臨海学校でおおはしゃぎ？　遠泳と地引網のお話｜リアクション

臨海学校でおおはしゃぎ？　遠泳と地引網のお話

　
＊練習中はこんな感じでした
　其々のコースで点呼が終れば、練習のスタート。今日は海で泳いで感覚を掴む事が目的である。

　Ａコースはとにかくバンバン泳いでいた。海で泳ぐ事になれるのが本日の目標だからだ。船の上では勇人を初めとする数名の先生が船に乗って応援してくれた。
（気持ちいい……）
　エカテリーナは水の冷たさに心地良さを覚えながらスムーズに泳いでいく。波に揺られるのは覚悟していたが、思ったほどきつい物ではなかった。明日もこのコンディションであって欲しい、と願うエカテリーナだったが……、急に僅かな波が迫った。原因は力強く泳ぐ咲と子夜。二人の泳ぐ早さに、エカテリーナは目を見張る。
（自分のペースを守って、チャンスを掴めば……）
　２人のペースに釣られないよう、心を落ち着かせつつ進むエカテリーナであった。
　一方、咲と子夜はペースを落とさず、どんどん進んでいく。フォームも崩れず突き進む２人の姿に、目を見張るものも少なくなかった。だが……。
（なかなか泳ぎ難いものだな）
　咲は息づきをしながら、そう考えていた。プールとは違い、波に身体を運ばれ易いのだ。今日は穏やかだが明日はどうだろうか……？　先生は明日も天候はよいと言っていたが、少し気になった。

　その後、エカテリーナはまゆと有紀に泳ぐ距離について相談してみた。2人の教師は他の先生方とも相談し、「最初は３キロ泳ぎ、ゴールした後たいりょくがもつようであれば１キロ追加してもよい」という事になった。
「一応、全員泳ぎきったかは見なくちゃいけないから、面倒かもしれないけどよろしくね」
　まゆの言葉に、エカテリーナは頷いた。

　Ｂコースは高野有紀の指導の下、フォームについてのアドバイスや海で泳ぐ際のコツを受講する。その際、Ｃコースで鬼軍曹っぽいノリになったまゆの声が聞こえてきたりして苦笑する者が多数いた。
「説明は以上だ。それじゃあ、短い距離から泳いでみようか」
　有紀の提案に生徒達が頷き、さっそく泳ぎ始める。椿美咲紀もまた一キロを泳ぎきるためにがんばろとおもうのだが……ふと、目に行くのは女の子たちの胸。
「どうしたの？」
　不思議に思ったあおいが問いかけると、美咲紀はちらり、と女の子たちのを見つめたままぽつり、とこういった。
「胸のおっきい人は《浮き》が付いているような物だから有る意味有利だよね」
「「えっ？」」
　思わず辺りを見渡すあおい。偶然にも会話が聞こえてしまった楪櫻はきょとん、と美咲紀を見た。彼女は更に「牛乳を飲んだら大きくなるかな？」と淡い希望を持って波間を見つめる。櫻は思わず溜め息を吐いた。
「効果があるかは未知数だな。……いや、そうではない。今は、練習に集中しよう」
　櫻の言葉に美咲紀たちは頷き、練習に集中した。

　午前中は、そんなこんなで練習の時間は過ぎていった。終了の笛が鳴り、海から上がっていく。日に焼けたその顔はみんな頼もしそうに見えた。
　一同はシャワーを浴びて着替えを済ませると一旦着替え、宿泊施設へと戻る。昼食を食べた後は待ちに待った地引網漁の体験である。

　そんな中、突然のアクシデントがあった。疲れで足を縺れさせた咲を極夜が受け止めたまではいいが、二人とも倒れこんでしまった。咄嗟に触れてしまう軟らかいモノの正体は咲のふんわりぷるんとしたバスト。思わぬハプニングである。
「……っ？！！」
「ご、ごめんなさいっ！！」
　慌てて離れる極夜だったが、手には確かに軟らかい感触が残っていた。真っ赤になった咲のビンタが飛ぶのはその刹那である。
「……テンプレ的ラッキースケベなんて初めて見た気がする」
　と、後に目撃していた有留は語った。そして、極夜の姉、子夜はその光景を不思議そうな目で見つめていた。

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