大北海道物産展 in ｍｉａｏ｜リアクション

大北海道物産展 in ｍｉａｏ

（今の人、すごいです）
　美咲紀がケース単位で購入するのを見ていた智瑜は、黒目がちな瞳をぱちくり。
　やはり年にそう何度も開催されるものではない大北海道物産展ともなると、ケース単位で買う人も多いのだろうか。
　智瑜が野菜コーナーを通り過ぎると、今度は修がにゃんちぐらを７個も購入する場面に出くわした。
（あの人は確か、５組の八神さん。沢山の動物を飼っていらっしゃるのはうわさで聞いていたけれど、本当に猫好きなのですね）
　話しかける勇気などはない。
　でも、嬉しそうににゃんちぐらを購入する八神を見ていると、智瑜までなんだか嬉しくなってくる。
（お祖父ちゃんとお祖母ちゃんも、お土産買ったら喜んでくれるかな）
　今日も旧市街で八百屋をしている祖父母は、智瑜が選んだお土産なら、きっとなんだって喜んでくれるだろう。
（野菜は、実家にいっぱいあるから、買うなら甘いものか海鮮類ですね）
　魚介類のコーナーに向かうと、タラバガニのたっくんとクマのクーさんが出迎えてくれた。
「海鮮丼を三つ頂けますか？」
　タラバガニはもちろんのこと、クマのクーさんがお手玉するホタテや、海老やいくらに鮭がこんもりと載せられた海鮮丼を購入してみる。
（後はお菓子類かな。……あんまり高いものは買えないけれど）
　海鮮丼がそれなりのお値段だったから、智瑜のお財布は大分薄くなっている。
　それでもやっぱり、ニャンタオのアイスは外せない。
（暑い日は、アイスが食べたくなっちゃいますよね）
　甘くて冷たくて、しかもかわいいニャンタオのアイスは、でもお土産には不向き。
　一個だけ購入すると、智瑜はイートインで一休み。
（溶けちゃいますからね）
　ふと周りを見れば、見知った顔もちらほらと。
　みんなニャンタオのアイスを食べている。
（話しかけるのは、ちょっと無理かな……）
　いきなり話すのは、照れてしまうのだ。
　美味しいものを食べれただけでも十分、幸せ。
　智瑜は大好きな祖父母に和菓子を買って、うきうきとmiaoを後にした。　　
　

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