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潮騒を遠くに聞きながら、海を目指して彼女と並んで歩いている。
誕生日には予定が入っていて、畑生からの申し出を断ってしまった。そのことを気にかけていた
浮舟 久雨
にとって、彼の「海に行きたい」という誘いを断る理由はどこにもなかった。
(夕焼けの海、か。じっくり見たことはなかったが……)
オレンジ色に揺らぐ海はとても綺麗なのだろう。
多くの恋人たちが夕暮れの海に特別な思いを寄せている――となんとなく話では聞いていたが、その気持ちも今なら分かるかもしれない。こんなにきれいな景色を好きな人とふたりで眺める。それはそれだけでとても幸せなことだ。
そう、たとえば2人肩を寄せ合って座ったり、言葉を交し合ったり、それに――
「恋人たち、っていうのはやっぱりこういうとき、手をつないだりするものなのか?」
浮舟が思わず口にした疑問に、畑生はふむ、と落ち着いた声で首を軽く振る。
「私は凡人とは違うので、その時点で普通の恋人の定義からは離れてしまうわけだが……けれど、まあ」
そこで言葉を区切ると、畑生はすっと彼女の手を取った。
「と、言嗣っ!?」
突然の彼の行動に、浮舟は焦ったように彼を見上げる。
普段は凛々しく振舞っている浮舟だが、その手はやはり女性のものだ。なめらかで、やわらかくて、あたたかい。
愛しい人の手のひらの感触に目を細めながら、畑生は言った。
このようにすることは、心地よいと思うよ、と。
やがて白い砂浜にたどり着いた。
オレンジ色に染まった海が、一面に広がっている。
さざ波が寄せては引いて、寄せては引いてを永遠に繰り返している。
「久雨君。着いたよ、久雨くん」
呼びかけてみても、手をつなぐ彼女からは返事がない。
聞こえていないようだ、とその手をぎゅっと握り締めてみると、彼女ははっと我に返ったように顔を上げた。
「わ、悪い、言嗣。ぼーっとしてしまってて……」
「どうしてぼーっとしてしまったのかね? 熱でも?」
「うう……」
理由は分かっているくせに尋ねてくる彼の言葉に、浮舟は小さく声を漏らす。
彼にはいつもからかわれてばっかりだ。
浮舟はちらりと隣に立つ畑生の顔を見た。オレンジ色に照らされているせいか、彼の横顔はいつもより穏やかな表情をしているように見えた。
「きれいだな」
その横顔から、海に視線を戻して浮舟は言った。
「この海のどこかに鯨がいて、世界が広がっているのだな……」
世界はすべてこの海でつながっているのだから不思議だ。
「どこにでも行けそうだな、ここにいると」
浮舟がそう言うと、あれからずっと握っていた畑生の手にぎゅっと力が込められる。
どうしたのだろう。その感触に浮舟が彼の方を見ると、畑生も彼女の方を見ていた。
「何……私らしくもないことだがね」
畑生はまっすぐに愛しい人を見ながら言った。
「君が、このまま私の前からいなくなってしまうのではないかと……少し不安なのだ」
「私が……か?」
彼は何を思っているのだろう――。滅多に見せない畑生のはかなげな様子に、浮舟は安心させるように笑ってみせた。
「ふふ、なんだ急に。私はここにいるではないか」
みんなからも、貴様の前からも――消えたりなどするものか。
自分の存在を示すように、つないだ手を小さく揺らしながら浮舟は言った。
「ありがとう、久雨くん」
畑生はそっと浮舟を抱き寄せた。間近に見える彼の顔は、いつもの堂々として――とても格好いい、畑生言嗣の表情に戻っている。
「ど、どうしたんだ言嗣っ、急に……」
「私の不安を取り除くには、こういう事が一番なのではと思ってね」
「こういう……事?」
「キスしてもいいかな、久雨君」
彼の声が耳元で響く。どきどきしてどうしようもなかったけれど、浮舟はいつかのように彼の元から走り去ることはしなかった。もう逃げないと決めたのだ、彼の真摯な思いからは――
浮舟は返事の代わりに、そっと目を閉じた。
それから、くちびるに伝わる優しいやわらかさとあたたかさ。
(目をつぶっているのに……とても彼を近くに感じる)
これがキスをするということなのだろうか。
やがてくちびるが離れていく。思い出したように耳に潮騒が届く。
ゆっくりと目を開くと、近くに畑生の顔があった。
「言嗣……」
彼の名前を呼ぶ。呼ばずにはいられなかった。どうしても素直になれず、胸のうちにしまったままにしていた想いがあふれだすようだった。
「好き、言嗣」
気恥ずかしさと緊張で、彼の胸元に額をくっつけながら、それでも浮舟は自分の想いを伝えることをやめなかった。好き、ともう一度口にする。
畑生はそんな彼女を優しく抱きとめ、背中をそっと撫でた。
「私もだよ、久雨君――君が好きだ。途方もなく、愛している」
どれくらいそうしていただろうか。
しばらくしてどちらともなくそっと体を離した頃になると――忘れていたじわじわと気恥ずかしさが込み上げてくる。
「か……帰るぞっ!」
照れ隠しに語気を強めながら言う浮舟だったが、その手は彼の手をしっかりと握ったままだ。
「ははは、やはり可愛らしいね」
自分の腕の中でキスを待っていた彼女も最高に可愛らしかったが、普段の照れ屋な彼女もやっぱり可愛い。
「好きだよ、久雨くん」
もう一度だけ、畑生が自分の思いを伝える。
その言葉に、浮舟は照れたようにふいと顔を背けたが――つないだ手はぎゅうっと握り締めるのだった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
花村翠
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年02月02日
参加申し込みの期限
2015年02月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年02月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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