
不思議な現象に細い眉根が寄せられる頃、眼鏡の奥の瞳がなにかを見つけてパチパチと瞬いた。
「おや。随分な格好で眠ってしまっている」
レジャーシート代わりに敷いた白衣の袖に縋り付くように、体毛の薄い腹を見せて白い子猫が眠り込んでいた。
その耳と鼻、そして腹は、普段から綺麗な桃色を見せているのだろう。しかし今はそれよりも若干色が濃く、朱色に染まった皮膚が白い毛の向こう側から覗いていた。
子猫の口の端には、マタタビの実が挟まっている。
「……マタタビ、やはり子猫にはまだ早かったかな」
小さな反省の言を漏らし、白衣で包んで抱き上げる。
「えぇと、僕と昼寝を楽しんでいた生徒諸君。もし子猫を探しに来ていたのだったらもう心配はいらない。たった今、僕らと共に眠っていた白猫を保護した。あとは校長室へと届けるだけだ」
静かにはっきりとなされた捕獲宣言に、場に寝ぼけ眼のまばらな拍手が起こる。ただその音で近くに人がいることを改めて認識し、それぞれが少し恥じ入った様子で紅潮し、照れ隠しに愛想笑いを振りまいた。
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担当ゲームマスター
井之上
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年11月28日
参加申し込みの期限
2012年12月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2012年12月05日 11時00分
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