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寝子召地蔵と涙の川
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過去の自分に会うことが出来たなら、
ジニー・劉
にはどうしても伝えたいことがあった。
__俺はもう、静麗じゃねぇ
それは伝えるというよりも、宣言に近かったかもしれない。幼く、何も選ぶことが出来なかった不自由な自分との決別という意味で。だから、寝子召地蔵の噂を聞いたとき……ジニーの足に、迷いはなかったのだろう。
噂通り、知らない河原に来ていたと知ったのは、今にも降り出しそうな分厚い雨雲に覆われた、陰鬱な空を見上げた時。さっきまでは苛立つほどの快晴だった。暑さにはさして変わりはなかったが、汗が噴き出たり、日差しが痛かったりと不快な目には合っていないのがふしぎな気分で。
「(アレか……嗚呼、本当に俺だ)」
白いフリルのワンピースを着て、長く伸ばした髪に赤いリボンを結んで、うつろな眼差しで石を積む子供の影。その姿は誰がどう見ても女児でしかなかったが、それは確かにジニー……いや、静麗であった。
ジニーには、自分が生まれたとき既に死んでいる姉がいた。ジニーはそのかわりにと望まれた子供だった。だが、性別など誰も決めることは出来ない。その自然の摂理を、長女を失い狂ってしまったジニーの母は決して、最期まで受け入れることが出来なかった。
__どうして母さんの言うことが聞けないの!?
__こんなに可愛い顔に産んでやったのに……嗚呼、なんて情けない娘だろう!
娘じゃない、と口答えでもしようものなら、ジニーの母は容赦なくジニーに折檻を与えた。背が高いのは愛らしく無いからとろくに食事も与えられず、ひどい時はクローゼットに閉じ込められて夜を過ごすことも少なくなかった。そのくせご丁寧に、ぶたれるのはいつも顔以外のところ。クローゼットに鍵をかけ、そのまま睡眠薬に頼って夢に逃げたのを軽いいびきの音で知るたび、ジニーは母への恨みを募らせていった。
「お前、それでいいのかよ」
「……よくないよ」
光のない瞳を伏せて、静麗は次に積めそうな石を探している。
ちいさく振ってみせた首はひどく頼りない。
「でも、かわいそう……」
そう、そうなのだ。恨みこそあれ、見捨てて行けるほど愛情が枯れることもまた無かったのだ。母によって作られた環境がそうさせたとはいえ、姉の身代わりとはいえ、静麗を心の底から愛してくれる存在は母の他にいなかった。そして母も、静麗の他に母を愛してくれる存在はまた無かった。今のジニーが思えば滑稽にすぎる共依存でしかないのだが、それでも。静麗のちいさな世界では、それだけが全てだった。
「酷かもしれねーけど……もう少しだけ我慢してみろ。お前の事好きになってくれる奴が現れっから。な」
「もうすこし……いつまで?」
「それは……」
結局、成長に抗えず男になっていく娘の姿に耐えられなくて、ジニーの母は自死というかたちで色々なものを諦めてしまった。だが、今目の前に居る静麗はそんなことを知る由もない。静麗がジニーになるとき、それは母が死ぬ時だ。問いかけられたのに、そのことを、ジニーはまだ口に出来なかった。
「……?」
無意識のうちに、ジニーは静麗を抱き寄せていた。まるで、かつての母が静麗にそうしていたように、縋りつくように。一瞬身をこわばらせた静麗はそれでも、何かを察してただじっと、ジニーの頭を撫でる。知らず、ジニーの瞳からは涙が零れていた。もう静麗ではないけれど、もうあんなことにはならないと、頭では分かっているのに。
__ごめんな、静麗
もう平気なんだ、自分は変われたんだ、もう嫌なことは嫌と言えるんだ……。
嗚呼、それでも。
情けない、だけどどうしていいのか、どうすればよかったのか、今でも分からない。無責任な気休めも、上辺だけの慰めも大嫌いなはずだった。だが、何も知らない静麗が懸命に自分の頭を撫でるのを、どこか嬉しいと思うジニーが居た。
「好きなひと、いるんだね」
「……ああ」
そうだ。さっき静麗にかけた言葉は嘘ではない。縛られ怯えていた自分に、今は光がある。それを聞いた静麗はうらやましそうに、そしてやさしく微笑んだ。
大丈夫と手放しに言うには、きっとまだ時間が必要なのだろう。だが、今のジニーは手を伸ばすことが出来る。それを静麗に伝えられた気がして。閉じたジニーの瞳に、また少しだけ、涙の粒がはみ出した。
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あとがき
担当マスター:
瀬島
ファンレターはマスターページから!
お待たせいたしました、ブロンズシナリオ『寝子召地蔵と涙の川』お届けいたします。
ご参加ありがとうございました!
えー……、皆様のロリ&ショタバージョンが見たい、その思いつきだけでリリースしたシナリオがこうなりました。
たいへんごちそうさまでございました(意味深)。
さて、神魂の影響で出来たこの不思議な空間ですが……しばらくの間、消える気配は無いようです。
もしかしたら、(次回リリースという意味で)また、お地蔵様の導きがあるかもしれませんね。
それでは、また近いうちに次のシナリオでお会いしましょう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
瀬島
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
日常
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年06月29日
参加申し込みの期限
2014年07月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年07月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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