play a game～逃走マフィア～｜リアクション

play a game～逃走マフィア～

【旧市街地：駅方面主要道路:C2】

　それぞれの行動を終え、プレイヤーが姿を消していく中、夏朝はその場から船を見送っていた。
「船、行っちゃったね……」
　元より、ここからどう進んだとしても船には間に合わない事を夏朝は理解していた。
　ならなぜこの場に居たのか。
　捜査官の意表を付きたい、誰も進まない道を通りたい。
　理由は多々あれど、夏朝にとって重要な事は、逃亡が阻止されこの場に残ったマフィア達がどうなるのか、それが一番であった。
「皆、無事に逃げ切れていたらいいんだけどね」
　駅も封鎖され、連絡船も既に出港している。
　最後までこの場に留まった夏朝にとって、これが望んだ結果であった。
　――同時に、この世界に誘った声が夏朝の頭に再度響く。
　それはこのゲームの終わりを告げる声。
　最後の最後で夏朝は自分がマフィアではなく、自身が現実で学生である事を思い出し、そのまま世界から消失していく。

【寝子島神社の外れ：A2】

　最後まで残った瓢もまた、夏朝と同じようにマイスターの声を聞いていた。
「なるほど、いや楽しめたよぃ。アンタが誰なのかは知らないがねぇ」
　届くはずの無い声、空に向かい瓢はただ一言これを口にする。
　最後まで、瓢は【傍観者】としてその立ち位置を貫き通した。
　騙しあいに探りあい、そして裏切りと信頼。
　往々にそれらを外から眺め、瓢はこのゲームに対する感想をマイスターへと語っていたのだ。
「一炊の夢、有りもしない現実……ゲームなんてのはそんなものだねぃ。何、気が向いたらまたくるよぃ」
　――足元より、瓢の体は他のプレイヤーと同じように消えていく。
　だが、消える最後の時まで、瓢の顔に映った表情は変わらない。

どこまでも他者を嘲るように、この騙しあいが楽しかったと歪んだ笑顔のままに。

マイスター：全テノプレイヤーノ消去ヲ確認、世界ノ消去ヲ確認
マイスター：逃走成功=4、本物ノ金=1、結果=マフィアノ敗北、捜査官ノ勝利ト判定
マイスター：―― game is over ――

【現実：旧市街のとある一室】

　薄く光を放っていたボードゲームは、その光を徐々に消していく。
　目の前に眠るのは、プレイヤー達が出会った【協力者】である女生徒と青年の姿。
　それらが目を覚ますより早く、ボードゲーム――マイスターは己の姿をまた違うゲームへと変え、部屋の中から霧の様に姿を消す。
　――二人が、そしてゲームに参加したプレイヤーは、マイスターが消えた後にゆっくりとそれぞれが目を覚ましていく。
　後に残るのは、夢のようにおぼろげに残る記憶。
　辿っていけば思い出せる事もあるのだろうが、それは同じものを見ていた者同士でしか知りえない。
　――但し、その記憶の中でマイスターに関する事柄だけは、綺麗なほどに抜き取られていた。

　次のゲームは、誰かがマイスターをプレイした時。
　その時まで、マイスターはどこかで静かにその時を待つ――

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あとがき

担当マスター：御神桜
ファンレターはマスターページから！

まずはご参加いただき、ありがとうございました。
アクションを判定した上で、潜入捜査官側が一枚上手であった為、今回は捜査官側を勝利としております。
各アクションの判定等、簡易ではありますが個別にてお送りいたしますので、よろしければご確認ください。

マイスターによるシナリオでは、各種テーマに沿い様々なゲームを行うつもりです。
今回のシナリオのような騙しあいや推理、バトルや日常の元にしたパーティーゲーム等、その都度マイスターが姿を変えたゲームを皆様に楽しんでいただければ幸いです。

事前に推奨した事（今回のコメントページ）や、ルールには書かれていない手段（今回の切符の複数枚受け取り等）は、有効である場合リアクションに反映される可能性があります。
ＰＣ対ＰＣ、もしくはＮＰＣ対ＰＣがマイスターのメインとなりますので、よろしければ覚えておいていただけると嬉しく思います。

それでは、改めてご参加いただきありがとうございました。
よろしければ、次回のシナリオにて参加をお待ちしております。

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