大北海道物産展 in ｍｉａｏ｜リアクション

大北海道物産展 in ｍｉａｏ

「ずっとこの日を待っていたわ」
　桃川圭花はmiaoの前で仁王立ちになり、そびえ立つmiaoを見上げる。
「待っているがいいわ。私のスィーツたち！」
　静かに、けれど深い情熱と熱意を持って、圭花は確かな足取りで目的のものへと向かって歩き出す。　　

（き、来てしまったべさ）
　miaoにきょろきょろとしながら、澪乃澄佳はこくりと息を呑む。
　麦藁帽子の端をぎゅっとつかみ、澄佳は昨日のことを思い出す。
『地元の農協が、そっちさいくでな、澄佳も暇だったらちぃーとばかし手伝ってやってくれんかの』
　もちろん、澄佳に断る理由などなかった。
　時計店でのバイト経験もあるし、売り子なら任せてほしい。
　ただ……。
（大雪恵、って、どんな店だべさ？）
　店の名前は知っているものの、実物は見たことのない澄佳だった。
　

「おおー、miaoはさすがにおっきいねぇ！」
　雨寺凛は駅ビルを見上げてつぶやく。
　いつも利用しているシーサイドタウン駅なのだが、改めて買い物に来ると大きく感じる。
（おいしい食べ物食べまくっちゃうかなぁ！）
　これ程大きな駅ビルで開催されている大北海道物産展。
　美味しい物がどれだけあるのか。
　きっとそれは凛の予想を裏切らない。
　意気揚々と、凛はmiaoに吸い込まれていく。
　

「大北海道物産展とは、またいい催し物を企画するね」
　miaoを訪れた八神修は、猫草を片手に立ち寄った。
　駅ビルの中にあるペットショップには、修の大切な飼い猫達が好む猫草が数種類そろっているから、今日はそれを買いに来ていたのだ。
（以前北海道に行った時は、土産物の多さに驚いたが）
　白いラングトシャクッキーにレーズン入りバタークリームクッキーなど、北海道ならではのものを数多く購入したことを思い出す。
（普段見れないものは有るだろうか）
　そう、たとえば猫にちなんだものとか。
　修は猫草を一度駐車場で待つお抱え運転手に預け、大物産展をめぐり始めた。

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