暴走ベビーカー？！　ちょっとまって赤ちゃん！！｜リアクション

暴走ベビーカー？！　ちょっとまって赤ちゃん！！

結：果たして、原因は……？

　所は変わって、赤ちゃん用の休憩所。無事に保護された赤ちゃんだったが、未だぐずぐずと泣いている。先ほどより弱くはなったとはいえ、早くどうにかしたいものである。そこで誾千代が、本領発揮とばかりに子守唄を歌ったり、パントマイムをしてあやしはじめた。壁をつくってみたり、窓を作ってみたり、とその上手さにみんなが拍手を送る。
「あ……」
　るるかが抱えて見せていると、きょとん、とした様子で誾千代の動きを見ていた。今ならば、色々と手が打てるかもしれない。
　因みに、少し落ち着いたように見えるのは、るるかのお気に入りなテディ・ベアを、追いついた小倉杏子が動かしていたのもあった。
「手をぎゅーってしていたから、ミルクかな？」
「確か、カバンには粉ミルクと哺乳瓶と水筒がありましたね」
　円の傍で聖がてきぱきと哺乳瓶に粉ミルクを入れ、水筒からお湯を入れる。どうにか人肌ぐらいの温度になった所で、円がるるかから受け取る。
（器官に入らないように……と）
　哺乳瓶に手を伸ばす赤ちゃんや角度に気をつけつつミルクを上げる円。聖が後ろからフォローしてくれたおかげで、順調にミルクを飲ませる事ができた。
「これで泣き止んでくれるといいですけど……」
　夢宮瑠奈が不安げに見つめる。というのも、瑠奈の勘が、おむつの方ではないか、と告げているのだ。しかし、瑠奈は赤ちゃんのおむつ替えなどやった事がない。その上、相手は男の子の赤ちゃんだ。
　げっぷをさせて様子を見ていた一同だが、しばらくして赤ちゃんはぐずぐずとぐずり始めてしまった。どうやら、ミルクではないらしい。
　瑠奈がおむつとおしりふきを用意し、赤ちゃんを台に乗せる。と、同時に泣き出す赤ちゃん。その時、彼女たちは見た。台がガタガタと音を立てて動き出そうとしたのを！
「！　危ない！！」
　ひびきを始め何人かで台を押え、その隙にアネモネ・アドニスが抱っこしてあやすが、なかなか泣き止まない。
「早く替えないと、もっと泣いてしまうであります……」
「！　そうだ！！」
　不安げな杏子の言葉に、ひびきが何かを思い出す。彼女はアネモネから赤ちゃんを受け取ると軽く『高い高い』をやってみた。すると、赤ちゃんは少し落ち着いたようで、笑い声を上げる。うまくいった所で聖が赤ちゃんを受け取り、台に乗せる。そして、瑠奈に言った。
「手順を教えますから、替えてみませんか？」
「えっ……？」
　突然の言葉に、瑠奈は狼狽えた。

　暫くして、オムツを変えてもらいすっきりした赤ちゃんはご機嫌になった。それにようやく安堵するお世話組。
（ようやく一安心、だね）
　周りを手伝いつつ様子を見ていた高梨彩葉は、にこにこと外で待機するメンバーに連絡するのだった。

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