変態の軍隊｜リアクション

変態の軍隊

【６】

　変態たちによって、添木がとんでもない状態になっていく様を見捨てておけないとばかりに、２人の救世主が駆け付ける！
「まてぃ！　そこの変態！　えっちなのはけしからん！」
「えっちなことする変態さんはチアガールの宿敵だよっ。得意の脚技で蹴り倒して懲らしめちゃうんだから☆」
　鬼河内巌と姫神絵梨菜がほぼ同時に登場！
　鬼河内はそそり立つ鼻が立派すぎる天狗の面を被り、カレー色の全身タイツを纏い、変態たちに対抗だ！
「あいつ、うこん色の全身タイツ着ているぞ……！」
「やーい、うこん色ー、うこん色ー！」
「違う！　カレー色だ！　戦隊モノの黄色はカレーが定番だろう！？　そんな軟弱な桃色より、この色の方が男らしいんじゃ！」
　変態の言葉にすかさず突っ込む鬼河内。その手にはレトルトカレーのパックが。
「わいの放課後カレータイムを邪魔するワレは、雄っぱいとカレーで成敗してくれるわッ！」
　鬼河内はどうやら、大好きなカレータイムを邪魔されたことにご立腹のようです。
　手近の変態を鷲掴みすると、硬い大胸筋に押し付けながらベアハッグ！
　実に男臭い攻撃である。
　更には桃色タイツの中にカレーを流し込むという、地味な嫌らがせを敢行してたりする。
　対して、姫神はチアコスで超ミニスカな出て立ちだ。彼女のろっこんは、ミニスカであるほど力が発揮できるのである！
　まったく、脚線美が眩しすぎるぜベイビー！
「私、中国拳法習ってるんだから！」
　彼女のろっこん『超音速美脚乱舞』と相まって、次々に変態たちの股間を蹴り上げていく！
「二度とえっちなこと考えられなくなるように！　女の子の生脚が恐怖のトラウマになるまで！　徹底的に蹴り潰して身体に痛みを教え込んであげるっ！」
「大丈夫だ、問題ない」
　しかし、蹴られた変態たちはとても満足そうだった。
　それもそのはず、蹴られるたびに姫神のミニスカの中身、つまりアンダースコートが丸見えになるのだ。
　たとえそれが下着ではないと分かっていても、男は妄想せざるを得ない！
「パンツじゃないから恥ずかしくないよっ！」
　えへっ☆彡
　天使の笑顔でまた１人蹴っ飛ばしていく姫神だ。
　そんな姫神の姿が目に入ってしまった鬼河内。
「ふ、ふとももー！！」
　突如、絶叫しながら鼻血を吹き出す鬼河内！
　手にしたカレーが宙を舞う！
「ど、どうした、カレーマン！」
「すごい出血だ！」
「……おい、見ろよ、こいつの顔！」
　変態どもは仁王立ちの鬼河内の顔を覗き込んだ。
「綺麗な顔してるだろ？　……仁王立ちのまま気絶してるんだぜ？」
　嗚呼、純情カレー番長、鬼河内！
　しんでしまうとはなにごとだ！
　
【戦死】鬼河内厳　16時32分
【死因】姫神絵梨菜のふとももがエロかった
　
　鬼河内の鼻血の飛沫と宙を舞ったカレーを、添木はモロに浴びてしまう。
　頭はカレーで茶色、下半身は鼻血を浴びて凄惨な姿に！
「ひえぇぇ！　茶色くて臭いドロドロと血塗れでぐちゃぐちゃですぅ……」
　でも、もうどうでもいいですぅ～、とうっとりしながら横たわる添木であった。
「た、大変！　予備知識ない人が見たら、どう考えてもアブノーマルすぎる光景だよ！！」
　戦闘を終えた姫神、慌てて添木の介抱に当たる。
　逃げる変態の残党を追う事は諦めざるを得なかった。
　
「……そうか、動き出したか」
　草薙が報告を受けると、ギリッと奥歯を噛み締める。
「どうやら、相手は単独で動いているようだな。ならばこちらも戦力を細分化し、ゲリラ作戦で個別撃破を狙おう……」
「さっすが！　君を参謀にして正解だったよ！」
　黙っていれば爽やかイケメンな横嶋がサムズアップで答えた。
「ちっぱい！　俺も頑張るぞ！」
　隊員Ａ（行梨）も血気盛んに声を上げる！
（こりゃ、加瀬に報告だなぁ）
　バレないように情報を流し続ける芹沢の姿も健在である。
「ふふふ……、ここからが本番だ！」
　草薙の両手がわきわきと開閉し出していた。