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<CI@SP>Evergreen≒Deciduous
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少女を連れてダンジョンを引き返すのも骨だ、魔法系クラスの者たちが帰還用のゲートを開いて一行は記念樹公園に帰ってきた。
「お疲れ様!」
直樹たちが迎え、労わりの言葉を掛けてくる。
(あの子の顔を見た時、みんな懐かしい人とか好きな人を思い出したみたいだけど……)
彼がそこにいたら、どんな顔を見たのだろうかと円は思った。
「直樹くんもお疲れ様」
直樹くんやエメラルドさんにはあんまり似てなかったな、と思いつつ彼に声を掛ける。
しかし、彼の視線は円を素通りし、驚愕に凍り付いたような表情を浮かべていた。
視線は彼女の後ろの方、振り返って追ってみれば皆と話している少女の姿が。
「直樹くん……?」
「……ッ!?」
円は急いで呼び掛けるが、直樹は苦しげに自らの左肘の辺りを抑える。
「直樹くん、直樹くん、どうしたの!?」
駆け寄った円が今にも崩れ落ちそうな直樹を支えた。
「わ、からな……」
直樹はまるで何かの発作でも起きたように、瞠目したまま額に嫌な汗を浮かばせている。
(一体どうしちゃったの!?)
負傷や身体の異常が一切取り払われる仮想空間で、こんな症状が出たケースは一度もない。
円が対処に焦れていると、彼の背後にぬっと人影が現れた。
「ん~? 君も遅咲きの中二病かな?」
「うわっ」
緩慢に円を庇うように横に退く直樹を見て、場にそぐわぬ暢気な声を上げたその人物――奇妙な帽子にモノクルの紳士がくつくつと喉を鳴らす。
「噂をすればなんとやら、でしょうか」
「おおBelladonna嬢ではないか、ご機嫌麗しゅう。今宵は花のようなご友人たちとパーティかね」
エレノアが小さく肩を竦めると、紳士は芝居掛かった大仰な挨拶をして回った。
どうやら、最初から野次馬の中に紛れていたようだ。
「……あれ」
しばし圧倒されていた直樹がはたと、腕の辺りをぽんぽんと撫でる。
「大丈夫?」
「なんか……さっき、凄く痛かった気がするんだけど……あれ?」
今はなんともないらしく、直樹は狐につままれた顔になっている。
心配顔だった円も、流石に首を捻ってしまう。
(直樹くんはボクたちとは違う思い出を連想したのかな……。昔、自分に怪我をさせた人とか)
当の少女は見るもの全てが珍しいのか、周囲のアバターたちに公園内のものを指して「これなぁに?」と聞きまくっている。
「直樹くんは……ずっと、直樹くんだよね」
ぽつりと零れた声が、少し震えた。
状況の変化や、力を手にした事によって豹変した人。
相反する二つの心を抱えて、姿を消してしまった白く美しい人。
この数ヶ月で、円は人となりや運命が大きく変わってしまった人々を何人も見てきた。
「ん?」
今、直樹は直樹として、不思議そうに小首を傾げているだけだけれど。
彼はこのままいられるだろうか?
いつかお父さんと仲直りして、幸せに暮らしていけるだろうか――
「とりあえず、みんな無事に帰って来られたみたいだから、この大穴は閉じちゃうね」
役目を終えた大穴は、あっという間に平坦な地面に変わった。
「無事に終わったようだね」
「!!」
直樹が再び驚く様子に、円は「えっ」と注視してしまう。
「今度はどうしたの?」
「やっぱり、円ちゃんにも聞こえないんだ……」
「例の男の子の声?」
「うん」
小声で話し合うと、直樹は意を決したように少し上を向き、心に念じた。
(君は一体誰なんだ……!? どうして僕にだけ声が聞こえる?)
「ボクは……そうだね、魂の欠片……みたいなものかな」
(魂の……?)
「キミたちの世界でも『心を込めて作った』とか『作った人や使っていた人の魂を感じる』物ってあるだろう? 直接本人を知らなくても、その人を感じ取れる物に宿っているのは、その人の魂の一部とも言えるんじゃないかな」
(君も何かに込められた、誰かの想いって事?)
「……この電子の海にもね、そういうのが沢山存在するんだ。それこそネットに関わった人の、強い想いの数だけね。時としてそれは、人格や何らかの力を宿す事もある。大きな力が降り蒔かれた後は、それが特に顕著になった」
(大きな力……神魂)
声の主は恐らくねと肯定した。
「あのお人形……マヌカノイドたちに心が生まれたのも、そういうものが強く関係しているんじゃないかな。人々の想いや願いを元に、この世界に於ける知的種族が生まれたんだ」
でもね、と声を潜めるように彼は続ける。
「籠もる思いは決して良いものとは限らない。怒りや憎しみ、悲しみや後悔……それに、誰も自分の身元を知らないからと、昏い心で他者に牙を剥いたり、包み隠さず曝け出した感情をぶつけるような者たちの想いも、電子の海には無数に存在している。それがいつ、キミたちに降り掛かってくるか分からない……気を付けるんだよ」
言い含めるような声が、次第に遠くなっていく。
何処か苦笑めいた吐息が聞こえて。
「もう行かなくちゃ……ボクはまだ、ただ波間に浮かんでいるだけの存在なんだ。中途半端なまま……こうして近付く事が出来た時に、波長の合う人に声を届けられるだけ。でも、キミたちとはいつかきっと会えるよ……だから、それまで……」
(……聞こえなくなっちゃった)
ふぅと溜息をついた直樹は、円や気に掛けて側にやって来た者たちに全てを話した。
「助言をくれるって事は、悪い子じゃないのかなぁ」
円は考え込む。
(しまった……あの声の主が、今一番ここの事情を知ってる奴じゃないか?)
少女は何も知らないようだし、迷宮の正体や様々な謎を掴むのにマークすべきだったのは……と深雪は緩く嘆息した。
「ん?」
顔を上げると、件の少女がふよふよとこちらに向かって飛んでくる。
「直樹 直樹! あなたが直樹なんだね! ここで一番偉い人なんでしょ?」
どうやら彼に用があるらしい。
「ま……まあ、一応管理者だから」
少女の顔がぱあっと明るくなる。
「じゃあ じゃあね! あたし『なまえ』がないの。だから直樹、あたしに『なまえ』ちょうだい! ちょうだい!」
「えっ、無理だよ、いきなり……」
戸惑う直樹に顔面衝突しそうな勢いで、少女が乗り出してきた。
「えーーー!? どうして どうして どうして!?」
「だ、だから……いきなり言われても、良い名前なんて思い付かないって」
「えー、ケチ! ケチケチ!!」
尻尾をぶわっと膨らませ、大ブーイングだ。
「ケチって……名前って大事なものなんだから。みんなにも一緒に考「ぶーっ! もういいもん いいもん!
直樹なんて、直樹なんて~!
直樹の樹~は、じゅもくの樹~!!
」
キラキラ~ ポンッ☆
ポップな音と効果が直樹を包んだかと思うと、そこには一本の木が立っていた。
もとい、学芸会の舞台に立っているような木の幹から直樹の顔だけが出ている。
「へ?」
「え?」
「は?」
周囲の人々は固まった。
「なにこれ……動けないんだけど」
直樹は精一杯抵抗しているらしいが、枝葉がゆさゆさ揺れているだけだ。
「ちょっと君、困るよ~」
ここは大人の出番、と神田ちゃんが少女に掛け合おうとするが。
「うるさーい!
ぶーぶーぶーたれる子豚ちゃんのブー!!
」
ポンッ☆
神田ちゃんは二頭身でピンクの豚のマスコットになってしまった。
「ちょ、ちょえええ!?」
騒ぎを聞きつけて、皆が集まってくる。
「ちょっと何事よー?」
ねこでんから璃音も出てきた。
少女を止めようとしたアバターたち数人が、既に可愛い姿にされていた。
「ここってまだモード戻してないわよね?」
「あ、うん」
璃音は直樹がRPG用HUDのスキルを試したりする為に、公園内がサバイバルモードのままな事を確認した。
HUDから飛び出してきた魔法銃のグリップを握る。
「わー、やる気だねっ、あなたも可愛くしてあげる!
さいたさいたよ、かわいいお・は・なー♪
」
「……っと!」
璃音は咄嗟に外套を翻し、魔法で氷の壁を張った。
ポンッ☆
氷壁はファンシーな花の彫像に変わる。
「あーっ、避けるなんてずるい ずるい~!」
「ズルいのが大人ってもんよ? でも、君のその能力の方が反則だと思うけどねー」
「ハンソク~? むぅー」
意味は分からなかったようだが、少女は口をへの字にして高く飛んだ。
大きく手を掲げると、キラキラした光がマヌカノイドたちに降り注ぐ。
「みんな、一緒に遊ぼう!」
「ど、どこ行くのだ!?」
彼女を落ち着かせようと見計らっていた小麗が慌てる。
「もっといっぱい、楽しいがあるところ!」
明るく告げると、少女は街へ向かって流れ星のように飛んで行ってしまった。
「大変、追い掛けないと!」
「こらー、しゃおりーをおいてくなー!」
アリーセと並び、複数人が公園の出口へ走っていく。
「不測の事態に備えてとは思ってたけど、まさか救出対象が地雷になるとはねぇ。どうしよっか?」
木の役の人から戻れないらしい直樹の前に戻って、璃音は頭を掻く。
「ちょっと……拙いね」
直樹は割と深刻な顔をしていた。
「こんな可愛い調子でやってるけど、彼女がしたのはデータの改ざんだよ。街で好き勝手されたら、大変な事になっちゃう」
「はあ……おひい様がとんでもないイレギュラーかー」
やれやれと溜息を吐く璃音。
「な、なんじゃこりゃーッ!?」
悲鳴の主を見れば、神田ちゃんが豚っ鼻の半獣人みたいな姿になっていた。
「ご、ごめんなさい」
あわあわと謝るアーティ。
「これは君が?」
「ええ、さっきあの方が撒かれた光は……私たちにも同じ力を付与するものだったみたいで」
アーティは璃音の問いに頷く。
それで、逆方向に使ってみれば変化を解けるのではと思ったと。
Mystiqueはしげしげ神田ちゃんを眺める。
「でもある程度は戻ってるって事は、イメージする力の問題かしらね」
「力不足ですみません……」
「や、これはこれで結構可愛いじゃない」
「ちょっとマリンさーん!?」
恥ずかしそうに尻尾をプルプルさせる神田ちゃん。
「改ざん、か。でもあの子、そんな力持ってる割にはすごく無邪気な感じだったわね。良い事と悪い事の区別がついてないんじゃないかしら? いっぱしの知能はあっても、まるで赤ちゃんみたい」
「た、確かに」
Mystiqueの言い分を聞きながら、神田ちゃんはまだプルプルしている。
「僕はとりあえず、自分でなんとか出来ないかやってみるから……みんな、あの子を追ってくれないかな? して良い事と悪い事さえ分かってくれるなら、ここでマヌカノイドたちと一緒に暮らす事だって出来る筈だから」
「直樹様……あの方の事、許して下さるんですか?」
「だってさ、君たちが命を懸けて助けようとした子じゃない」
胸の前で手を組むアーティに、木の役の人のまま微笑む直樹。
璃音たちは思った。
良いシーンだな。
だがその絵ヅラのせいで台無しだ。
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<CI@SP>マヌカノイドはリアル・ワールドの夢を見るか
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
冒険
SF・ファンタジー
バトル
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年03月20日
参加申し込みの期限
2014年03月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年03月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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