故郷での夏休み｜リアクション

故郷での夏休み

●おかえりなさい

　修と真央がｍｉａｏの喫茶店から出ると、その前で帰って来たばかりの浅山小淋に会った。
『おふたりも帰って来たところですか？』
「ああ。今、真央と帰省した時の話をしていたところだ」
「修ちゃん、大変だったようなのだ。真央ちゃんは、とっても楽しかったのだ」
　真央の話を聞いて、小淋は、とても楽しい様子を窺うことができた。
『帰省、楽しんだようですね。私も楽しかったです』
　ペコリと頭を下げると、少し寄るところがあるからと修と真央と別れた小淋。

　それと入れ違いに、一緒に帰って来た如月庚と八重崎五郎八にばったり。
「おふたりさん、この間のサンマさんガチャ騒動ではお世話になったね。一緒に帰省していたの？」
「……俺らと違うんじゃねぇの？」
　頭を掻き、面倒臭そうに言う庚に「違うのだ」ときっぱり答える真央。
「駅で偶然会って、喫茶店で話をしていただけだ」
　真央の答えをフォローする修に「……ふぅん」と興味なさげな庚は、じゃあなと言ってその場を去った。
「悪いね、無愛想な従弟で。私も帰るよ。それじゃ」
　庚の無礼を詫びた五郎八も、ふたりと別れて桜花寮に向かい歩き出した。

　真央と修もぞれぞれの住居に戻ろうとしたところで、目の下にクマができている邪衣士に会った。
「士ちゃん、その顔どうしたのだ？」
　熊にクマができてるのだ、と言いたい真央だったが、本人の前では言えないと我慢。
「これか……空音の手伝いをしててな。空音は同人誌の出来上がり待ちだとか言って、実家に残ってる」
　寝惚けた空音に引き摺られた恐怖を思い出した士は、一瞬、身震いした。
「どうした邪衣？　風邪か？」
「ま、まあな……。ゆっくり休みたいから、これで失礼する……」
　疲れ切った歩きだったので、桃原空音の実家で何かあったのだろうかと心配するふたりだった。
「修ちゃん、ご馳走様なのだ。真央ちゃんも帰るのだ」
「そうだな。俺も、帰って休むことにするよ」

　回転院環と神堂坂呼水は、仲良く手をつないで歩いている。
「楽しかったね、よっちゃん。たまちゃん、またよっちゃんの家にお泊りしたいなー！」
「私も楽しかったのじゃ。じじ様に帰らないで！　と言われたのには参ったのじゃ」
　寝子島に帰る前に、それぞれの家に挨拶に行った時のこと。
　環の祖父は、呼水が帰ることを誰よりも残念がり、しまいには引きとめようとしたが環の家族に引き離されたのだった。
「いろいろあったが、帰省は楽しかったのじゃ。次も楽しいといいの、たまちゃん」
「そうだね、よっちゃん」

「今、帰ったぞー！」
　典町託志は、寝子島に着くとすぐにカラオケボックス『シャンテ』へ。
「おかえりなさい、テンチョー。帰省はどうでしたか？」
「それなりに楽しめたぜ。さ、仕事仕事っ」
　疲れていないかと心配する店員達だったが、張り切る託志を見て大丈夫そうだなと安心する。

　皆、それぞれの思い出を胸に寝子島に帰って来た……かと思いきや。

「たー坊がお土産選びに時間かかったから、帰りもギリギリじゃなぁい！」
「……兄貴が……寝過ごしたのも、原因……だろうが……！」
　志波拓郎の土産選び、志波武道の寝坊が原因で、帰りも予定が大幅に遅れた。
　行きとまったく同じ行動の兄弟がダッシュで目指すは、東京行きの飛行機の搭乗口。
「お客様の中で、１３時発東京行きの方はいらっしゃいますか？」

「「はいっ！！」」

　ＣＡの呼びかけにシンクロナイズドスイミングのようにタイミングを合わせ挙手するのも、行きと変わらず。

「たー坊！　俺たちって、息ピッタリな仲良し兄弟だね☆」
「……調子良すぎだ、馬鹿兄貴……」

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あとがき

担当マスター：カターレ
ファンレターはマスターページから！

カターレです。
らっかみ！タイム８月中旬の間にリアクション公開したかったのですが、体調不良、家庭の事情等で遅れてしまいました。
この場を借り、運営部ならび参加された皆様にお詫び申し上げます。

学生さんは夏休み、社会人の方は里帰りと、それぞれの帰省でした。
お友達、ご家族、ご親戚と楽しく過ごされたり、お墓参りをしたり、花火を見たりと、楽しい夏の思い出ができたことでしょう。
中には複雑な事情がある方もいましたが、参加された皆様のそれぞれの帰省を楽しませていただきました。

参加された６７名のキャラクターの皆様は、帰省というテーマの舞台の主役です。
笑いあり、涙あり、感動あり、サスペンスありと、様々な展開となりました。

お盆のひとコマが、皆様にとって良い思い出でありますように……。
ありがとうございました。

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