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<CI@SP>Evergreen≒Deciduous
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●ちいさな翼 ~Canarys heart~●
「ぁ……」
真由美の瞳に、再び怯えが浮かぶ。
母が怖い訳じゃない。
(……そうだよな)
軽く目を伏した後、黒子は咲希の腕をつんつんと突いた。
「?」
不思議そうな視線を向けてきた咲希に目配せし、彼女は『Le etoile』の歌い終わりに別の歌を重ねた。
約束しよう ぼくらの心は
咲希は目を丸くして、けれどすぐに黒子の声に合わせて歌い始める。
いつでも君と ともにあると
かつて日本の小中学校に通った覚えのある者なら大概知っている歌だ、歌の輪は次第に広がっていった。
友を想い、希望を歌うその詞は、まだ力を残していた人形たちにもゆっくりと降り注ぐ。
「思わずなつめさんを傷付けちまって、それで自棄になっちゃったんだよな?」
歌を皆に託して、黒子は真由美に微笑み掛けた。
「大丈夫、喧嘩してもちゃんとお互いに謝れば仲直り出来る。
『俺は幸運だ』からな……そんな俺のお墨付きだ、真由美ちゃんは皆と仲直り出来るし、小鳥さんも助かる……幸せになれるよ」
旅立つ君の 行く手を照らす
道しるべに なるように
「……ぁ」
真由美の口から漏れた母音はさっきと同じだったけれど、そこに込められた感情は明らかに違っていた。
「なつめさん」
黒子はなつめの背を押す。
なつめは少しはにかんだような顔をして、そして頷き前に出た。
「真由美」
優しくもしっかりとした呼び声に、少女は心配げに眉を下げる。
なつめは目を細め、軽く上体を動かして見せた。
「怪我? 大丈夫よ、そちらのお姉さんが治してくれたから、もうなんともないわ」
視線を向けられたレティシアがにっこり微笑むと、真由美はぱちぱちと瞬きする。
「真由美、我慢なんてしなくて良いのよ。ママに会いたいって、真由美の素直な気持ちを……押し込めたりしなくて良いの」
なつめはもう数歩、真由美の許へ近付いた。
「ママの事、忘れなくたって良いの。だって、真由美を生んでくれたたったひとりの女の人なのよ? 新しいお家に来たって、それはずっと変わらないわ」
母子の視線を遮らないように、夏朝たちは左右に道を空ける。
胸に手を当て、なつめは少し俯く。
「……私もね、折角私のところに来てくれたのに、元気に産んであげられなかった子供がいるの。その子たちの事、きっと一生忘れる事なんて出来ないわ。でも……あなたはその子たちの代わりじゃない。真由美は真由美、この世にたったひとりしかいない大切な子なの」
再び、彼女たちは視線を交わす。
目を逸らす事なく。
「私、張り切って良いお母さんになろうと頑張りすぎちゃったんだわ。あなたにもそれが伝わって、素直な気持ちを我慢させていたのかも知れない。だから……無理に『お母さん』するのはもうやめるわ」
形に囚われず、きちんと真由美の心と向き合っていく事。
それがなつめの出した答えだった。
「私たち、まず仲良しになりましょう? 私の知らない真由美の事、まだまだ沢山あるのよ」
そう告げながら、両手を差し出すなつめ。
「……お、かあさ……」
搾り出すように紡がれた小さな声に、母の目が潤む。
真由美は手を伸ばそうとして少し迷うように、そこにいる小鳥を見た。
側にいる夏朝と目が合う。
このひとなら、このひとたちなら。
きっと、小鳥さんを助けてくれる。
信じて貰えたのだろう、緑の小鳥は少女の小さな手から夏朝の手に移された。
「……真由美!」
胸に飛びついてきた少女を、なつめは噛み締めるように呼んで抱き締めた。
「前にママと住んでいたお家も、いつか探しに行きましょう。一緒に……」
「う、ううぅ……」
母の胸に顔を埋め、少女は小さく頷いた。
小鳥に触れた瞬間、夏朝は指先から微弱な電流のような不思議な感覚が伝わってくるのを感じた。
それは瞼の裏で実を結び、カナリアのような青い小鳥の姿を描く。
「……そう、これが君の本当の姿なんだね」
「夏朝ちゃん……!」
穏やかに呟く彼女の許に、鳥籠を持ったまほろが戻ってくる。
「うん」
夏朝は頷いて、そっと小鳥を鳥籠の中に横たえた。
これで一安心と指を離す寸前、また何かがじんわりと小鳥から流れてきた。
ありがとう
それは夏朝の知らない言語のようだったが、何故か意味は理解出来た。
やっと伝えられたよ
「そっか……」
届いた言葉を説明すると、まほろが少し涙ぐんだ。
「小鳥さん、ずっと真由美ちゃんに……伝えたかったんだね。伝えたいのに、近くにいるのに伝えられなくて、辛かった……ね」
みんなの奮闘が、心尽くしの歌が、繋ぐ事の出来なかった点と点を繋いだのだ。
「……よかった」
「うん、よかったね……本当によかった」
それぞれの大切なぬいぐるみを抱き締めて、肩を寄せ合って。
二人は固く抱き合う母子の姿を見詰めた。
「やれやれ、やあっと動けるようになったワイ」
突然甲高い声がして、沈黙していた人形の山がモゾモゾ動いた。
すわ何事かと構えた皆の前に、日本の昔話に出てくるような服装のおじいさんの人形がひょっこり頭を出す。
「「!?」」
「まあまあお若いの、騒ぎは一件落着っちゅう事で、ちょいと落ち着きなされ」
注目を浴びながらも何処かトボけた仕草で脱出したおじいさんは、近くでひっくり返ってジタバタしていた亀の模型を持っていた熊手でひょいっと戻してその上によじ登った。
「やっぱりここが落ち着くのう……ところでばあさんや、ばあさんはどこじゃ?」
「ここです、ここですよぉ」
今度は別のぬいぐるみの山から声がした。
シグレたちがぬいぐるみを退けてやると、鶴の描かれた着物姿のおばあさんの人形が姿を現した。
「ああ、ありがとうございますねぇ」
おっとり頭を下げ、ふくふくしい顔のおばあさんはおじいさんの許にふわりと飛んでいく。
その様子に、ひとであるなつめや咲希たちも呆気に取られている。
「若も……いや、あなたたちは一体?」
流石に若者と呼ぶのは無理があったので、渚砂は途中で言い直した。
「そうさのう。ワシらはお前さんらがいうところの、付喪神というところかのぉ」
長い髭を撫でるおじいさんの隣でおばあさんが微笑む。
「自由が利かずとも、皆さんが人形たちを助けようとして下さっていたのは見ていましたよ」
気が付くと、人形やぬいぐるみの中でも年季の入っていそうな数体がもそもそしている。
「でも、何割かは壊してしまった……」
苦い思いを吐露する祐に、おばあさんが首を振る。
「形あるモノはいつか壊れるさだめですじゃ。彼らは今がその時だったのでしょう」
「なあに、壊れた奴も憎んだりはせんよ。ワシらが作られた頃は『七つまでは神の子』と言われとってナ。神様の子供のする事では尚更、仕方あるまいて」
「……」
視線を感じ、おじいさんは天吏に向かって笑みを深くした。
「ほっほっほ。なあに、お前さんはお前さんの一番大切なモノの為にそうしたんじゃろ? その時の気持ち、忘れんで欲しいものじゃ。難儀なものでの、大切なものが分かっていても、それを一番に動く事が出来ん者も多いからのぉ」
おじいさんが話を続けようとした時、微かな空気の振動を感じた。
時計の針は、この時19時半の少し前を指していた。
「なんじゃ、もう元の世界に戻るのか。天から来た神様はせっかちじゃのう」
「えっ……」
方々で戸惑いの声が聞こえ、おじいさんがぼやく間にも目の前の景色が波のように浚われていく。
「仕方ないのう……そんじゃあワシらからのお礼代わりに、ここらで細工をちょちょいのちょいとナ」
「壊れた人形の事をお気に掛けて下さるのなら、何かの折に想ってあげて下さいな。それが供養の代わりになりましょう」
混ぜこぜの視界の中、二人の声が木霊のように響いた。
「ほっほ、ワシらは同じ島に住んどる者同士じゃ。また何処かで会えるとよいのう……」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
羽月ゆきな
前回シナリオ
<CI@SP>マヌカノイドはリアル・ワールドの夢を見るか
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年03月20日
参加申し込みの期限
2014年03月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年03月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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