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空中散歩デートジェラート
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待ち合わせ場所に現れた意中の人の姿に、
花風 冴来
は思わず小走りに駆け寄った。
「クロウディアさん……!」
「おう、悪いな、待たせてしまったか?」
「ううん、私も今来たばっかり」
大人びた普段の様子と違い、年相応の子どもらしさをにじませながら花風は小さくはにかんだ。
今日は思い人との念願のデート。一緒にいられるだけで、花風はふわりと気持ちが浮き上がってしまう。
「ならよかった。じゃ、せっかくだしいろいろ見て回ろうぜ」
そんな彼女ににかっと人懐っこそうな笑みを見せると、何か面白いものはないかとクロウディアはきょろきょろ辺りを見回す。
彼の目に留まったのは、ひとつの人だかり。目を凝らして見ればどうやらジェラートの屋台が出ているようだ。
「へぇ、ジェラートか。昔見た映画を思い出すなぁ」
「映画?」
「ああ。お前みたいなとびきりの美人が出てくる映画」
楽しそうに言うクロウディアに、もう、と花風は照れたように頬を染める。
(いつもこう、私ばっかりからかわれて……)
恋する乙女にとってはそれさえも嬉しいことであるが、それでもたまには仕返しをしてみたい。
そうだ、と小さな思い付きを胸に、花風はクロウディアを見上げた。
「ねえ、せっかくだから食べようよ」
「そうだな、ここまで来たんだし食べようか」
行列に並びながら、ガラスケースの向こうの色とりどりのジェラートを眺める。
当店のオススメ! とラベルの貼ってあるサンマ味とほうとう味……得体の知れない味に小首を傾げつつ、花風はクロウディアを見上げた。
「ねえ、さっき言ってた映画だけど。その女優さんはどの味を食べたの?」
顔を輝かせながら尋ねる花風に、それがさ、とクロウディアは肩をすくめて笑う。
「モノクロだから味は分かんないんだ。ファンの間では何味だったかって論議もあるみたいだけど」
「そうなんだぁ。せっかくだから一緒の味を食べてみたかったんだけど……じゃあ、私は青リンゴにしようかな」
花風が選んだのは、みずみずしい爽やかな色合いをしたジェラートだった。
「お、うまそうだな。じゃ、俺も同じのにするか」
青リンゴ味ふたつ、とクロウディアが頼むと、二人の姿を見た店員が嬉しそうな笑顔を見せる。
「かしこまりました! お客さん、今じつはカップルで購入された方には大観覧車のチケットをお渡ししてるんですよ」
カップル。その単語に花風は小さくうつむいた。
自分たちはまだ付き合っているわけではない。そうだったらいいのにな、と複雑な気持ちを胸にクロウディアを見上げると、彼は気にした様子も見せずにチケットを受け取っていた。
「へぇ、ラッキー。せっかくだから乗ろうぜ」
何のためらいなくそれを受けとった彼の本心は、花風には分からない。
はあ、と思わず恋わずらいのため息を着きたくなる気持ちを押さえ、花風はうなずいた。
観覧車は盛況なようで、辺りには二人と同じ恋人同士に見える人々が多く見える。その行列の最後に並びながら、二人は先ほど買ったジェラートを食べていた。
「なかなかうまいじゃん! 正解だったな」
「だね。……ねえ、クロウディア」
ジェラート片手に、どきどきと胸を高鳴らせながら花風は彼の名を呼ぶ。
今日こそは私がからかうんだからね、と意を決して言葉を続けた。
「こっちの味も、食べてみたくない?」
はい、あーん、と頬を染めながら花風はスプーンにとったアイスを彼の口に差し出す。
そんな彼女の様子にクロウディアは一瞬驚いたように目を丸くしたが、すぐにいつもの笑顔を見せた。
「お、食べさせてくれるの? 美人に食べさせてもらえるんなら悪い気はしないよな」
楽しそうに笑うと、クロウディアはぱくりとそのスプーンに食いついた。
そんな二人の様子に周囲の視線は自然と集まり、そのことに気づいた花風は思わず顔を真っ赤にしてうつむいた。
「……こ、これ、やってる方が恥ずかしい」
「そうか? 俺はぜんぜん恥ずかしくないぜ? ……それに」
恥らう花風をさらにからかうように、クロウディアはにやりと笑みを浮かべた。
「わざわざ冴来に食べさせてもらわなくても、俺も同じ青リンゴ味注文してたんだよな」
ささやかな口実の矛盾を見破られて、花風は思わず視線を泳がせる。
「え、えーと。……そ、それは」
「そんなに俺に食べてほしかったのかな?」
「……もう、意地悪!」
いてもたってもいられなくなって、花風はふいっと顔をそむけた。
(うう、結局私がからかわれてしまってる)
けれど、そんな会話すら今の彼女にとってはとても大切なひとときだ。
集合時間を遅くしていたため、夏の空はもうゆっくりと夜の色に移りつつある。
昼間よりもぐんと明度が落ちた夕時の空には、沈んでいく太陽と入れ替わるようにゆっくりと姿を見せる細い三日月の姿が。
そのやわらかな光に、花風は目を細める。
(やっぱり似てる。優しい白銀のお月様)
そんな彼女の向かいに座りながら、クロウディアは小さくなっていく寝子島の街並みに視線を落としていた。
「観覧車、か。久しぶりに乗るな。昔は結構乗ったんだけど」
いい機会だったぜ、とクロウディアが笑えば、花風の心も自然と花開く。
ようやく二人っきりになれた瞬間。渡すなら今しかないと、花風はカバンの中からひとつの小瓶を取り出した。
「あの、クロウディア……これ」
「ん? これは……」
差し出されるまま受け取ったそれは、薄いブルーで満たされた小さなガラス瓶。その形は三日月の形を模していて、光に透かすときらきらと小さく輝いてみえる。
「この間お店で見つけた香水なんだけど」
「へえ、香水、か」
男子高校生には縁遠い小瓶であったが、彼は興味深そうにその色合いを見つめている。
蓋を取ってみると、辺りには爽やかで優しい香りがいっぱいに広がった。
「……うん、こういう匂いなら俺がつけててもおかしくはないかな」
鼻を鳴らしてクロウディアが笑ってみせると、花風は安心したように息を着いた。
「ありがとう……でも、無理に使わなくてもいいの。もらってくれるだけで、嬉しいから」
「そうなのか? 確かにまあ、俺も香水が似合う男って訳でもないしな……ありがたく受け取っておくぜ」
クロウディアは受け取った小瓶を、ワイシャツの胸ポケットにすとんと滑り込ませた。
沈んでいく太陽とは逆に、観覧車はどんどん高みに上っていく。
薄暗くなっていくゴンドラの中には、優しい香りと、やわらかな月の光と、そして。
「クロウディア」
愛しい名を呼びながら、花風はそっと立ち上がり彼の隣に腰掛けた。
その弾みでゴンドラが大きく揺らぐのも気にかけず、花風は愛しい人の腕に抱きついた。
「……冴来?」
かすかに戸惑ったようなクロウディアの声音。しかし彼女は身を離そうとはせず、小さく目を閉じた。
「お願い……もう少しだけこのままでいさせて」
可愛らしい少女の、小さな願い。その言葉にクロウディアはうなずいた。
「……ああ。少しだけな」
「ありがとう、クロウディア……。私、あなたのことが好き」
優しい香り、やわらかな月の光、そしてあなたのぬくもり。
幸せに満ちた空気に陶然と瞳を閉じながら、花風はずっと胸に秘めていた愛を口にする。
「世界で一番、あなたが好きよ。今日も明日も、これからもずっと」
ずっとずっと、あなたと一緒にいたい。
ついに観覧車は一番空に近いところにたどり着く。
ぐんと近くなった月の光がもたらすのは、優しい標か、優しい狂気か。
少しでいいから、時間が止まってくれたらいいのに――
幸せを詰め込んだゴンドラの中で、花風は瞳を閉じてそう祈った。
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あとがき
担当マスター:
花村翠
ファンレターはマスターページから!
こんにちは、花村です。
今回もお待たせ致しました!リアクションの公開です!
初めてのグループ機能シナリオということで、
本当にたくさんのカップルを書かせていただきました。
友人同士だったり恋人同士だったり微妙な間柄だったり……
それぞれのPCさんにそれぞれのドラマが詰まっていて、
その様子の一コマを描くことができてとても楽しかったです。
今回はご参加本当にありがとうございました。
機会があれば、またよろしくお願い致します(^∀^)
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
花村翠
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2014年02月28日
参加申し込みの期限
2014年03月07日 11時00分
アクション投稿の期限
2014年03月07日 11時00分
参加キャラクター一覧
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