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空中散歩デートジェラート
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シーサイドタウンでのアウトレットの買い物を済ませた頃には、もう日は傾きつつあった。
「……と、だいぶ遅くなったけど、まだ門限までは時間はあるな。少し散歩でもしてみるか?」
買い物袋を抱えながら
御剣 刀
は、隣を歩く小柄な少女に問いかけた。
少女は嬉しそうな顔でこくりとうなずくと、すっと前方を指差してみせる。
「ん? なんだあれ、ジェラート?」
食べたいのか、と尋ねると満面の笑みで
小山内 海
はうなずいてカバンから一枚のチラシを出した。どうやらずっと行きたかったらしい。
そのチラシを受け取って、ふーん、と御剣はプリントされた色とりどりのジェラートに目を移す。
「ついに寝子島上陸、か。これ本土では有名な店なのか」
食い気は強いが、特別に甘いものに詳しいという訳ではない御剣。首を傾げて尋ねると、小山内はこくこくと首を振る。
彼女が行きたがっているというのなら拒む理由はない。二人はチラシを見て味を決めながら行列に並んだ。
「へぇー、かなりいろんな味があるな。小山内はどれにする?」
御剣の言葉に、彼女はもう決めていたかのような早さで、とん、とヨーグルトサワー味を示してみせた。
「あ、俺もそれおいしそうだと思ってたんだけど。……うーん、せっかくなら俺はキャラメル味にしようかな」
どうして? といわんばかりにきょとんと小首を傾げて御剣を見上げる小山内。そんな彼女に、御剣は少し照れくさそうに頭をかいてみせた。
「ん、いや、ほら。せっかくならいろんな味食べてみたいじゃん」
『つまりそれって、わたしのジェラートもたべるつもりってこと?』
そこでようやく、小山内は小脇に抱えていたスケッチブックを取り出してさらさらと文字を書いてみせた。どことなく詰問するようなその表情に、図星を突かれた御剣は、いや、まあ、と曖昧に笑ってみせる。
「ほら、交換だよ、交換。小山内だっていろんな味、食べてみたいだろ」
そうこう言い合っているうちに順番が回ってきた。声が出せない彼女に代わって、御剣が二人分のジェラートを注文する。
店員は慣れた手つきでジェラートを装い、カウンターにキャラメル味とヨーグルトサワー味のカップを、そして一枚のチケットを置く。
「これは?」
「ただいま、カップルで購入された方に大観覧車のチケットをお渡ししているんです」
もしよかったらお楽しみください、とにっこり笑う店員に、御剣は思わず目をぱちぱちとする。
「い、いや、俺たちは……」
つい否定しかけたが、わざわざくれると言っているのならもらってしまった方が得だろう。結局その言葉は飲み込んで、御剣はチケットを受け取った。
「……あ、ありがとうございます」
その隣では、話を聞いていなかった様子の小山内がきょとんとした面持ちでチケットを覗き込む。
「ああ、これ。なんか観覧車のチケットもらってさ。小山内は乗りたい?」
ヨーグルトサワー味のジェラートを手渡しながら尋ねると、小山内は目の前にそびえる大きな観覧車を仰ぎ見て、小さくうなずいた。
がたんがたんと、小さな音を立てながらゴンドラは地上を離れていく。
腰を落ち着けるところがあってちょうどよかったと思いながら、御剣は買い物袋を床に置いて早速ジェラートを口にした。
「ん、うまいな! わざわざ出店がくるだけあるな」
御剣が思わず声をあげると、向かいに座る小山内も笑顔でうなずいた。どうやらあちらの味もおいしかったようだ。
小山内も満足げな表情でジェラートを食べていると、ふと身を乗り出してきた御剣と目があった。
急な彼の接近に驚いて口をぱくぱくさせる小山内には気づいていない様子で、御剣はそのまま彼女のカップにスプーンを差し込む。
「ほら、さっき言ってただろ? 交換」
いたずらっぽくそう言うと、彼は止める間もなくぱくりと食べてしまう。
もう、食いしん坊なんだから。――人の気も知らず、どきどきさせて!
むうと膨れたような顔を見せる小山内に、ごめんごめんと御剣はバツが悪そうに笑いながら自分のジェラートを差し出した。
「はい、これ。こっちもうまかったよ」
ホントはジェラート食べられたことじゃないんだけどな、と思いながらも、差し出されたら食べない訳にはいかない。
スプーンを差し込んで、一口ぱくり。キャラメルの濃厚な甘さが口に広がって、小山内はむくれていたことも忘れておいしそうに目を細める。
「な? おいしいだろ?」
そんな彼女の様子に、御剣も安心したように笑ってみせた。
がたんがたんと、ゴンドラはもうだいぶ高いところまで来てしまっている。
何気なく窓の外に目を向けると、寝子島の町がおもちゃのように小さく広がっているのが見えた。
そして反対側の窓を見てみれば、西日に染まった静かな海が。
「……高いな」
御剣が思わず漏らした言葉に、外の風景を眺めていた小山内はきょとんとした表情で彼の方を向く。
『まさか、たかいとこにがて?』
少し不安になってそう尋ねると、いや、と彼は海の方に目を向けたまま小さく首を振った。
「いや、そういうわけじゃないんだ。大丈夫」
誰もいない。夕暮れの空の中に、自分と彼女しかいない。
改めてそう考えると、気恥ずかしさと緊張が彼の胸をそわそわと落ち着かなくさせる。
彼の頬が赤いのは、きっと西日のせいだけではないだろう――そこでようやく御剣の心中を察した小山内は、思わず顔を背けて視線をさ迷わせた。
二人とも黙ってしまった、静かなゴンドラ。
けれどその沈黙は不思議と心地の良いものであった。
そしてやがて地上に降りた二人は、まるで息でも止めていたかのようにふう、と小さく息を漏らす。
(緊張した……でも、嬉しかったかも)
小山内はおそるおそる、隣を歩く御剣の横顔を見上げた。
彼も自分と同じように照れていたということは、もしかして意識をしてくれていたということ?
――もちろん、そんなこと尋ねる勇気はないけれど。
「いい、眺めだったな。楽しかったよ」
太陽はだいぶ沈んでしまって、夕焼けの街並みはまるでオレンジの光に照らされた影絵のようだ。
そのただ中を歩きながら、御剣は若干のぎこちなさを滲ませながら言う。
わたしも、と声にならない声で小山内はうなずいてみせた。
二人で並んで帰る、桜花寮への帰り道。夕日の優しいあたたかさが目に染みる。
いつもと同じ道であるはずなのに、どうしてこんなにきれいなんだろう。
どうしてこんなにどきどきするんだろう。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
花村翠
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年02月28日
参加申し込みの期限
2014年03月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年03月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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