乱入上等ッ！　覆面レスラー軍団VS寝子高生｜リアクション

乱入上等ッ！　覆面レスラー軍団VS寝子高生

【開幕！　寝子島プロレス興行？】

　寝子島高校のグラウンドに卒業生が乱入した！
「どうしたッ！　異論がないのならこのまま突き進むぞッ！　誰か異論のあるやつはいないのか！？　ぐにゃぁぁぁぁんッ！」
　いつの間にか手にもったマイクで、特設リング中央からそのマイクを通して声を張り上げるニャット・ザ・グレートマスク。
「ここにいるぞ！」
　誰かの発したその言葉に、ニャット・ザ・グレートマスクは顔をその方向へと動かした。
そのとき、グラウンドに強風が吹いた。強風は砂を巻き上げ、戦士たちの影を作り出す。
　そして、強風を割るかのようにリングへと進んでくる影の正体があらわになった。
「ナカナカ、良イ目ヲシテイル……」
　現れた寝子校生を見てロロ・魁はそう呟いた。やがてヤマネコ軍団の向かい側に寝子校生側の生徒が揃う。
「おや、先ほど失神させられた教師もいますね。どうやら、楽しませてくれるようですよ。いろいろな意味で」
　揃った生徒たちの中に混ざる浅井幸太先生らしき人物を見て、驚いたようにネズミ捕りの木場は言う。
　いつのまにか復活したのか浅井先生が混ざっていたのだ。
　実はこの浅井先生、仕掛けがある。
　ヴェスレーナ・グレウィクのろっこん『リハーム・ミミクリエス』によって、ヴェスレーナが化けた浅井先生だったのだ。
　そして、白黒ストライプのシャツを着てレフェリーの格好をしており、塾生たちにレフリーをさせろと交渉している。
「あらやだ、あっつぅ～い視線を感じるわ。視線はキバからだと思ったら女の子から？　ん～？」
　またか、と周囲を呆れさせつつ、ダブルフェイス・ネコスキーは獲物を狙う目で女子生徒達を物色した。
　ちろり、と舌なめずりをして、目を細める。
　そして寝子高生側から代表して平田恵一が魚神サンマーマスクとしてリングヘと進み出た。
　やはり、いつのまにか手にマイクを持っている。
「俺の名は、魚神サンマーマスク。俺たちが寝子高を代表してその挑戦、受けて立つ！」
「ぐにゃう。少しは骨のあるやつがいると見えるッ！　いいだろう、お前らたっぷりと遊んでやれ！」
　そのやりとりを楽しそうに見つつも、おうッ！　とニャットマスクに三者三様に応えるヤマネコ軍団。
「うふふ、最初はあたしがいくわ！　もちろん、キバ！　頼んだわよ？」
「はいはい、お任せあれじょうお……お姫様」
　ネコスキーは二つの意味で木場に視線を送ると、投げキッス一つ残してリングへと入り、木場はセコンドに入った。
　平田は退場して一番手の天馬ひびきへ簡単な受身の取り方をやって見せている。
　そして、何食わぬ顔でヴェスレーナ（変装）もリングに上がった。
「俺がレフリーを務めさせてもらおうか」
　そう言いつつ、リング中央に陣取るヴェスレーナ（変装）。
「……なるほど、そういうことですか」
　それを見ていた木場がにやりと笑った。
　ニャットマスクへと確認の視線を送ると、ニャットマスクは構わん、やれ。とでも言うように大きく頷いた。
　かくして、両者ともに準備が整ったのであった。

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