this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
子猫にリボンを!
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
つぎへ >>
中庭は放課後だというのに、暖かな陽射しの差し込む春の日和に恵まれていた。
つい先日まで肌を裂くような風が通り過ぎていたとも思えない。さすがに夜ともなればその冷たさは未だ身を凍えさせるものの、陽の射すこの時間は、もう分厚いコートなど必要ないほどに充分な温もりに満ちていた。
学食の芳しい残り香と、噴水の清かな水音が楽しめるベンチ。そこで、子猫捜索に疲れて一時の休憩を取っている
名義 輝
と
浅山 小淋
は腰を落ち着けて談笑に耽っていた。
「それで冰ったら、そのまま机で眠ってしまって。おかげで髪がほつれて、梳くのが大変でしたの。あの子、お料理以外には本当に関心が薄いようで……。もちろん、洸ほどではありませんけれど」
名義が片頬に手を宛がい、悩ましげに話すのは妹達のことだった。
特に話題の中心となっているのは浅山と同じクラスの冰のことのようだったが、しかしその困り果てた仕草の中にもありありとした愛情を感じ取り、浅山は目を細め、手にしたスケッチブックにさらさらとペンを走らせた。
『本当に仲が良いんですね。とても楽しそうです』
「ふふ。でも謙遜や面白おかしく言ってるんでなく、なかなか手が焼けますのよ。……あら、失礼。髪の話をしていたら浅山さんも。少しじっとしていらしてね」
言葉が終わらぬ内に、名義の指が浅山の髪に伸びる。さらりとした指触りの中に僅かに絡んだ箇所を捉えると、白い指は難なくそれを解き、手櫛で整えてみせた。
「さ、これでよろしくてよ。髪は女の命ですもの。いつでも美しく整えておかなければいけませんわね」
にこやかなその言葉に、浅山が慌てて書き綴る。
『ありがとうございます、ごめんなさい。私まで手を焼かせてしまいましたね』
申し訳なさそうにスケッチブックを見せる浅山の姿に、今度は名義が驚いた様子で唇に手を当てた。
「まぁ! 違いますわ、そういう意味で言ったのではありませんのよ。こちらこそ勘違いさせてしまってごめんなさい。それに私、妹達で慣れていますもの。これくらいならいくらでもお世話できる自信がありますのよ?」
自信ありげに、まるで普段の立ち居振る舞いからは想像できないガッツポーズをして見せる名義の姿に、思わず浅山がくしゃりと破顔する。
声は失ってしまったものの、まるでそれを感じさせない豊かな表情が、名義をも楽しげな気分にさせた。
その視界の端で、何人もの生徒が茂みやベンチの下を覗いていく。
誰もが口々に猫真似をしていたり、子猫を思わせる言葉を発していることから、どうやらそれが自分達と同じ目的を持った同志達らしいと推測できた。
「さぁ、少し長話になってしまいましたわね。私達も捜索再開と参りましょうか」
誘うように差し出された右手に、浅山はゆっくりと頷いて手を重ねた。
「ちょっと、あなた!」
慌てふためいたような声が自分に向けられていると気付き、
夢宮 瑠奈
はきょとんとした表情で振り返った。
地面に這いつくばり、子猫と同じ目線を心掛けて噴水周りを探し回っていたところだったのだ。それが、なぜ知らない人に呼び止められるのかと首を傾ぐ。
「え……っと、あたし?」
「そうですよー。あー、びっくりしました! 子猫を探すのはいいですけど、もっと自分のことにも気をつけないとダメですよー?」
ぺったりと地面に座り込んで疑問符を浮かべている夢宮に、目の前の影がしゃがみこむ。
のんびりとした内面が姿形に出ているのかふわふわとした印象の夢宮に比べ、しなやかな女性らしさが窺える柔和な女生徒だった。
「私は7組の
御鏡 聖
といいます。同じ芸術科の……6組の方ですよね?」
「そうだけど……。あの、なんであたし、呼ばれたのかな……?」
「えっ」
にこやかな自己紹介から始まり、少し紅潮して緊迫した御鏡の姿に、夢宮はまた反対側へと首を傾いだ。
この反応は本当に何も気付いていないらしいと、やがて覚悟を決めた溜め息が聞こえた。
「その、ちょっと……お耳を貸してください」
紅潮しての言葉に、夢宮は素直に応じて耳を寄せる。
「……盛大に下着が見えていたので、教えてあげないと、と思って……」
「ふえぇ!?」
口に出すのも恥ずかしげに、ひそひそと耳打ちされた衝撃の事実に今さらながら慌ててスカートの裾を押さえる。もう見えてませんよと笑った御鏡に、夢宮は照れて頭を掻いた。
「えへへ……ありがとう聖ちゃん。全然気付かなかったやぁ」
「いいえ、どういたしまして。あの、私も子猫を探しているんです。良かったら一緒に探しませんか?」
「本当!?」
思わぬ申し出に、きゃあとはしゃいだ声が上がる。
「あたし、夢宮! 夢宮瑠奈っていうの! よろしくね、聖ちゃん!」
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
握手を交わし、心機一転と茂みに向き直る。
しかし二人の捜索は、また先程と同じく下着が見える姿勢を取りかけた夢宮に、御鏡が慌てた声を上げるところから始まった。
ガサガサと大きな音を立て、茂みが揺れる。葉と葉の間から覗くゆるいウェーブがかった髪には小枝が刺さっているようにも見受けられたが、本人は全く頓着ない様子でキョロキョロと茂みの下を覗き込んでいた。
「子猫さん、子猫さん……ミルクもあるよ、出ておいでー」
左手で猫のパペットを動かしつつ、右手に持ったミルクをちらつかせているのは
恵御納 夏朝
だった。
時折耳を澄まし、また、近隣の木の上なども注意深く観察している。
しかし努力の甲斐も虚しく、現在のところ子猫の鳴き声も、また、木の上を小さな体が歩く様子も発見出来てはいなかった。
「んー……ミルクだけじゃ足りないかなぁ……。僕が猫さんだったらもっと簡単に探せるのに……」
普段動くことの少ない表情筋を少しだけ動かし、ほのかな悲哀を見せる。自分の力不足を悔いるように唇の内側を軽く噛み、悩む暇も惜しいとばかりに捜索を再開した。
そして恵御納の進行方向で、また別の茂みが揺れる。
二つの揺れは互いに気付かないまま静かに近付き、やがて目の前に星を散らす音を立ててぶつかった。
「痛ぁっ!」
響いた悲鳴は一つ。しかし頭を押さえた人影は二つ。
「イタタ……ごめんね、人がいるなんて思わなかったんだよ。大丈夫?」
未だ痛む額を押さえて声をかければ、向かい合った影は、同じく額を押さえながらもスケッチブックになにかを書き綴った。
『だいじょうぶ、すこしビックリしただけよ。わたしのほうこそ、きづかなくってゴメンなさい』
さらさらと書かれた文字に、怪我がないならよかったと胸を撫で下ろす。
ふわりと結われたサイドテールが愛らしい
小山内 海
は、続けてスケッチブックに文字を書きつけた。
『もしかしてあなたも、みゃーちゃんをさがしてるの?』
それを見るなり、恵御納は二度頷いた。
「うん。ここ、日当たり良いんだもん。子猫さんならきっとこの辺りでお昼寝すると思って」
その言葉に、今度は小山内の表情がぱっと華やぐ。
『うん、わたしもここがダイスキ! おなじことをかんがえてるヒト、やっぱりいたのね。ねぇ、そっちはみゃーちゃんみつけられた?』
「ううん、こっちは全然。そっちは?」
問い掛けに、小山内はふるると首を振ることで否定を示す。その反応に少しだけ残念そうに顔を伏せた恵御納は、何事かを思いついたようにポンと手を打った。
「うん、じゃあ二人で分担すれば早いんだよね。私はもう少しこっちを探してみるよ。君は……」
名前を呼ぼうとして言葉に詰まる恵御納の目の前に、スケッチブックがかざされる。
『おさないうみ。じゃあわたしはコッチをがんばるね。みつけたら、てをたたくことにしよう』
にっこりと笑んだ小山内に、恵御納は目を細めるに留まる。しかし充分な好意を見てとり、二人は互いにパチンと手を打ち合わせた。
小山内と恵御納が共同戦線を決めた、その茂みのほど近く。
「ふっふっふ、やはり皆さんこの付近に目星をつけていらっしゃいますねぇー。が、しっかぁーし! 豪胆にも猫さんを吊り上げようと考えているのはぁー、ここでは恐らく私一人!! さぁ、唸れ竿、伸びよ釣り糸! いざ、猫さんを我が手にー!!」
高らかに宣言し、
上泉 睡蓮
は適当に拾った木の枝を竿に見立て、紐の先に煮干しを括り付け紐を勢い良く振りかぶる。
常人であればいくら相手が猫だと言っても、このやっつけ仕事はないだろうと突っ込みたくなるような出来だが、彼女は至って真剣だった。
さすがは入学から程ないこの短期間で、既にクラスメイトや同じ部活の面々から「黙ってさえいればお嬢様系美少女なのに」と評されているだけのことはある残念ぶりである。
しかも上泉は本当に釣り気分なのか、満足げにそこに陣取り、鼻歌を口ずさみながら糸の先を見るばかり。
さすがにこれではいつまでたっても子猫は見つからないかに見えた。
が、ほどなくして釣り糸がピンと張る。
「おぉ!? まさかの一発大ヒットですかぁ!? ふんっ!」
本人としては、海釣り用の大型リールを巻いてマグロと戦いを繰り広げているかのような心持ちなのだろうが、実際は今にも折れそうなほどにしなっている枝を、これでもかと引いているだけである。
まずもって、本当に掛かっているのが子猫だったとしたらそんなに重いわけはないだろうと思うわけだが、彼女にとってそんなことは些細でしかなかった。
力いっぱい引き、まさに枝が乾いた悲鳴を上げる頃。
大きな葉音を立て、金色の髪が揺れた。
「あれ、ベガちん!? なにしてるんですかそんなところで!!」
「ん? ありゃまぁ、睡蓮ちゃんだ! いやー美味しそうな煮干しが降ってきたからさー、神様からの贈り物かと思って食べちった☆」
現れた人影が同じクラスの
瑠璃条 ベガ
と知れると、そのあっけらかんとした言葉を聞いて上泉の肩ががっくりと落ちた。
「贈り物が煮干し一本って、どんなケチな神様なんですかそれ……」
「えー、だって思ったんだもん☆」
テヘペロと舌を出し、オモチャの人形を思わせる仕草で目をそらす。それを困ったように笑うことで受け流し、上泉は煮干しのなくなった紐の先を眺めた。
少し切ない心情を知らず、瑠璃条はその釣竿もどきをワクワクと好奇心に輝く瞳で覗き込んだ。
「あ、ねぇねぇ睡蓮ちゃん、これって貼り紙の子猫ちゃん探しー? あたしも興味あったんだー! ついていってもいーい? 子猫ちゃん、あたしも触りたいー☆」
キラキラとした子供のような表情に、おぉと声を上げて上泉も呼応する。
「モチのロンです! そうと決まれば善は急げ、参りましょうベガちん! 子猫さん探して三千里!」
「おー!!」
腕を振り上げ、縦列行進を気取って前進する。傍目には子猫を探しているとは思えないが、至極楽しげな本人達を止める人間はそこには存在しなかった。
<< もどる
1
…
3
4
5
6
7
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
子猫にリボンを!
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
井之上
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年11月28日
参加申し込みの期限
2012年12月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2012年12月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!