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子猫にリボンを!
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バイブレーションの音が北校舎裏に響く。とは言っても放課後の校内はやはり騒がしく、その音は携帯の所持者以外にはおよそ聞こえない程度だ。
スカートを揺らすその違和感に気付き、
神野 美野梨
は慌てることなく端末を取り出した。
「―― 地下室で黒い子猫を発見、ね。良かった」
小さい子猫だ、早く保護されるに越したことはない。猫は大好きだが、いち早く救出されるのであれば発見者が自分でなくとも充分だった。
しかし、現在の時点でまだ一匹しか見つかっていない。学校という閉ざされた空間ではあるものの、野良猫達は自由気ままに敷地内を出入りしている。島の猫達はのんびりとした性格だが、それでも子猫をいじめる者がいないとは言い切れなかった。
「早く見つけて、校長室に返してあげないと……。でも小さい子達だし、やっぱり目星もなく探すのは辛いかしら」
少しばかり悩んだ表情で辺りに目を配ると、やはりそこにも野良猫がゆったりとした足取りで歩いている。神野はその猫に助力を求めることを決め、大きく息を吸い込んだ。
屈み、その猫を見つめて意識を集中する。
「……ニャー」
高めの声色ではあるものの、猫の鳴き真似であることは誰が聞いても明らか。しかしその声に野良猫はピクリと反応を示し、方向を変えて神野の傍へと歩み寄ってきた。
にゃあ、と、応えるように猫が鳴き返す。
神野のろっこんは猫と話すことが出来る。まさにこういった場面に関して、彼女の能力は非常に役に立った。
何度か鳴き声の応酬を繰り返し、神野は最後に短く鳴いて頭を撫で、手に持っていた袋の中からちくわの切れ端を猫に差し出す。それを嬉しそうに一口に食べ切り、やがてその野良は本来向かっていた場所へと去っていった。
「部室棟でそれらしい鳴き声、ね。やっぱり猫のことは猫に聞くのが一番早いみたい」
ふふと笑い、情報を得た部室棟へと急ぐ。かさりと音を立てて揺れた袋の音に反応する野良猫達に、ごめんねと慌てて手を振った。
同じ頃、部室棟の二階では部室荒らしが起こっていた。
「重大な捜索を実施している。悪いが部室を探させて貰ってもいいか?」
文化系クラブの部室を開け放つや否や、有無を言わせぬ威圧感でそう言って回っているのは
芹沢 梨樹
だった。
決して長身ではなく、かといって目つきが鋭いわけでもない。しかし持って生まれた雰囲気が醸し出しているのか、得も言われぬ迫力を身に纏っていた。
そんな男が全身埃だらけ、しかもところどころ絵の具で汚れていたり制服に木のささくれが刺さっていたりした状態で訪ねてきては、気圧されてしまって断れるものではない。
案の定この部室も入室を許可されたが、件の重大な捜索に関する手掛かりは何一つ見つからなかった。
もちろん、この捜索というものは校長室から脱走した子猫達のことだ。
「生後一カ月の子猫というのが知識として大きさが分かっていても、見たことがないからな……。思いのほか見つからん」
憮然として溜息を吐き、正義感に突き動かされたものの一向にその成果が得られていない現実に肩を落とす。
すでに部室棟の二階は、快い協力を得られた甲斐あって捜索を終えていた。
大きな機材や隠れられる隙間、また、小さくて転がりやすいものが多いという理由でここを捜索の場としたが、徒労に終わってしまったかと考え込む。
いっそここは諦めてほかの場所を探し始めたほうが建設的なのだろうかと、ちらりと窓から階下を見下ろした時だった。
「……ん?」
小さなものが動いた気配に、落胆に伏せられていた目が輝きを取り戻す。見下ろした場所は部室棟の裏側で、人通りもなく誰かが目にすることも少ない。
もしそこで子猫が遊びまわっている場合、自分がここで見過ごしてしまえば保護されるまでにさらに時間を要してしまうだろうと考え、芹沢は部員達に礼を言い、足早に一階へと駆け降りた。
上の階の騒がしさに、陸上部室で雑誌を読みながらゴロゴロとだらしのない恰好で寝転んでいた
七音 侑
は少々迷惑そうな顔をして天井を見上げた。
「あやー? なんだろ、文化部っていつもは静かなのにー。今日はなんか騒がし……」
首を傾げる七音の耳に、小さな声が届く。
「にゃっ?」
咄嗟に辺りを見回しても、特にどこが変わったということもない。しかし不可解さに首を傾げる七音の耳に、再度小さな鳴き声が届いた。
「うに、やっぱりなんか声がするに!」
起き上がり、本格的に辺りに注意を払う。しかし何度見たところで室内の様子が変わることはなく、むむと眉間を寄せた時だった。
今度ははっきりと、高い声が薄い窓を震わせる。
「外ぉ?」
覗き見れば、そこには小さな茶色い毛玉がうごめいていた。
「うににっ、あれはもしかして、校長が探してたこぬこ!? これは……ふるもっふぁのチャンスだにー!」
張り紙を目にしてはいたものの、探す人間は多いだろうからと特別動く気にはなれなかった。しかし話題の生き物、しかも明らかに可愛いと推測される生き物が目と鼻の先にいるのであれば、動かない理由はなかった。
ちらりと見えた毛並みのふわふわさ加減から予想される柔らかな感触を思い描きながら、喜色満面で部室を飛び出す。
「ぬこぬこ、こぬこー! 待っててにー!」
テンション高く部室棟の角を曲がると、まさに階段を下りてきた芹沢と鉢合わせた。
「猫? お前も見たのか」
「うにっ! 裏側! 裏側にいたよ!」
興奮気味に足踏み状態のまま頬を紅潮させる七音に、やはりそうかと芹沢が頷く。そこに、部室棟前を窺っていた神野が遠慮気に声をかける。
「あの、猫ってもしかして校長先生の張り紙の子猫のこと? よければ、私も一緒に探してもいいかしら……?」
「その程度、俺は構わないが」
「可愛いものは、みーんなで可愛がるものだよにー!」
結果、三人で部室棟の裏へと回り込む。
いい天気だというのにやはりそこは日影が多いためか他の場所に比べて薄暗く、あまり猫が好むとは思えない場所だった。
「んー、うちの部室がここだから、うちが見たのは……うなー! ちっさ! めっさちっさいにー!!」
目撃状況を整理して発見した毛の塊に、七音が黄色い声をあげて携帯を取り出す。よほどその操作に慣れているのかものの数秒でカメラを起動させ、ピロリンッと軽快なシャッター音を響かせて何度も写真を撮影していた。
はしゃぎまわるその姿を半ば度外視した形で、芹沢が息を飲む。
「いた……! が、しかしこれは……」
芹沢が困惑の色を濃くして見下ろす先には、確かに子猫が座っていた。しかしその毛色は茶色の縞模様で、ブチ模様になっているわけでもない。
「校長先生が捜していた子じゃないわ。でも、親猫の姿はないようだし……少し、話を聞いてみる」
「猫にか?」
「えぇ。私のろっこんなの」
芹沢の問い掛けに少し恥ずかしそうに返し、神野は再度猫に向かって集中する。
やがて何度目かの鳴き声が響いた後、眼鏡の奥の流麗な眉が僅かに寄せられた。
「大変。この子ほかの兄弟達より体が大きかったから、引っ越しの時に親猫に置いて行かれたんだわ。たまにあるのよ」
「じゃあ、この子も捨て猫!?」
「そういう言い方になるだろうな。まだ一人で生きていけるようには見えないし」
七音の疑問に苦々しい表情で答えながら、憐れみを含んで子猫に手を差し伸べる。その手に柔らかな毛並みが擦り寄ると、芹沢はそのあまりの感触にびくりと肩を震わせた。
居候先の猫であの毛並には慣れていると思っていたが、生まれて数カ月の猫のあまりに肌になじむ柔らかさに思わず赤面する。おっかなびっくり小さな頭を撫でてみれば、細い尻尾を垂直に立て、小刻みにプルルと震わせた。
走り抜ける衝撃に芹沢が声を失う中、七音の細い腕が子猫を抱き上げる。
「うにー、ちっさい可愛いやわらかーい! ねぇ、それならこの子も校長のところに連れて行こうよ! 猫好きさんが集まってるだろうし、きっといい方法が見つかるよー!」
高い位置に掲げたまま、くるくるとその場で回転する。突然のことに驚いたのか手足を硬直させる子猫を胸に抱き、七音は嬉しそうに頬ずりした。
少々乱暴ではあるものの力いっぱい可愛がっているその様子に、神野も表情を綻ばせる。
「そうね、きっとなんとかなるわ。じゃあとりあえず、子猫が一匹増えたことをみんなに連絡ね」
携帯に茶トラ子猫が増えましたと打ち込み、流れるような動きで送信する。生物部員仲間宛に送られたそれが確かに届けられたことを確認すると、一緒に遊ばせようと手招きする七音に呼ばれるまま、神野も子猫に手を伸ばした。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
井之上
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
動物・自然
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2012年11月28日
参加申し込みの期限
2012年12月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2012年12月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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