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頭の上に高く結ったどピンクのツインテールをぴょこぴょこさせながら、走ってくる小さな人影がひとつ。
そのきらきらとしたハートの浮かぶ瞳は、きょろきょろと何かを探すように動いている。
「うんっ、はるくんはまだ来てないみたいだねっ!」
やっぱり5分前行動ってだいじ~、と小さくガッツポーズするのは
宇佐井 かよ
である。
今日は友人の
潦 春貴
に誘われて観覧車に乗ることになっていた。友人の姿はまだ見えないので、どうやら先に着いたようだ。
「うーん、今日はいいお天気だし楽しみだなーっ」
夏のうんざりするような暑さも、大きな観覧車の前では些細な問題だ。小さな体を目いっぱい逸らして観覧車を仰いでいると、おい、と後ろから声をかけられた。
聞きなれたその声と共に現れたのは潦であった。
彼がやってきたのは入り口とは逆の、観覧車のふもとの方向である。どうやら宇佐井より先に来て周囲を見て回っていたようだ。
「にょっ! まさかはるくん、先に来てたのー?」
「ああ、早く着いてな。少し見て回っていたのだ」
堅苦しい口調で言う潦。
今回彼女を誘った理由も、以前彼女のおかげで温泉に入ることができたことへの礼という義理堅いものであった。礼をする側として相手を待たせるわけにはいかないと集合時間より一時間も早く来ているあたり、その生真面目さが伺える。
そこにカップルやデートという年相応の浮ついた空気はないものの、そんな雰囲気にはお構いなしにいろんな意味で常時ふわふわと浮いている宇佐井にとって、友人と観覧車に乗るということは充分に楽しいイベントであった。
「はるくん、今日はほんとーにありがとーっ! かよね、昨日からすっごく楽しみにしてたんだよっ。早く乗ろうよ乗ろうよー!」
年齢よりもだいぶ幼く見える宇佐井である。それにバカと煙はなんとやら、大観覧車で喜んでくれるだろうかと、若干失礼ながらも潦なりにきちんと考えた選択であったが、どうやら大正解だったようだ。素直に喜ぶ宇佐井に、内心でほっと息を着く。
宇佐井の頭は観覧車でいっぱいだ。待ちきれないといった様子で潦の腕をつかんでぐいぐい引っ張ろうとする。
……とはいえ、女子の中でも小柄な宇佐井と、190センチ近い長身を誇るバスケ部の潦。もちろん彼の体はそんな小さな力ではびくとも動くはずもなく、まあ待て、と早まる宇佐井を諌めるように潦は口を開く。
「さっき見て回ったんだか、向こうに何か屋台が出ていたみたいだ」
「あ、ほんとだ! あーっ、かよ知ってる! あのジェラート店ってとっても有名なんだよ!」
ぴくりとも動かない潦の体を引っ張るのは諦めたのか、とてててと小走りに宇佐井はジェラート店へと駆け出していく。
「わあ、おいしそーっ! ほらはるくん、いろんな味があるよっ」
いいなぁ食べてみたい……。とハートの目をうっとりきらきらさせてショーケースを眺める宇佐井。
そんな彼女の様子に、ふむ、と潦もそちらに近寄って横から覗き込む。
今日の目的は宇佐井への礼だ。ジェラートのひとつやふたつ買うことくらい、やぶさかではない。
「どれがほしいんだ? これか?」
「えー、何それほうとう味? かよよく分かんないよー」
えっとねー、食べたいのはこれ!
と、宇佐井が元気に指差したのは――サンマ味。
ほうとうより更によく分からないチョイスに一瞬動きを止めたものの、一度決めたことを撤回するほど潦は軟弱ではない。
「なるほど、サンマ味か……。今日はお前へ礼を返す日だからな。ここは俺が支払おう」
「ええっ、いいのっ? わーい、はるくんやさしー! ありがとーっ!」
遠慮は見せずとも、素直にお礼を言ってぴょんぴょん飛び跳ねる宇佐井。
「じゃあかよが注文してくるねっ! すみませーん、サンマ味ふたつくーださいっ」
「えっ」
まさかそれって俺の分なのか、と再び動きを止める潦。が、繰り返す、彼は一度決めたことを撤回するほど軟弱ではないのだ。
「こっちがはるくんのぶん!」
なんともいえない色合いをしたジェラートを二つ手にした宇佐井が、はい、と満面の笑みで潦に一つのカップを手渡す。
きらきらとしたそのハートの目に見つめられ、うむ……と潦はそのカップを受け取るほかなかった。
サンマ味のジェラート片手に、いよいよ乗った大観覧車。
ぐんぐんと高度が上がるにつれ、宇佐井の気分もみるみる上がっていく。
「ふぉあーっ、すごいよはるくん! もう人があんなにちっちゃくなっちゃった」
「ああ。今日はよく晴れてるしな、すぐに遠くの景色も見えるだろうな」
「遠くってどこかな、アメリカまで見えちゃうかなっ!」
「……いや、それはないだろう」
しごくまっとうな潦の言葉に、宇佐井は足をばたばたさせながら楽しそうに笑ってみせる。
「冗談だよーっ、はるくんおもしろーい!」
彼女に面白いと言われてはいよいよかもしれない、と笑うたびにぴょこぴょこ揺れるピンクのツインテールを眺めながら潦はため息を着く。
思わず呆れる彼を尻目に、宇佐井はすっかり外の景色に夢中になっていた。
「にょにょっ! いつの間にかもうこんなに高いよ! はるくん高いよっ!」
ぴょんっ、と跳ねるように潦の方に近寄ると、海とは逆方向の窓にべったりと顔をくっつけて景色を眺める。
そちらに目をやると、寝子島に広がるシーサイドタウンが一面に広がっているのが見えた。町はもうミニチュアのように小さくなっていて、潦も思わず窓の外の景色に目を奪われる。やたら行列が多かったが、これほどの景色なら盛況なのも納得だ。
自分が住む旧市街の方はどうだろうとそちらに視線を向けようとしたとき、ひょわわー、と唐突に耳元で大きな声がした。
「急に大きな声を出すな……!」
「ごめんなさーい。だってほら、ありぇってねここーだよおっ」
宇佐井がべったりと顔をくっつけながら指す先には、確かに学校らしき施設が見える。位置的にも寝子島高校とみて間違いなさそうだったが、いかんせんこの高さ。正直何がなんだかよく分からない。
「すごいすごいっ、かよたち、こーんな街に住んでたんだねっ」
目を輝かせながら言う宇佐井。その無邪気な横顔に、潦は心のどこかがほんの少しだけ穏やかになるのを感じる。
バスケの特待生として家族と勘当同然に別れてまで寝子高に入学し、ひたすら部活と勉強を打ち込む日々。
常に自他を厳しく律する彼にとって、無邪気にはしゃぐ宇佐井のような人間はむしろ苦手な部類であった、はずなのに。
(……不思議なものだな)
無邪気を通り越した謎のエネルギーに満ち溢れているからなのか、なんなのか。
楽しそうにする宇佐井を見て、今日は誘ってよかったと素直にそう思ったときだった。
「ひょわああー、はるくん! あっち見て! あれ!」
再び急に大声を上げてばたばたと足を動かす宇佐井。そのあまりのはしゃぎっぷりに、先ほどの内心の思いはいったん置いておいて潦はため息を着いた。
今日は礼だからと強く言うのを抑えていたが、この密室空間、こうにも騒がれていては気が持たない。
「だから、急に大声をあげるなと言っているだろう! それにそんなに動き回って……ええい、うるさい!」
「ふええ、ごめんなさぁい。……にゃにゃっ、ねえはるくんあっちあっち!」
――結局、地上に着くまでの15分間、最後の最後まで宇佐井は彼の忠告には従わなかったのであった。
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担当ゲームマスター
花村翠
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ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年02月28日
参加申し込みの期限
2014年03月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年03月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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