麗らかなある休日の昼下がり。その日はシーサイドタウンのアウトレットモールでバーゲンが行われており、何時になく多くの人で溢れていた。
「たまには、こんな喧騒も楽しませんと。なぁ?」
なんて呟きながら、中年ぐらいの男がベビーカーを揺らして赤ちゃんをあやしていた。乗っているのは、生後半年ぐらいの男の子。ご機嫌なのか、手をバタバタさせて嬉しそうにしている。
彼は寝子高で教鞭をとっている先生の一人で、牛瀬 巧と言う。学校では緊張感がなく野暮ったい印象が強い彼だが、今は満面の笑みでベビーカーを揺らしていた。
彼は、末っ子を連れてこのアウトレットモールへとやって来た。しばらく買い物などを楽しんでいたが、気分転換に外の空気を吸っているところだった。
「そろそろお昼の時間やな。もうちょっとやで、つかさ」
つかさというのは、末っ子の名前だ。そっと頭を撫でると更に嬉しそうに手足をバタバタ。それが面白いのか、巧も益々笑顔になる。
しかし、暫くしてベビーカーの中にいたつかさはキョトンとし、やがて何かあったのか愛らしい顔をしかめる。妙にむずむずと体を動かしながらベビーカーの中で手を握り締め始めた。
「あれ? どうしたんかいな?」
焦った巧はあやそうと、ベビーカーを揺らしてみる。しかし、つかさはふえっ、ふえっ、と今にも泣きそうだ。
(お腹がすいたのか? それともおむつか? おむつは1時間半ぐらい前に代えた気ぃする)
色々考えつつあやす巧だが、ついにつかさは「ふぇえええん」と泣き出してしまった。……が、その瞬間。ベビーカーの取っ手を握っていた彼の身に、有り得ないほどの力がかかる。
グイッ、と前に引っ張られる体。突然、ベビーカーが自動車の如きスピードで走り始めたではないか!!
「……ってなんやこれ?!」
ありえない程の力で走るベビーカーに振り切られ、巧の手から離れてしまう。これは拙い、と考えた彼は必死に走り始めた。
(あかん! めっちゃあかんで! もう直ぐタイムセールの時間やち言うてたからなぁ……)
突っ走るベビーカー。そして、それを見かけた何人かのねこったーユーザーが呟く。
『アウトレットモールで、ベビーカー爆走してた』
『追いかけてたのって、生物の牛瀬じゃね?』
『つーか、海岸線を左に回ったら工事現場に突入……』
『誰か赤ちゃんをベビーカーからおろしてみないか?』
もれいびの中には「誰かのろっこんが原因か」と考える者もいるようで、事件に興味を持つ者たちが、アウトレットモールへ集まり始める。
果たして、ベビーカーを止めるのは……誰だ?
菊華です。
今回はドタバタコメディ+αでまいります。
休日のアウトレットモールでタイムセール!
そこへ突っ込もうとするベビーカーを皆様は止める事ができるでしょうか?
因みに、シナリオガイドをお読みになった時点で予想がつく方もいらっしゃるかもしれませんが、赤ちゃんは『もれいび』です。
情報整理
・泣いた赤ちゃんを乗せたベビーカーが突然の暴走
・父親(牛瀬教諭)が追いかけている
・アウトレットモールではタイムサービスが始まる
・アウトレットモールを抜けると海岸線に突入。
何らかの要因で進行方向が地図(L-10)の方向へ向かうと
工事現場へ突入する。
(休日ですが、工事は急ピッチで進んでいます)
ちなみにベビーカーにはカバンも下がっています。
(中身:オムツ/おしりふき/哺乳瓶/粉ミルク(2回分)/お湯の入った水筒/ガラガラ/母子手帳/おしゃぶり等)
ベビーカーが何処へ行くか。
全くわかりません。そこらへんのフォローがあるとけっこう嬉しいですが、進む先は危険がいっぱいです。どうすれば止まるか推理しつつ、助けてくれると嬉しく思います。
それでは、皆様のアクションをお待ちしております。